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かつて天狗と言われた男たち     山形県出羽三山の修験道体験へ

今回の観光庁事業のコーチング視察で訪れたのは、山形県にある出羽三山。ここで、1,000年以上続く古代の修行法である「修験道」と宿坊を視察しました。

そもそも修験道とは、自然へと誘う神道と仏教が融合した実践的宗教を指します。訓練を積む人々のことを山伏(やまぶし)と呼び、昔から超自然的能力を持つ者として恐れられてきた存在でした。宿坊とは、こういった古代の精神修行に参加するために訪れた巡礼者たちのための宿で、ホテルや旅館とは全く違う形態の施設です。

このような素晴らしい場所でも問題を抱えています。人々はかつて歩いて巡礼し、それが団体バスで訪れるようになり、時代と共に変化しながらも、そうしたグループの人々によって宿坊は支えられていきました。しかし、近年の団体旅行者の減少からも分かるように、個人旅行者や小規模グループに対応しようと模索している今この瞬間にも、巡礼者の減少という大きな壁に頭を抱えている現状があります。

しかし、歴史的雰囲気を守るための景観作りは必要だということに、地元住民自身が気付くための一歩を踏み出しました。

山中に響き渡るほら貝のエコーを聴きながら、山伏と一緒に山々を歩く体験は他にはない特別なものでした。

私たちは自然の音に耳を澄ませながら羽黒山の山頂にある神社で神楽を見学し、真夜中の真っ暗な道を戻った後、星空の下で瞑想を行いました。この経験によって、私の感覚が研ぎ澄まされ、完全に心を集中させることができるのを感じました。大昔、山伏たちが天狗に比喩されていたのも納得です。

正直なところ、この体験コンテンツが全ての人に受け入れられるものかと言えば、そうではないでしょう。しかし、トランスフォーメーション体験、日本に残る本物の修行体験、そして人生観を変えてくれる何かを求めているセグメントに、まさにぴったりの体験だと思います。素晴らしい体験をありがとうございました!

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