桜の木がピンクで染まったら
「ブランコで恋話しよ!」
小学生の男の子がそう言って僕の横を走り抜けて行った。
恋話?僕がお主らぐらいの歳だった頃は遊戯王のカード集めに全ての情熱とお小遣いを注ぎ恋愛のれの字も知らなかったぞ?とびっくりしてしまった。
公園は何もないようで行くたびにおもしろいできごとがある。
もしくは僕がそんな些細なことに気づけるようになったのかもしれないけれど、情報がごった返している街中よりも楽しい気持ちで帰れることが多い。中華料理屋のメニューみたいにありすぎると分からなくなるのだろうな。
ライブの準備があったのと曇りの日が多かったので今日は久しぶりののんびりタイムだった。ひなたぼっこをしてぼーっとしたり静かな道を歩くと幸せを感じる。
ふと張り紙を見つけた。そこには
「大型台風21号の猛威は凄まじかった!
公園の大木が十数本も倒木しました。この若木の桜も。倒木した後、今年2月に植樹したものです。大阪市は財政難で以前から財布の紐は固く植え直しは期待薄でしたが自然発生的に集まった地域のみなさんからの寄付金で再び植樹することができました。」
と書いてあった。
支え合いっていいなあ。とあたたかい感情が込み上げた。
今これからの活動について考え直していて、今までのように振り向いてくれない人の背中を追いかけるのではなく、こちらを見ていてくれる人とたくさん笑い、その笑い声が誰かを振り向かせる居場所づくりをイメージしている。
この桜の木のエピソードは僕の思い描いている空気に近い。
困った時はもちろん、嬉しいことがあった時、何かに挑戦しようとしている時、みんながどこからか集まって、1つの目的に向かって自分の持っている力を注ぐ。
強制もされず、無理にひとつの輪にならなくてもいい。偉い人も偉くない人もいない。ただ同じ目的があったり同じものが好きだったりしてそこに集まって何かをできる。
そんな居場所を作りたい。
2019年が終わったらまた春が来る。
この桜の木がピンクで染まったら、きっと力を貸した人は嬉しいと思うんだ。
花が散った後も公園に来るたびに自分にはできることがあると思い出せる。
雑踏で溢れかえる交差点の巨大スクリーンに映し出されるような派手なことはできなくても、自分たちが心から守りたいと思った1本の木がそこに立っていることに幸せというのは見つけられるもの。
それができる公園と幸せのきっかけをつくりたい。
読んでくれてありがとうございます:-D
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