「音楽」が「音が苦」になっていたはなし。
僕はインディーズミュージシャン。
あと2ヶ月で30歳になる。
暗い話も多くなるが希望を持っているからこそと思って読んでほしい。
学生時代 互いに夢を追っていた友達も9割が音楽をやめた。ライブハウスで出会ったバンド達もたくさん解散したし、作曲家をはじめて関わらせてもらうようになったアイドル業界も引退ラッシュ。
前向きな理由、後ろ向きな理由それぞれあるけれど僕はなにもしらない。
ただひとつ、続けていくというのは難しいのだなという気持ちが波紋のように漠然と心の水面に広がっていくのだった。
はじめは歌うのがただ楽しかった。つくるのがただ楽しかった。
そして今でも根本はそこから変わっていない。
僕は音楽が好きだ。
だからこれでやっていくんだと本格的に音楽活動をはじめた。
歌い始めた頃は路上ライブブームで駅前に行くと必ず誰かが歌っていた。
ギターさえあればただでカラオケができるという理由ではあったが、何はともあれ僕の音楽活動も路上ライブが原点だ。
やがてライブハウスや野外イベントにも出演するようになる。インディーズミュージシャンというものに自然と溶け込んでいった。
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地元のライブハウス、そして大阪に来てから最初の6、7年はノルマを払ってライブに出演していた。お客さんを呼べない僕は毎回2万円、3万円というお金を払ってライブをしていた。
バイト代はほとんどそれに消えた。多分全部で300万〜500万円はノルマにつぎ込んだと思う。
今はノルマのあるライブはすべて断らせてもらっている。何も考えずにシステムを受け入れると損をするのだなと気づくには高すぎる授業料だったな。
また、いつからか「○月○日 どこどこで主催ライブをやります!」という目標を掲げライブハウスや路上ライブでがむしゃらに歌いチケットを買ってもらうというひとつの型ができた。
僕もやった。何回もやった。
たくさんの人と出会い、たくさんの人と笑った。
ほんとうに幸せだと思える時間を一緒につくってもらった。
やってよかった。
だけどそのライブの数十分、数時間以外の時間、企画を発表してから当日 幕が開いて来てくれている人をこの目で見るまでずっと不安やプレッシャーに押しつぶされそうになりながら歌っている自分がいた。
やがてライブハウスくる人自体も少なくなった。
普段ライブで30人40人呼んでいたバンドが今は15人呼べたらいい方だ。
他のミュージシャンとファン共有をして一緒に盛り上げたりするのも楽しくて好きだったけどそれじゃ何の解決にもなっていないことに気づいていた。
まず個が盛り上がってないと続いてはいかない。
路上ライブも普通にやっていたら昔に比べて興味を持ってもらいにくくなった。
ノルマを払うことも、ノルマがなくても人が呼べないことも、路上ライブで素通りされる日々も、この先ずっと人気がないままで終わるのかな、どうなっていくのかなと家で考えている時間も全てがしんどかった。
わかっている。それでも歌うことが好きで、作りたい曲がある。
わかっていた。それでも音楽が好きだと。
だけど活動をしている以上そこに関連してくることはすべて音楽に紐づけられる
「音楽」が「音が苦」になってしまう時間が多くなった。
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ずっと好きだった人に振られた。先に進まなきゃいけないのにどうしても忘れられない。気がつけばあの人のことを考えてる。引きずりまくり。
だったのに「あ、もう大丈夫だ。」と急に振り切れてしまった。
そんな経験はないだろうか。
ここ数日でまさにそれがきた。
あ、音が苦やめよう。
音楽を音が苦に変えてしまうことなんて全部やめちまえばいいじゃないか。
突然そう吹っ切れた。いや、突然じゃない。僕はずっとそれを望んでいた。
ずっと先にすすまなきゃと考えていたから訪れた気持ちなのだ。
いままでの大きな幸せはしんどさというバネの反動を使っていたから。
それは経験できてほんとうに良かったと思う。
でもそろそろ単純に幸せに音楽がやりたい。
僕は音楽が好き。ミュージシャン仲間と一緒に歌うのも好き。
路上ライブも好きだし、ライブハウスのいい環境で歌えるのは幸せ。
ずっとやっていきたいから音が苦はやめないといけない。
苦しみながら出す音では続けてはいけない。
ここからまた色々変えていくと思う。
今年いっぱいでライブを毎月やるって型もなくすと思う。
歌いたい気持ち全開でライブするために作曲の仕事ももっと本格的に頑張りたいと思う。
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30歳はおっさんかな?まだまだ若いとも言われるな。
体感としては思ったより子どもだな〜って感じ。
すり込まれてるんだろうけどどうしても意識しちゃうな、この年齢は。
世代は時代を変えていく。
若さに勝てない部分もある。戦うならね。
でもそれはやらない理由にはならない。
僕の中にはまだまだワクワクがいっぱいある。
みんなも苦しいことなんかのためにそれを捨てないでほしい。
その気持ちを伝染させていくためにも僕は音が苦なんかやってる場合じゃない。
幸せ感じながら暮らしてたいじゃない。
希望を持ってそれをやっていくことにした。
ちょっと大げさなことを言うならばこれからのインディーズに新しい活動の道を切り開きたい。
応援してほしい。
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