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ドサクサ日記 5/15-21 2023

15日。
翌日の早朝から江ノ島で撮影があったので、鎌倉のホテルに前乗り。「寄ってよー」とのことだったので、潔の家で夕食をご馳走になった。潔の自宅に行ったことがなかったり、潔主催の飲み会に誘われないという話は半分ネタで半分本気という状況だったが、いざ呼ばれてみると気恥ずかしいもので、気後れしている間に到着が予定よりも1時間遅くなってしまった。こういうときに自分のややこしさを思い知る。潔の出してくれた料理はどれもとても美味しく、料理研究家と名乗るだけのことはあると感心した。しかし、一点気になったのは「今日の材料費は事務所に請求する」と断言していたことで、確かにええ肉やええ魚、美味しいワインなど嬉しい限りではあるが、事務所が支払っていることになると純粋な歓待ではなく、なんらかの営業的な側面も含まれてくる。それはさておき、とても楽しい夜だった。

16日。
早朝から江ノ島界隈で撮影。時間を持て余したので、しらす丼などを食べる。観光地そのものの味で、特段感動がないと言うと怒られるかもしれないが、俺は駿河湾の民であるので(一時、相模湾の民でもあった)、しらすは食べ慣れている。自宅で好きなように食べていたときは考えもしなかったが、随分と贅沢なことだったのだとありがたみを感じた。俺はバター醤油で食べるしらすご飯が好きだ。

17日。
早起きをして、レコーディングのため山口県へ。徳山からの電車のなかでメモリースティックを拾った。重要な秘密が収められているような雰囲気のない、ファンシーなデザインなメモリースティックであることが救いだけれども、中身は確認のしようがない。思い出の写真のデータだったり、あるいは人には理解できない趣味の何かだったりするかもしれない。放っては置けないので、防府の駅員に届けた。

18日。
アウトドアで数泊する予定があるので、百貨店で寝袋やテントを物色した。誰に聞いても寝袋は暖かくて高級なものにするべきということだったので、それなりの寝袋を買おうと思っている。迷うのはマットで、全身がすっぽりハマるマットにするのか、枕の分だけマットからはみ出るタイプのものにするのか揺れる。デカいに越したことはないのだけれど、なるべく荷物の量を減らしたいという事情がある。

19日。
打ち合わせいろいろ。コロナ禍は辛いことだらけだったけれど、リモートで会議が気兼ねなくできるようになったことは大きな収穫だと思う。対面でなければいけない仕事もあるけれど、打ち合わせや会議はリモートで十分だと感じることが多い。取材についても、写真撮影がなければリモートで事足りるし、それでインタビューの質が下がるということはない。拘束時間が圧倒的に短くなるところも良し。

20日。
大阪の服部緑地で行われた「Lotus music & book cafe’」に参加。出演は2度目だけれど、毎回、観客たちの集中力が高くて居心地のいいイベントだと思う。「聴く」ことも「読む」ことも、実はとてもクリエイティブなことだと思う。音楽を作る俺たちは、聴いてもらう側だと思われがちだけれど、自分の演奏や仲間の演奏を聴く技術なくしては、合奏自体が成り立たないし、作品の良し悪しの判断もつかない。どういうふうに聴いているのか、ということが、音楽家の技術のひとつの要素なのだ。読むと言うことはどうか。正解や不正解という二択ではなくて、どう読んだのかということは個人的な体験であり、クリエイティブな作業だとも言える。読み手が読みつないだからこそ、世界の名作文学は俺たちの手元に届くのだ。書いたときの書き手の力は偉大だが、時間が経てば、それは読み手との共同作業であり、読み手なくして名作は名作足り得ないのだ。本番の演奏はとても楽しかった。ベジタブルという曲を久々に演奏できて楽しかった。アジカンをがっつりと頑張っているので、なかなかソロをやる時間がなくなってしまった。それでも細々と、いろいろな歌やインストや詩を作っていくつもり。独自のアンテナでそれらをキャッチしてくれている人たちに感謝している。想像の三倍くらい、信頼している。

21日。
数日前にフードファイトのような気持ちで食べたスパイスカレーが原因なのか、軽度の胃腸炎になってしまった。ご飯は抜いて、お粥を炊いて食べる。しばらく前の胃腸炎の時には、スポーツドリンクでも腹部に激痛が走った。今回はそれに比べたらかなり程度が軽いと思う。身体の不調はメンタルに作用する。胃腸の調子がいいときにはご飯も美味しく、なんでもできるような気になるから不思議だ。