御祭神<彦星>の正体とは?(仮説)
神社から見立てる名古屋の七夕伝説
前回は武内宿禰と神功皇后の話をしましたが今回はちょっと脇道に逸れまして名古屋の神社には七夕伝説が隠れていますよというお話です。
愛知県名古屋市に星神社という神社があります。
5ヶ月で200社巡ったんですが、神社で星が祀られてることってあんまりないなあと思ってたんです。珍しいなと思ってお参りをしたことがあります。
『延喜式神名帳』には山田郡坂庭神社と記載されているのがこの神社です。
ここの御祭神はこの4柱。
・大己貴命(おおなむちのみこと)
・天香香背男(あめのかがせお)
・牽牛星(けんぎゅうせい)
・織女星(しょくじょせい)
天香香背男は『古事記』には出てこず『日本書紀』に出てくる神様で、流れ星を表す悪神とされます。(流れ星は凶の兆し…?)
別名を天津甕星(あまつみかぼし)といいます。
この4柱のうち今回はもちろん牽牛星と織女星を見ていきます。
もちろん彦星と織姫ですよね。七夕です。
今回の主役です。
そして七夕といえば、名古屋城の北に多奈波太神社という古社があります。
名前からして怪しい。
(注:万葉仮名の神社は怪しい!良い!と思ってるフシがあります)
<御祭神>
・天之多奈波太姫命(あめのたなばたひめのみこと)
・應神天皇(おうじんてんのう)
・大山津見神(おおやまつみのかみ)
・素戔嗚尊(すさのおのみこと)
・天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)
・大己貴命(おほなむちのみこと)
天之多奈波太姫命が織姫ですね。
どこに隠れているんだ彦星…!
庄内川を挟んで星神社と多奈波太神社があります。
今では橋がありますが、昔は船で渡っていたことを考えるともう少しかかりそうです。そういう距離にこの2つの神社はあります。が。
肝心の彦星はどこに…???
ヒントがあまりないので星神社のHPにかかれている七夕伝説をひとまず読んでみます。
小田井村と田幡村の関係ということで、この田幡村が多奈波太神社のある地域とされています。(現在地は名古屋城築城の時に移転された場所らしいが)
ということは小田井村でそれっぽいのを探してみたら面白いんじゃないか?と探すも天之多奈波太姫命と対になりそうな彦星的存在がいないんですよね。というか天之多奈波太姫命で検索してもこの多奈波太神社しか出てこないんですよね。どういうこと…?
そもそも彦星的な名前の神様っていないよなあと思っていましたが、彦星というよりも星神社の牽牛星という記載が気になりました。
ここからはただの連想ゲームです。
牽牛というと牛飼いです。牛。牛っていうと菅原道真公が連想されますが、牛頭天王(ごずてんのう)という神様がいます。神仏習合思想の神様ですが、実はこの牛頭天王はスサノオと同一視されています。(弁財天が市杵島姫と同一視されたのと同じ話です)
ちょっと連想としては飛躍しすぎな感もありますが、試しにスサノオが祀られている神社を探してみようと思います。
意外とありましたね須佐之男神社。
須佐之男神社自体、結構多いイメージありますけど、小田井周辺に関してはこんな感じです。
須佐之男が御祭神となっている神社のひとつに庄内川沿いの大乃伎神社があります。
・伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
・伊弉冉尊(いざなみのみこと)
・天照大御神(あまてらすおおみかみ)
・須佐乃男尊(すさのおのみこと)
・月読尊(つくよみのみこと)
・蛭子尊(ひるこのみこと)
ここにチラッとスサノオが居ますが、一緒に祀られているメンバーを観るとちょっと意味合いが落ちるかな…?という気がしている(超主観です)。
ここの大乃伎神社は近々行ってきます。雰囲気を浴びてこないとわからないこともあるでしょう。
彦星はスサノオでは?と思ったところに多奈波太神社の御祭神をもう一度確認すると…?
スサノオおるやん!!😂となりました。
牽牛と牛頭天王がこじつけ感モリモリではありますが、庄内川を天の川に見立てて考えると名古屋にも七夕伝説というのがあったんだなというお話でした。なんとなく由緒を見て「そうなんだな」と思うよりも実際に「ああでもないこうでもない」と考えて、結局大した発見はなくても、こうやって考え続けることで神社同士の結びつきがいずれ見えてくるんじゃないかなあと思いながら最近は神社を巡っています。ではまた。
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