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エース則本の変化を探る

こんにちは、ごしまです。

プロ野球も全日程の1割と少し、13試合を消化しました。
現在楽天イーグルスは9勝4敗貯金5で千葉ロッテマリーンズと並んで首位タイです。
まだまだ発展途上で粗いチームですが、少しずつ成長できるんではないでしょうか。

さて本日は昨日の試合で早くも3勝目を挙げ、首位の原動力となっているエース則本投手について分析していきます。

オフ期間には投球フォームの変更で注目を浴びた則本投手ですが、フォームだけでなくピッチングスタイルも変わってきています。
開幕3戦のデータから過去の傾向と照らし合わせながら探っていきたいと思います。


1. 投球フォームの変更


則本投手といえばワインドアップがトレードマーク(?)の投手でしたが、春からワインドアップを止めノーワインドアップ、セットポジションから投げるフォームをいくつか試していました。

私個人的には以前のワインドアップが好きですけどね

投球フォームの変更理由として、

体の動かし方的にまだ無駄がある。その無駄をはぶいて、いかに効率よく体を動かせるかがカギ。それを次回、修正してやれたら」と笑顔を見せた。
新フォームは臀部(でんぶ)がポイントだとし、ワインドアップをやめたことについては「しっかりとケツで力をためて、ケツで回転できるようにというのを目指してやっていて。今までは力任せな部分があったんで、体の構造的にこう動かせば必然と力がでるというのを、今やっているんで。そう動かすにはワインドアップをやめようとなった」と説明した。

と記事中で語っております。
ケツに力をためてケツで回転するのを目指しているらしい。
これまでの力感あふれる投球ではなく、効率良く体を動かし最適なバランスで出力を保てる形を模索している感じでしょうか。
これに伴い150中盤〜後半を連発することはなく、開幕からの3試合の最速は152km/hと例年の則本投手から若干物足りないと感じる球速となりましたが、丁寧にコースをつき要所を抑えるピッチングを披露しました。


2. プレシーズンでの配球の変化


則本投手の例年の配球傾向としては、最速150後半のストレートを武器に、カットやスライダー、スプリットで三振を奪いまくるスタイルでしたが、今春より新たにナックルカーブを習得カーブの割合を大幅に増やしていました(2019:4.2% →13.0%に増加)

これまでのカーブは曲がりが小さく、曲がりの大きい変化球が欲しかったと語っており、このナックルカーブをプレシーズンより積極的に使っておりました。
実際シーズンに入ってからも7-8%のナックルカーブを投げており、相手にとって非常に打ちづらいボールとなっているのは間違いないです。


3. シーズン成績と球種ごとの傾向


まずは今季のシーズン成績ですが

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ここまで3試合を投げてほぼ毎試合7イニングの20 2/3イニング、自責点2で防御率0.87で3勝を挙げております。
因みに勝利数1位、防御率1位、奪三振数2位と素晴らしい位置につけています。
長いイニングを消化し確実に相手の打線を封じる、エースの働きとして文句の付けようがない3試合でした。

次に各球種ごとに見ていきます。

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ストレートを軸に、ストレートと近い球速帯で変化するカットボール(スラット)、スラットより少し球速を抑えてより曲がるスライダー、フォーク(スプリット)に加え、今季からナックルカーブを加え、バランス良く投げこんでいます。
プレシーズンでは球速的にはこれまでより2-3キロ落ちており、シーズンに入っても昨年の平均球速149.1から146.3に落ちています。
則本投手の代名詞ともいえる空振りや奪三振を見ても例年のSwStr%(空振り率)が12-13%、K%が25%前後ということを考えると、今年の空振り率9.3%、K%が19.7%というのは控えめな数字です。
しかしストレート単体での威力は少し見劣りするような気もしますが、6/26での調子良い日は空振りも十分奪える威力を見せてくれましたし、近い球速帯のカットやスプリット、高回転のナックルカーブなどを組み合わせて上手く打ち取れており、各球種被打率を抑えることができています。


4. 投球マップから見る制球力


今季の3試合の投球を左右別でマッピングしました

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真ん中付近へのボールは少なく、コースを丁寧につくことができています。
実際の投球見てもそこを意識して投げている印象が伺えますし、昨日も指への打球が当たるアクシデントやフォークがコントロールできていない中、他の変化球で丁寧にコーナーをついてカウントを作ることができていました。
まだまだ試行錯誤もしている発展途上かと思いますが、新しいスタイルになった則本投手に注目していきたいと思います。


まとめ


プレシーズンと開幕3試合で見えた則本投手のこれまでとの変化についてデータを交えて見てみました。
昨年は不本意なシーズンに終わってしまいましたが、今季は過去最高の成績を残してチームの優勝、個人タイトル、沢村賞など、より高みを目指して頑張って頂きたいです。


それでは今日も応援頑張りましょう!


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