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タンゴ•葉山•遊散歩

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2021年10月の記事一覧

「タンゴ・葉山・遊散歩」(4)

「タンゴ・葉山・遊散歩」(4)

10月1日(金)に緊急事態宣言が解除されたが、午前中の葉山町は雨と強い風が吹き荒れていたので、朝の散歩は見合わせた。
タンゴの意志確認はしていない。
タンゴの意志確認はしていないが、午前中のタンゴのトイレ周辺の様子から、タンゴの気持ちは想像できる。
いつもより濡れる範囲の広いタンゴのトイレ、その周辺への撒き散らしは、明らかに抗議の意志表示だったに違いないが、まあ仕方がない。

数日前から「大型で非

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タンゴ・葉山・遊散歩(5)

タンゴ・葉山・遊散歩(5)

タンゴは極端に短い足で、巨大な黒いバナナのような長細い胴体を支えている。歩き方は独特だ。散歩の時の歩き方は大きく分けると、緊急足と探索足の2種類だ。

緊急足は前方に他の犬の姿を認めた時、俄に始まる。まさに緊急発進なのだ。一気にその同類に近づこうとする。そして、近づくと楽しく仲良しごっこをしてくれればいいのだが、そうはいかない。多くの場合、吠えまくり隙あらばやっちゃうぞの戦闘態勢になってしまうのだ

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「タンゴ・葉山・遊散歩」(6)

「タンゴ・葉山・遊散歩」(6)

海鳴りの音が大きく響いて、激しい雨と風の音が絶え間なく続く、おどろおどろしい夜が明けて、美しい朝日が昇っているのを見ると、それだけでとても幸せな気分になれる。「どんな夜であろうと、明けない夜はない」どころか、こんなに美しい夜明けが待っているのなら、嵐の夜も悪くはないとさえ思ってしまう。

逆に一日好天気に恵まれて、夕刻日の入りの頃に、遠く江ノ島の上空が朱色に染まっていくのを見るのも至極の幸せである

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「タンゴ・葉山・遊散歩」(7)

「タンゴ・葉山・遊散歩」(7)

夢を見た。
タンゴが巨大な竜巻雲に乗って天に登ってゆく。
その後ろ姿をおろおろと私が追いかけようとしていた。
ハッと気づいた、私は空を飛べない。
どうする、このまま手をこまねいてタンゴが去るままにただ見送るのか?
胸が苦しい、心臓が口から飛び出てきそうだ。
何をやってるの!?
黄色い煙が立ち上り、煙の中からドルティが表れた
タンゴの前に飼っていたミニチュア・シュナウザーだ。
でも君は死んだんじゃあ

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