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副業で稼ぐサラリーマンによる業績予想_PR TIMES[3922] 20年度1Q売上

ごろんちゃん@数字大好きの副業投資家です。

PR TIMES[3922]の分析記事は大変多くの方に目を通して頂き、ありがとうございました。この会社は個人投資家でも業績の予想がつけやすい会社だと考えていまして、20年度1Qの決算を7/14に控え、事前に業績予想を立ててみます。大外ししても、決して石を投げないでください💦


1. 業績予想の因子と関係性の検証

この企業のビジネスモデルを振り返ると、クライアント企業がサブスク料金やリリースごとの従量料金を払うことで、売上が構成されています。

料金プラン

このことから、利用企業社数がかなり影響しているのでは?という予想が立立ちます。

実際に利用企業社数と売上に相関があるかどうかは、公開されている四半期ごとの売上と利用企業社数で検証ができます。FISCOのデータと会社の決算資料から数字を集めてEXCELで作業してみましょう。この会社は毎年3Qの売上が年間で1番多いという季節性があるので、3Qのデータを除外して相関係数を出しています。

売上と利用企業社数の相関2

なんと相関係数は0.989 となりました!

職業柄いろんな変数間の相関を見てきましたが、これは衝撃的な数値です。ここまで相関が強いと、Xが決まれば、Yの数値をかなり正確に予測できます。


2. 計算で20年度1Qの売上を予測してみる

利用企業社数と売上の相関が非常に強いということが検証できましたので、20年の1Q(3-5月)の利用社数がわかればこの期間の売上の予測ができます。

会社のリリース資料により、新規利用社数は4月が1,132社、5月が1,170社ということがわかっています。3月は発表されていませんが、4月の数が前月比122.9%と出ていたので、計算で920社ということがわかります。

4月と5月


これにより20年3-5月の新規利用社数が3,222社とわかりました。その結果、1Q終了時の利用社数は39,939社となります。

1Qの利用企業社数


20年1Qの売上予測には、線形近似で出てきた数式を用います。

四半期売上と利用社数2


x=39939(社) を入れてy[1Qの売上]を計算してみると・・・

結果は830百万円、前年同期比123% とでました。

会社予想は以下の決算説明資料から、743百万円、前年同期比110% ですので、この予想を大幅に上回る、という予想です💦

会社の20年業績予想


3. 1Qの売上予測の精査

売上予測の精度を高めるために、気にしないといけない3つ要素を考慮してみました。

3-① 長期契約ご利用企業様における緊急休業期間相当の契約期間延長(2019年度通期決算 説明資料)による売上減

3-② 季節要因で1Qは計算よりも上振れしやすい傾向

3-③ 3月のプレスリリース件数はコロナの影響で低調だった


3-① 長期契約ご利用企業様における緊急休業期間相当の契約期間延長(2019年度通期決算 説明資料)による売上減

当延長措置により当社売上高は単月で最大13百万円の減額を見込むが、緊急事態宣言発令期間の延長によりさらに膨らむ可能性がある

当初の予想値の830百万円から13百万円マイナスすると、ワーストで817百万円まではあるなと思いますが、それでも前年同期比121%なので会社予想743百万円を遥かに上回ります。※緊急事態宣言は2020年度の業績予想の前提条件として緊急事態宣言発令期間を5月6日までとしているようですが、実際には宣言の解除は5月25日まで伸びました。


3-② 季節要因で1Qは計算よりも上振れしやすい傾向

これはポジティブ要因です。今回使った式と実際の業績の乖離がどれだけあったのかを検証してみると、1Qの決算は試算結果よりも上振れしている傾向があることがわかりました。この4年の平均は+3.2%です。

乖離率の平均

季節性がある3Qの売上をデータポイントから除いて計算しているわけですが、1Qの売上にも季節性があるようです(利用社数に対して少し売上が高めに出る傾向)。恐らく、新年度の始まりやGW前の需要喚起でプレスリリースが多くあるためによるものと考えます。

この計算式からの乖離率(1Qの場合は上振れ)を考慮すると、売上予測の修正値は以下のようになります。

当初予想:830×103.2%=856百万円(前年同期比127%)
ワースト:817×103.2%=843百万円(前年同期比125%)


3-③ 3月のプレスリリース件数はコロナの影響で低調だった

既に4/14発表の決算資料ではプレスリリース数にいつもと違う傾向が見て取れました。売上には利用企業社数よりもプレスリリース件数のほうが相関が高そうですが、この資料ではリリースの件数が開示されていて、その件数が3月の時点で低調でした。前年同月比で109.6%と増加はしているのですが、その前の数ヶ月が120%-130%で推移していたのと比べると低調という内容です。

プレスリリース件数


上の3-②では1Qの売上予想を前年同期比127%と計算しましたが、そこでは四半期ごとの数値をもとに計算しており、即ち、3-5月の利用企業社数やプレスリリース件数が一律127%で増加したときに成り立つような計算ロジックを用いています。

ですが実際には3月が上記の通り低調であったようなので、正確な予測により近づけるためには、プレスリリース件数の少なかったことがわかっている3月の数字を少し差し引く必要があります。

そこで、本来利用企業社数からして3月の売上はプレスリリースの件数から前年同月比の110%とします。4月と5月は3-②の試算により前年同期比の127%で計算すると以下の通り。

修正当初予想:818百万円(前年同期比121%)
修正ワースト:805百万円(前年同期比119%)


4.最終予想

レンジで、805-818百万円(前年同期比119-121%)という結果になりました。会社予想は、743百万円、前年同期比110% です。

※営業利益の予想は、販管費のうち変動が大きい宣伝費が不明なので、しませんでした。


以上、PR TIMESの業績予想でした。業績予想記事をまた読んでみたいと思った方は、是非💗ボタンのクリックをお願いいたします。スキの数が次の記事へのモチベーションになります。

※PR TIMES社には、Jooto, Tayori などのサービスがありますが、これらのサービスはまだビジネスの規模が小さく全体に対するインパクトが小さいため、主力事業であるPR事業の数字から会社の売上予測をしています。

画像出典元:「PR TIMES 決算説明会資料」「PR TIMES サービスのご案内」「FISCO」
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本記事はあくまで情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄への投資を勧誘するものではありません。投資にかかる最終決定はご自身の判断にてお願いいたします。皆様自身の意思決定に基づいて行われた投資により生じた損失等について、当方は一切の責任を負いません。



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