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私が夫を食べた日
11月21日(土)15:08
—横浜市内のビジネスホテルで、私は半年ぶりに再会した夫をバリバリと食べた。
はじめは、彼の優しげな声を。
次いで懐かしい匂いを肺いっぱいに吸い込みながら、左肩をムシャムシャと。
生きたまま口に放り込んだから、ぬくぬくとした体温を感じる。
んー、うまい、うまい。
同日、16:37
事前に予約していた個室居酒屋で、チーズタッカルビをまんまると頬張った彼のほっぺたを、ちぎって食べた。うむ、ビールによく合う。
あんまりにも美味しいから、もう片方のほっぺたも摘まんで食べた。
19:32
居酒屋を後にし、彼の左手を親指の方から少しずつ齧りながら、中華街を巡回する。
20:00
食後のデザートを探しに立ち寄った山下公園のベンチで、水上花火を見上げてぴかぴかと輝く彼の瞳をパクリと食べた。
噛むほどに口の中でパチパチと弾けて、どこか心地よい。
途中、身体が冷えると良くないからとホットコーヒーを買ってきてくれた彼の右の手を、レンジでチンしてほくほくと食べた。
25:25
ベッドの上で思い出話をツマミに、二人で映画鑑賞をする。
いつの間にか寝落ちした彼のおでこと唇を、こっそりと盗み食いした。
さすがにいっぱい食べすぎて、もうお腹がぱんぱんになったから、今日は私も眠ることにする。おやすみなさい。
☆彡
こんにちは、ごろんです。
腹が減っては戦はできぬ!お腹がすいていると、なんだか気分が上がらないし、いつもは気にしない些細なことに腹が立ったり、落ち込んだり、気を抜くと社会全体に蔓延している鬱屈とした黒い潮流に、頭から飲み込まれてしまいそうになります。
私も例に漏れず、我慢我慢の日々にどことなく疲弊していたのですが、夫に会って少し元気を取り戻しました。別居を始めてから何度か電話はしていたのですが、やっぱり自分の腕の中に大事なものを抱く幸福な感触は、会わずしては感じられないもの。夫婦や彼氏彼女に限らず、友人や親、ゲームや漫画、スポーツ…自分の好きなもの(エネルギー源)を、とりあえず満腹食べて身体をあたためてみたら、沸々と抱え込んできた悩みや不安、どことなく感じていた息苦しさは、案外あっさりとどこかに飛んでいってしまうのかも。とはいえ、好きなことをやるにもままならない社会情勢ですから、エネルギー源になるものを増やす、耕すのもアリなのかなとも思っていて、私はいま、せっせと耕し中です。
皆様もどうぞ、ご自愛を。
息を吸って、吐きます。