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「私をとり戻すまでのふしぎな3日間」

感情は厄介だ
あればあるほど 足に絡みついて重くなる
だから私は 踏み潰す

たまたま書店で気になって、

手にしたのがこの本。

本は電子書籍で買うことが増えたけど、この本はじっくり紙の本で読みたくなった。
本屋で何度も手に取っては戻す、というのを繰り返して、先日やっと私の本棚に収まった。

主人公は、感情を感じないようにして生きてきた。
ところが、同棲していた彼氏の心変わりによって、心が揺れ始める。
そんな頃、主人公の前に現れた小さな女の子が現れて・・・

確かにこの本に書かれている通り、感情を押し殺していきた方が楽だ。
愛想笑いや、自分の「これがしたい」を曖昧にしたり。
でも、ふとした弾みで、踏み潰してきた感情が湧き上がってくる。
実際にストーリーの中に、そのようなシーンが出てくる。

個人的にはこの本を読んで、「インナーチャイルドケア」に似ているなと思った。
(少しわたなべぽんさんの「自分を好きになりたい」もオーバーラップした)

自分の幼少期、思春期の傷が、自分の心を守るために発動するということ、

そしてその傷を、自分に合った方法でしっかりと受け入れる必要があるということ

そのことは絶対必要だと思った。

終盤で彼氏と再開するシーンでは、いつもの服装で待ち合わせ場所に向かう。


でも、変化が訪れた主人公は、これまでとは違った心持ちで彼氏と対峙する。
その後の変化を主人公がどう受け入れるか、そこも見どころ。

変わろうとする主人公を取り巻く人々、特に

主人公を静かに見守るイダさん


母になって疎遠になっていた幼馴染のいくちゃん

この二人の存在が、主人公にとってとても救いになった気がする。
スズモリさんがどうなるのかは、気になるところだけど。


自分の感情を中心に置く。

仕事では実現することが難しいこともあるけど、自分のプライベートなところに関しては、その点は意識しておきたい。

「ひとりだけど ひとりじゃないよね」
「本当の自分と しっかり手を繋いで
 どうか 離すことが ありませんように」


noteに感想を書くにあたり、ご本人による

メイキングの記事もあったので、興味深く見た。


他人の視点を加えることで、また違った色合いが出るということも、わかるような気がする。

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