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関東の会社員/食べることが好き/読書と芸術鑑賞の記録

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最近の記事

刑務所アート展@シャトー小金井

シャトー小金井2階の小金井アートスポットで「刑務所アート展」を観た。 切手が何枚も貼られた封筒や字がぎっしりのコメント欄など、作品以外のモノも見応えがあり、当初の想定以上に長居してしまった。 自由に画材を使えず、エッセイや詩歌で参加した人もいたそう。 どうやら刑務所は人や場所によって自由度が違うらしく、本当に謎。きっと色々と入り組んだ背景があるんだろうけれども。 特に消灯後の眠れない苦しい時間も勉学に活かそうとする句と、宗教画の模写が印象に残った。 あと、「閉じた組織

    • 大竹伸朗展@東京国立近代美術館

      竹橋の東京国立近代美術館で大竹伸朗展を観た。 主催は日テレで、愛媛と富山に巡回予定。16年ぶりの大規模個展らしい。 まだ会期序盤、それも朝イチに行ったからか、かなり空いていて悠々自適の鑑賞。 会期末はなかなかの混雑だったという話を聞いたので、やはりアート/ミュージアムファンにはスケジュール管理能力が必要である。 作品詳細や音声はアプリでチェックする仕様だったが、インストール面倒だしイヤホン持ってないしで使わなかった。 最近増えたこの仕様、会場でスマホ見るのが観賞に組み込ま

      • 広瀬友紀『ちいさい言語学者の冒険』『ことばと算数 その間違いにはワケがある』

        広瀬友紀『ちいさい言語学者の冒険』『ことばと算数 その間違いにはワケがある』を読んだ。どちらも岩波科学ライブラリーというブックレットのような形式で、隙間時間でささっと読むのに最適だった。 『ちいさい言語学者の冒険』は2017年の刊行。 2022年刊行の『ことばと算数 その間違いにはワケがある』は続編的な立ち位置となる。 『ちいさい言語学者の冒険』では、実は理にかなっている子どもの言い間違いがたくさん紹介されている。 この、例外にもルールを適用してしまうことを過剰一般化と呼

        • 積読2022

          読んだ本のメモにnoteを始めたけど、読み終わってない積読本が多くて書くネタがない。じゃあそれを書けばいいじゃん、ということで、去年の積読本を羅列します。 いつか読み終わるかもしれないし、そもそも読み終わらなくてもいいと思っているので、断じて挫折の記録ではない。 和泉悠『悪い言語哲学入門』 言語哲学は言語学とは違うのか?とか思ってたら返却期限になった。 『フィールド言語学者、巣ごもる。』 思ったよりチャプターが短くて、もうちょっと詳しく知りたいなというところで終わる

        刑務所アート展@シャトー小金井

        • 大竹伸朗展@東京国立近代美術館

        • 広瀬友紀『ちいさい言語学者の冒険』『ことばと算数 その間違いにはワケがある』

        • 積読2022

          広瀬友紀『子どもに学ぶ言葉の認知科学』

          広瀬友紀『子どもに学ぶ言葉の認知科学』を読んだ。 主に幼児の言語獲得における"間違い"を取り上げた『ちいさい言語学者の冒険』(2017)の続編にあたり、今回は小学生の宿題やテストの間違いが題材になっている。 webちくまの連載「宿題の認知科学」のうち、国語は『子どもに学ぶ言葉の認知科学』、算数は『ことばと算数 その間違いにはワケがある』(2022)と2冊に振り分けられたそうだ。 特に鏡文字についての第2章が面白かった。 鏡文字は左利き特有の現象ってわけでもなかったんだ?

          広瀬友紀『子どもに学ぶ言葉の認知科学』

          ウクライナ国立歌劇場「カルメン」@東京文化会館

          上野の東京文化会館でウクライナ国立歌劇場(旧キエフ・オペラ)のカルメンを観た。 公演自体は何年も前から予定されていたが、ロシアによるウクライナ侵攻で開催が危ぶまれた時期もあったらしい。黒海が封鎖されているため舞台装置を輸送できず、日本で調達すると光藍社のサイトに書いてあった。 クラシックのコンサートで毎回寝てしまうので不安だったが、カルメンは超有名曲のオンパレードだし、フラメンコ、闘牛と演出も華やかだからさすがに寝落ちはしなかった。予習した甲斐があった。 指揮者が来日でき

          ウクライナ国立歌劇場「カルメン」@東京文化会館

          初春を祝う@静嘉堂文庫美術館

          静嘉堂文庫美術館で「初春を祝う 七福うさぎがやってくる!」展を観た。 世田谷から丸の内の明治生命館に移転して初めて行った。 最近は曜変天目のぬいぐるみで話題だけど、今回は新年のめでたい雰囲気を味わいに。 ちなみに写真だとなかなか本物っぽいぬいぐるみ、実際には「布」って感じだった。テクスチャは写真じゃわからないね。 今回の目玉は五世大木平藏《木彫彩色御所人形》。世田谷時代から好きでポストカードも持っているけど、丸々とした幼子は何度観てもかわいい。新年にぴったりだったので行っ

          初春を祝う@静嘉堂文庫美術館

          松本敏治『自閉症は津軽弁を話さない』

          松本敏治『自閉症は津軽弁を話さない』を読んだ。2017年に福村出版から単行本が刊行され、角川ソフィア文庫で文庫化されている。 今回読んだのは文庫版。カバーデザインがかわいい。 臨床発達心理士の妻が何気なく「自閉症の子どもって津軽弁しゃべんねっきゃ(話さないよねぇ)」と言ったのに対し、障害児心理を専門とする筆者はASD独特の音声的特徴が「津軽弁を話さない」ように感じさせるのではと反論し、夫婦喧嘩になってしまった。そこからこの研究が始まる。 本全体が「自閉症児者は津軽弁(方言

          松本敏治『自閉症は津軽弁を話さない』

          時本真吾『あいまいな会話はなぜ成立するのか』

          時本真吾『あいまいな会話はなぜ成立するのか』を読んだ。 まず帯でふふっとなる。 確かに、なぜこれでちゃんと通じるのか不思議。 聞き手にはそうとう高度なスキルが求められているのだ。そして会話では、話し手と聞き手は頻繁に入れ替わる。 誰が誰にどの話をしているか、よく混乱せずに毎日話せているな。 あいまいな会話がなぜ成立するのか、 色々な研究者がそのルール(理論、ロジック)をつきとめようと考えているそうだ。なかでもポール・グライスの「協調の原理」が面白かった。 えっ難しい…

          時本真吾『あいまいな会話はなぜ成立するのか』