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広瀬友紀『ちいさい言語学者の冒険』『ことばと算数 その間違いにはワケがある』

広瀬友紀『ちいさい言語学者の冒険』『ことばと算数 その間違いにはワケがある』を読んだ。どちらも岩波科学ライブラリーというブックレットのような形式で、隙間時間でささっと読むのに最適だった。

『ちいさい言語学者の冒険』は2017年の刊行。
2022年刊行の『ことばと算数 その間違いにはワケがある』は続編的な立ち位置となる。

『ちいさい言語学者の冒険』では、実は理にかなっている子どもの言い間違いがたくさん紹介されている。
この、例外にもルールを適用してしまうことを過剰一般化と呼ぶらしい。

ワンワン=動物全般、と言葉の指す範囲を広げすぎてしまう事象、過剰拡張もよくみられるが、反対にワンワン=うちの飼い犬、と狭めすぎてしまう過剰縮小はあまり報告されていない。
過剰拡張は大人が明らかに"間違い"だと気づくけれど、過剰縮小は気づきにくいから事例があがってこないのでは?という解説が面白かった。
結局"間違い"も21世紀の大人の規則とずれているだけなんだとわかる。

『ことばと算数 その間違いにはワケがある』は、実際の算数のテストでバツをつけられている画像がたくさん載っていてほのぼの。

カッコの中から計算するってややこしくない?順番関係なく計算できる書き方はないの?って指摘が目から鱗だった。
いまのルールをするっと受け入れられる子は学校の勉強も難なくできるけれど、「なんで?」ってひっかかっちゃう子は授業のペースについていけなくなるだろうなぁ。

数学ができなさすぎて塾に行ったとき「なにも考えずに解けるようになるまで反復する」って言われたのを思い出した。
実際、問題集を4周するようにしたら、成績は爆上がりしました。


いずもり・ようさんのイラストがかわいい。生き物の図鑑など、科学系のイラストを描いている方のよう。


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