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時本真吾『あいまいな会話はなぜ成立するのか』

時本真吾『あいまいな会話はなぜ成立するのか』を読んだ。

まず帯でふふっとなる。

「コーヒー飲む?」「明日、朝が早いんだ」

時本真吾『あいまいな会話はなぜ成立するのか』

確かに、なぜこれでちゃんと通じるのか不思議。
聞き手にはそうとう高度なスキルが求められているのだ。そして会話では、話し手と聞き手は頻繁に入れ替わる。
誰が誰にどの話をしているか、よく混乱せずに毎日話せているな。

あいまいな会話がなぜ成立するのか、
色々な研究者がそのルール(理論、ロジック)をつきとめようと考えているそうだ。なかでもポール・グライスの「協調の原理」が面白かった。

会話には、文法や単語の意味以外にも「協調の原理」があるとポール・グライスは主張した。
会話の中で発話をするときには、それがどの段階で行われるものであるかを踏まえ、また自分の携わっている言葉のやり取りにおいて受け入れられている目的あるいは方向性を踏まえた上で、当を得た発話を行うようにすべきである。

時本真吾『あいまいな会話はなぜ成立するのか』

えっ難しい…。

この「協調の原理」の本体はもっと細かい具体的な内容で、Wikipediaの項もある有名な理論らしい。

仮に間接的な表現だったとしても、省略しているだけできっとこの原則に従っているはずだ、と信じて相手の意図を推測することが、会話では求められる。

まさにこの「あいまいな会話」がASDには難しいのだろう。私も苦手。
逆に、あいまいすぎて説明不足で相手に伝わらない場合も日常的にあると思う。「相手はここまで推測できるだろう」の範囲が広すぎて、推測してもらえないとムッとする人もいる。それはそれでコミュニケーションに支障があると思うけど、いわゆる口下手ってことで診断名とかは特にないのかな。

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