【小説】40才のロックンロール #1
" どうして僕いつも一人なんだろう "
夜道のイヤホンから、銀杏BOYZの峯田の声。何か、僕にとっては好ましくないものが込み上げるのだが、それを必死に押さえ込む。蓋を開けようとしてくる何かに、無意識に抗う。
蒸し蒸しする夏の夜。梅雨も明けそうだ。
" 気付いたら、あの娘を思ってた "
湿度の高い空気に、さらに峯田の声が絡みつく。すっかりぬるくなった缶ビールの最後の一口を、喉奥に放り込む。
ふと、今日何も食べてないことに気がつき、目に入ったなじみのラーメン屋に行くこと