【小説】40才のロックンロール #7
" あの娘のことが好きなのは、赤いタンバリンを上手に撃つから。流れ星一個盗んで、目の前に差し出した時の顔が見たい "
ブランキー・ジェット・シティの「赤いタンバリン」を聴いた回数選手権があったなら、上位に食い込む自信がある。ジャキジャキしたベンジーのギターがたまらない。
8月になった。蝉の声が日常の音になるのが、この時期であろう。この真っ只中にいるときは「うるさい」とか言い、9月には「なんだかさみしい」と思ったりする我々人間のことを、勝手なやつだなと蝉は思っているだろうか