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【小説】40才のロックンロール

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人生はいつも、ままならない。だからこそ、命を燃やせ。
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記事一覧

【小説】40才のロックンロール #7

" あの娘のことが好きなのは、赤いタンバリンを上手に撃つから。流れ星一個盗んで、目の前に差…

小野寺郷
10か月前
16

【小説】40才のロックンロール #6

" こんな儚い世界の中に、信じた歌がある。こんな儚い世界の中に、信じた人がいる。 " 朝の9…

小野寺郷
11か月前
21

【小説】40才のロックンロール #5

" 最終電車でこの街に着いた。背中丸めて、帰り道。何も変わっちゃいないことに気がついて、坂…

小野寺郷
11か月前
18

【小説】40才のロックンロール #4

" 人間だから、欲もあります。人間だから、恥もあります。花じゃないんです、人間は。いろいろ…

小野寺郷
1年前
16

【小説】40才のロックンロール #3

" 平気だよって言ってくれよ。大丈夫だって言ってくれよ " 今日もどうでもいい一日が終わろう…

小野寺郷
1年前
19

【小説】40才のロックンロール #2

"今日は最高!今日は最高の気分だー!" 朝起きる。軽く掃除する。軽く筋トレする。朝食は長年…

小野寺郷
1年前
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【小説】40才のロックンロール #1

" どうして僕いつも一人なんだろう " 夜道のイヤホンから、銀杏BOYZの峯田の声。何か、僕にとっては好ましくないものが込み上げるのだが、それを必死に押さえ込む。蓋を開けようとしてくる何かに、無意識に抗う。 蒸し蒸しする夏の夜。梅雨も明けそうだ。 " 気付いたら、あの娘を思ってた " 湿度の高い空気に、さらに峯田の声が絡みつく。すっかりぬるくなった缶ビールの最後の一口を、喉奥に放り込む。 ふと、今日何も食べてないことに気がつき、目に入ったなじみのラーメン屋に行くこと