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Google for Japan 2024 で実現した、ありそうでなかった AI イベントのかたち

*本 note は、「Google for Japan 2024」の内容(パネルディスカッション及びプレゼンテーションを含む)を編集して掲載しています。また、Gemini を含む生成 AI の利用に関する説明は例示を目的としています。実際の回答結果については、ご自身で正確性をご確認いただくようお願いいたします。

こんにちは。Google の AI「Gemini(ジェミニ)」の公式 note 編集部です。

今回は、私たち Google が 2024 年 6 月 19 日に完全招待制で開催した「Google for Japan」の スペシャルセッションのひとつ、「AI で広がる、これからの働き方・学び・創作」の模様をレポートします。会場には、AI にまつわるイベントとしては珍しく、導入企業の方々、クリエイター、幅広い層のユーザー、多彩なゲストたちが集合。さまざまな立場から、Gemini の進化や今後の展望について語り合いました。


2 年ぶりの「Google for Japan」

「Google for Japan」は日本のみなさんに向けた新たなプロダクトやパートナーシップを発表するイベント。2022 年以来 2 年ぶり 2 回目の開催です。さらに、オンライン開催だった第 1 回と異なり、今回の会場は渋谷の Google オフィスで、多くの方に参加いただきました。

そんな 2024 年の「Google for Japan」のテーマは「AI の力で解き放とう、日本の可能性」。

全国 47 都道府県における地域課題の解決をサポートする生成 AI モデルの実装や、降水予測のためのニューラル気象モデルという新しい AI モデルをベースとしたナウキャスト機能などの発表がありましたが、note では、生成 AI や Gemini の活用にフォーカスした Gemini スペシャルセッションを紹介します!

セッションは Google の森原まやとスーウェイ ワンが MC を担当。おそろいの T シャツを着て登場した 2 人に対しては、ラテン語で双子の意味をもつ「Gemini」の名前にかけて「双子感がある」と、早速、会場が盛り上がりました。

Gemini プロトタイプ、日本語版デモ動画を公開!

セッションの冒頭では、Google が目指す AI エージェントの未来というビジョンの説明として、1 本のデモ動画を公開しました。これは Google Deepmind が開発中のモデルを使って、Gemini のマルチモダリティの一例をわかりやすく示したものです。

Google 東京オフィスにて、Google DeepMind の研究者がスマートフォンを手にデモをしているところから動画はスタート。研究者が Gemini に「ここはどこでしょう?」と語りかけると、「Google のオフィスだと思います」と返答します。

さらに、テーブルの上に置いてある青い紫陽花と三色団子を映しながら、「その 2 つで俳句を作ってくれますか?」と言うと、Gemini は「青い花 静かに咲いて 団子待つ」と一句詠みました。五七五できれいに詠まれた俳句に、会場からもどよめきが起こりました。

大きなデータを処理する Gemini は根性がある

続いて、ゲストを迎えて、パネルディスカッションを実施。ゲストは、株式会社THE GUILD 代表取締役 深津貴之さん、アル株式会社 代表取締役 古川健介(けんすう)さん、株式会社ウツワ 代表取締役 ハヤカワ五味さん、Google DeepMind で 生成 AI の研究開発に携わっているシェイン グウの 4 名。深津さん、古川さん、ハヤカワさんは、Gemini の改善や活用のための知見をいただく Gemini アドバイザーでもあります。

ユーザー投票で生成 AI を比較できるウェブサイト lmsys.org による評価で、2024 年 6 月 17 日時点の Gemini 1.5 Pro が日本語性能で 1 位になったという話題(同率 1 位を含む)が紹介されると

「このサイトは公平なブラインドテスト*で、そこで日本語性能 1 位というのはすごくうれしいです。Gemini 1.5 では日本語に対する理解や流暢さが格段に向上していますし、ロング インプット & アウトプットに対しても、最適なファイン チューニングを行っているので、Gemini のロング コンテキストの処理能力はとても高いです」

と、Gemini モデルの日本語対応にも深く関わっているシェイン。

これには、ハヤカワさんも「YouTube やブログの企画案を Gemini に出してもらうために、X でポストしたデータを大量に入れて Gemini に分析してもらっています。そのデータを基に企画案を提案してくれるので、そのまま採用できるほどのクオリティなんです。以前の Gemini は、膨大なアナリティクスデータなどは途中で読むのをやめたりしていましたが、今は最後まで読んでくれて、根性があるな、と思います!」とうなずきます。

それに対してシェインが「『Gemini(ジェミナイ)、怠けない』は僕らのスローガンです!」と返し、笑い合うひと幕も。

さらに「このロング コンテキスト ウィンドウは、マルチモーダルでも活きてきます。例えば、自分で撮ってみたものの、文字がぎゅうぎゅう詰めに写っている写真を読み込ませて、延々と OCR 処理でテキスト化させるといったこともできます。もしくは、そうやって文字起こしして使うのではなく、映像の状態で解釈してもらう、まさに『現実世界』をそのまま Gemini にインプットする、というようなことですね」とイチオシの活用法を披露しました。

*  lmsys.org は、カリフォルニア大学バークレー校の教授と学生が設立した研究組織です。生成 AI を評価するアプリに関する論文も公開していて、同サイトから紹介されています。https://lmsys.org/projects/

今の生成 AI シーンは、100 年に一度のお祭り騒ぎ

Gemini アドバイザーのみなさんも日ごろの調べ物から SNS のネタ出し、YouTube の台本書きまで、さまざまな業務を Gemini でこなしているとのこと。

けんすうさんは自分のインプットのためだけでなく、社員に情報をインプットしてもらうためにも Gemini を活用しているそうです。

「部下に自分が執筆した書籍を渡しても読んでくれませんが、Gemini で要約して、そこから作成した 10 分の動画だとちゃんと見てくれるんです! その後、Google フォームで理解度クイズを出し、インプットレベルをチェックするのもめっちゃ効果的です」

また、「深津式プロンプト」を世に出した深津さんですが、「言語化や構造化して重要な情報を盛り込む、という大原則は引き続き大切」と前置きしつつ、今の Gemini は性能が向上してもっと気楽に使えるようになってきている、とのことでした。ご自身も「僕は命令を出すのが下手なので、よしなに解釈して、聞くべきところはそちらから聞いてくれないかな」と Gemini にお願いしているそうです。

「たぶんこの数年は、活版印刷の発明や産業革命に匹敵するような 100 年に一度のお祭り騒ぎになります。IT の仕事をしていて、30 年後にあのとき AI を触っておけばよかった、祭りに乗っておけばよかったな、と後悔するのがすごく嫌です。せっかくのお祭りだから、今、みんなでひたすら遊ぶと楽しいと思う」とおすすめしてくれました。

Gemini と仲良くなるつもりでコミュニケーションするのがいい

パネルディスカッションの最後に、それでも「プロンプトを頑張ろうと思って動けない人」に向けて、けんすうさんから「うまく使いこなそうとするよりも、人間とコミュニケーションするような感じで考えたほうがいいと思います。部下ができたら、まずは仲良くなるために、いろいろコミュニケーションすることから始めるのと同じです。無理にマネジメントするのではなく、Gemini にマネジメントされようとするほうが気楽に使えると思います」とアドバイス。

そして Gemini への期待として

「Gemini に期待することは、みなさんと同じで、Google の各サービスとめちゃくちゃ連携してほしいということです。10 数年放置している Google ドライブを Gemini と会話しながら片付けてもらいたいです。Google マップや Google カレンダーみたいに使い慣れたサービスで Gemini を動かせるようになれば、さらに快適に生活できるようになると思います」

と、ハヤカワさんから会場を代弁してのひとことがあり、パネルディスカッションは終了となりました。

こうした AI への向き合い方、活用法には、来場者のみなさんからも SNS で本当にたくさんの感想いただきました! 

なお、深津さん、けんすうさん、ハヤカワさんの 3 人には、Gemini の公式 note 編集部が個別にインタビューを行った記事も公開しています! こちらもぜひチェックしてくださいね。

AI で広がる、これからの働き方・学び・創作

続いて、3 名のプレゼンターによる AI の活用事例の紹介です。

1 人目のプレゼンターは、学校法人角川ドワンゴ学園 N 高等学校・S 高等学校普通科推進室室長 佐藤将大さん。同校では AI の活用が 2018 年から始められていて、現在は教職員も生成 AI を使い、働き方の効率化を進めているそうです。

※「2024 年 4 月、Google の生成 AI 講座 Gemini アカデミーを活用したワークショップを実施。生成 AI を取り入れたことによる学びや示唆も多い」と語る佐藤さん。学校現場での実践的な生成 AI 活用には、来場者アンケートでも印象的なプログラムと挙げる方が多く、さまざまな反響をいただきました。

2 人目には、AI 活用コーチ × 英語学習コーチのプチレトロ株式会社 代表取締役 谷口恵子さんが登壇。「英語学習における生成 AI のインパクトはとても大きい。英語を学ぶ意義そのものが変化するかもしれません」と語りました。

※Gemini との英会話デモを解説する谷口さん。

SNS では、AI x 英語学習の Kumiko さんが、Gemini を活用した英単語学習法を紹介してくれました。便利で実践的な内容なので、みなさんもぜひプライベートで試してみてください。「Geminiを活用した英単語学習法」

3 人目は株式会社博報堂 横山昴さん。さまざまなクリエイターが交じり合い、共創する未来を作り出すことを目指すクリエイターです。

※「Gemini を活用することで市場調査からアイデアブレスト、コピーライティングまでを 15 分で行うことも可能になるんです! この感動体験を多くのクリエイターに伝えたい」とラップも交えたプレゼンを披露する横山さん。

 Gemini の体験だけでなく参加者交流の場にも

Google for Japan の会場では、Gemini 体験ブースやさまざまな Google プロダクトのデモも実施。こちらへも多くの方にご来場いただき、とても盛り上がりました。

Google 最上位モデル Gemini 1.5 Pro にアクセスできる Gemini Advanced の体験に加えて、ビジネスコーナーでは、企業版 Gemini の Gemini for Google Workspace、Vertex AI を活用したサービスのデモを、さらにデベロッパーコーナーでは Gemini API を活用したゲームのデモを体験でき、大盛況でした。

Gemini カップケーキ、お餅、クッキー、Google カラーのアイスクリームといったスイーツをお楽しみいただきながら、来場者同士の交流も活発に行われました。こちらもとても盛り上がり、新しいムーブメントにつながりそうな予感がしています。

そして、みなさんの日々の仕事や学習にも Gemini を活用していただけるとうれしいです! 

Google の生成 AI、 Gemini(gemini.google.com)は Google アカウントでログインすれば無料で利用できます。Google for Japan 2024 で紹介した Gemini への話しかけ方のコツ、英語学習法などを参考に、パソコンやスマートフォン、タブレットから Gemini を体験してみてください。

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