問題と原因と、課題と要望とを切り分けられないとヤバみが深い
このnoteについて
社内で会話をしていて、どうにも違和感があったので言語化しました。
このnoteが、あらためて考えるきっかけになれば幸いです。
どういうこと?
「原因は○○だと思っていて…」と社内で相談されることがあるのですが、
それが「発生している物事」なら、それは原因とは言わず問題といいます。
言葉の外形がもうすでに自分自身を「原因」ではないと言っている。
「課題は○○したい。なのですが」社内で相談されることがあるのですが、
「○○したい」なら、それは課題とは言わず要望といいます。
言葉の外形がもうすでに自分自身を「課題」ではないと言っている。
「課題」という名の「要望」を、
「課題」と思ってしまっていては、破滅します。
問題と原因、課題と要望は、すべて違うものです。
お客様が「課題」と言っていることが「課題」でないなら、
「課題」を見つけにいくことが必要です。
お客様が「原因」と言っていることが「原因」でないなら、
「原因」を見つけにいくことが必要です。
問題と原因、課題と要望とを切り分けられないとはどういうことか?
言葉を意識的につかっていない、ということかと思います。
どうすればいいの?
使う言葉に意識的でないと、言っている言葉の意味も、
その後の思考も、行動も変わってしまいます。
言葉をそのまま受け取って、思考せずに横流ししてはダメなのです。
私達のビジネスは、ことばの力をつかいます。
そして、幸か不幸か、僕ら日本人は表意文字を使います。
文字に複層的に意味をもたせ、全体として意図を伝えます。
であれば、その意味に意識的にならなきゃ、適切に伝えられないのです。
※英語だと、その点、明確に違うからわかりやすそうですけれども。
言葉の位置付けが違うこれらの言葉には、幸い、外形的な特徴があります。
そこからトレーニングしてみましょう。
図示もしてみたので確認してみてください。
問題とは?
発生しているネガティブな「コト」、状況です。
想定(理想)よりもネガティブにある、差分がある状況のことです。
英語ではThe problem .
例)
「今月は、利益が前月比5%減少しました。」
「現在、サーバーダウンしています。」
「コロナで太ってしまいました」
原因とは?
ある物事や状態をひき起こすもと。その特定された「箇所」です。
英語だとThe problem is caused by □□.のように、特定の箇所を指します
例)
「原因と考えられるのは、客単価の大幅な減少です。」
「サーバーダウンは、ロジックボードの故障が原因です。」
「在宅勤務になり、歩いたりすることがなくなったからです。」
課題とは?
課題は、現状と理想との間の解消すべき「差分」です。
「〜しなければならない。」「〜する必要がある。」という形になります。
英語ではThe task もしくは the requirement.
例)
「目標は前月比−5%でした。
差を埋めるために、客単価をあげる必要があります。」
「SLAを満たすためには、故障しないようにする必要があります。」
「体脂肪率を20%以内に収めるため、体重を5kg減らす必要があります。」
要望とは?
物事の実現を強くのぞむこと、「願望」です。
「〜したい。」という形になります。
※要求は、〜してほしいと求めることです。
英語ではThe request .
例)
「利益をあげるために、お客さんをもっと呼びたいです。」
「故障しないように、買い替えしたいです。」
「痩せたいです」
問題を原因と取り違えるとどうなってしまうでしょうか?
問題と原因には以下のような関係があります。
原因は、問題をブレイクダウンした先にあります。
これが上下逆転してしまうとどうなるでしょうか?
問題「今月は、利益が前月比5%減少しました。」
原因「原因と考えられるのは、客単価の大幅な減少です。」
入れ替えると
問題「今月の問題は、客単価の大幅な減少です。」
原因「原因と考えられるのは、利益が前月比5%減少したことです。」
問題「現在、サーバーダウンしています。」
原因「サーバーダウンは、ロジックボードの故障が原因です。」
入れ替えると
問題「現在、ロジックボードが故障しています。」
原因「原因は、サーバーダウンです。」
入れ替えるといずれも、大小の関係があわなくなってしまい、
原因を導き出すことができません。
The problem is caused by "the cause".ってことになってしまいますので、
英語で考えるとおかしいのが一目瞭然ですね。
このように分解できないものが「問題」になっている場合は、それが本当に「問題」といえるか、それによって起こっている状況はなにか?(=問題)に視点をうつすと良さそうです。
課題を要望と取り違えるとどうなってしまうでしょうか?
問題と課題の間には、So What?とWhy So?のロジカルな関係がありますが
要望と課題との間には、ロジカルな関係はありません。
課題と要望を逆転してしまうとどうなるでしょうか?
課題「目標は前月比+5%でした。
差を埋めるために、客単価をあげる必要があります。」
要望「利益をあげるために、お客さんをもっと呼びたいです。」
入れ替えると
課題「利益をあげるために、お客さんをもっと呼びたいです。」
要望「差を埋めるために、客単価をあげたいです。」
課題「故障しないようにする必要があります。」
要望「故障しないように買い替えしたいです。」
入れ替えると
課題「故障しないように買い替えしたいです。」
要望「故障しないようにしたいです。」
課題と要望を取り違えたとき、一瞬は成り立ちそうなのですが、
・課題に対する対応策の幅に、大きく差が出てしまう
・課題に対する対応策が、ロジカルでなく抜け漏れ・ダブリが発生する
という大きな問題が出てきてしまいます。
The task is "I want to 〜".ってならないですよね。
英語で考えるとおかしいのが一目瞭然ですね。
課題解決を生業とする我々にとって致命的です。
課題と要望は、取り違えてはなりませんね。
まとめ
・それぞれの意味と形を確認。
問題とは、発生しているネガティブな「コト」
原因とは、ある物事や状態をひき起こすもと。その特定された「場所」
課題とは、現状と理想との間の解消すべき「差分」
「〜しなければならない」「〜する必要がある」という形
要望とは、物事の実現を強くのぞむこと、「願望」
「〜したい」という形
・それぞれを取り違えると、ヤバみが深い。
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