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デジタルによって生み出された”ボーダーレス”の可能性

前回、外交活動を活発にし始めている動きを書きました…。

国内市場が良いとか悪いとかの話では全くなく、
“インターネットはボーダーレス”という鉄則を前提にプリンティングの価値(目的)を高めたい!!
その為にはニーズや“誰”“何故”をもっともっと追求する必要があって、国内のモノづくり目線よりもサービス志向の高い海外との繋がりを求めていく方が得るものが大きいと真面目に考えています。

人口減少、デジタルvsアナログの既成概念などなど、国内のプリンティングニーズの減少は止まらないと準備するのが合理的で、“量”を前提としたビジネスには限界がある。とは言えパーソナライゼーションなど新たな概念で価値創造をしたとしても“モノづくり”で留まってしまっては、いつかはコモディティー化してしまいますよね?(これ、この30年で何回経験してきたことか…苦)



HYPER JAPANに参加してきました


今回はこの考えの前提の元、
イギリスのHYPER JAPANというイベントに参加した際のディスカバリーが特に印象に残っているので忘備録的に書き残しつつ、僕がどんな妄想をしているかをシェアしますね…

HYPER JAPANとは
新・旧日本文化を啓蒙するイベント(日本の“コミケ”と食&観光イベントのミックスのようなもの)

HYPER JAPANイベントにはB to BゾーンとC to Cゾーンがあり、今回はここに出展する日本企業のサポートを行いました。

一般的に、JAPANコンテンツをインターネットでグローバル展開した時に、日本から在庫を送るのではビジネスとしてスケールできないし物流や為替などの付加要素もリスクになります。そこでgoofは、適地生産かつ完全無在庫のオンデマンド製造&ドロップシッピングで既成モデルのビジネスリスクを一気に乗り越える実証実験を行いました。

デジタルの能力を正しく理解し応用すれば、世界中何処ででも同じ品質の印刷物を提供する事は難しい話ではありません。goofはかなり昔からこの手のサービスを提供してきたノウハウがある為、この実証実験は想像通りの結果を得る事ができ、クライアントも納得の様子でした。


HYPER JAPANで一番萌えた事:個人クリエーターへの可能性


そんな中、今回のイベントで僕が一番萌えたのは、C to C(トレード)ゾーンに出展している個人クリエイター達…。

数百名のクリエイター達が自分のキャラクターやコンテンツを発表するだけではなく、多様なプロダクト(商品)を販売していました(…しかも300ブースぐらいの規模)。最初は軽い気持ちでエリアを視察していたのですが、歩けば歩くほど僕の好奇心がかき立てられてきて、3日間ほとんどの時間を彼等との会話に費やしました。

以前一回だけ、お台場の“コミケ”にも視察したことがあり、圧倒はされつつもB to Bに特化してきたgoofにとっては別モノ(市場)としか捉えていませんでした。

しかし、今回の訪問でその思い込みは一気に崩れ去りました。

JAPANコンテンツと言えばMANGAとHELLO KITTYを代表としたキャラクター。

JAPANにインスパイヤされたクリエイター達が各々の世界観でオリジナルを作成しており、ストーリーもディテールも中々のレベルでした。ここまで追及してクリエイターとして認められているということは、ただ“好き”が盛り上がった一時的なトレンドではない証拠でもあり、小さくともかなりリッチなマーケットが存在している事実に驚きを感じました。

特に気になったクリエイター達とは何回も話をする機会を持ちましたが、殆どが日本に来たことがなく、インターネットで出逢い、ハマり、参加し、自立していました。

活動の場は基本インターネットで、リアルイベントやオフ会では自身の存在をアピールし互いに刺激しあう。その結果、新しいコンテンツやストーリーに反映されていく。彼等の世界にはデジタルとリアルの境界線はそもそも存在していません。彼等が彼等の感性で自由自在に繋がりを深め、広がることによって豊かさが増すことを“支える“事が合理的だしフェアだと納得しました。



ボーダーレスへのワクワク


僕が一番オポチュニティーだと思ったこと…。

多くの可能性を感じながら、時を過ごせば過ごすほどHYPERになっていく自分がいる中で、どこのブースを訪問しても同じ課題に気付いてしまいます。最初は生真面目な日本人気質なのか?と思っていましたが、複数のクリエイターも同じことで悩んでいたのです。

それは“ホンモノ”ではないこと!

…オリジナルキャラクターだから、勿論コンテンツそのものは“ホンモノ”ではあるのだけど、”プロダクト”の質がコピー品か?と普通なら思ってしまうレベルなのが残念で堪らなかった。

本人達も、日本のプロダクト(モノづくり)の質を理解していて、特に”色”の表現がイギリス国内(EU圏内)の印刷工場やECでは対応できない現実を悲しがっていたのです。

課題としては勿論用紙などのパーツやインクなどの要素もあります。

しかし、

そもそもJAPANコンテンツの印刷には日本特有の色や眼がある為、恐らく、欧州の印刷職人がここを表現できない事が大きな課題だと感じました。また、職人の力量としてはできたとしても、価格の課題もありギャップが起きているのだと思います。

…実際にUKのパートナー工場もこの課題は認識していました。

しっかりとした仕様とデータさえあれば世界中で同等の品質の印刷物を提供できる時代なのに、何故日本と同じプリンティングがイギリスでは実現できないのか?逆に、イギリスで制作したデータを、もし日本の印刷工場に印刷を任せたら乗り越えられるのか?

…一般的には国や地域ごとの差異(ハードや職人の質)で、”仕方ない“と諦めてしまうことだけど、双方のナレッジを高める情報をオープンに提供し、補うことで間違いなく乗り越えられると僕は思います。


要は“出来ない”のではなく”足りていない“だけ!

ここをデジタルで補うツール(WEBサービス)を、JAPANコンテンツで盛り上がる世界中のクリエイター達に提供できれば、誇れる日本文化が正しく、世界で多様に成長する流れを作れると思うし、豊さに繋がっていくと妄想しています。


デジタル印刷メーカーはそれぞれの国に合わせたハードを作ることなど絶対にしないから、基本標準化されています(…世界に違いなんて存在しないのが事実です)。だからポイントはソフトウェア領域で如何ようにも応用できるし、地域の差異も簡単に対応できること。

インターネットであればその価値をボーダーレスで提供できるって、とって素敵ですよね?


今回はちょっと長くなりましたが、僕のワクワクは伝わりましたか?

次回は早速準備が進んでいるPoC(実験)の内容とかお話しちゃおうかな…?😍


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