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PdM不足に明るい未来はあるのか、きっとある。

こんにちは。
GoodpatchのUXデザイナーの石田です。
今回は私が前職PdMをやっていたこともあり、色々なPdMの方と話したことも踏まえてプロダクトマネジメントについて語らせていただければと思います。

そもそもPdMって何?

PdMとは「プロダクトマネージャー」の略称で、企業のプロダクトに関する開発・販売・提供に関する責任者だとされています。
プロダクトに関する総合責任を担っているので、その担当領域は幅広く、プロダクトの細かい仕様からプロダクトに関する事業やビジネス関連の接続も必要になってきます。

この全てをPdMは求められている

PdMの求められるコト、日々の悩み

求められるものは会社やプロダクト、体制、文化などで変わってきます。
幅が求められる範囲が広いですが、どこを責任領域のメインにしているかは様々になります。
ただ、PdMの共通点は前記にもあるように責任領域の広さだけではありません。
多くのPdMは事業領域とプロダクトの接続を担っていることもあり、将来性などプロダクト成長のロードマップや成功するビジョンを目指し突き進むことを大切とされますが、どうしても実現可能性の壁と毎日のように戦い続けている方も多いと思います。

理想と現実の板挟みになっている

それは売れるものを作るため、あるいはイメージしたプロダクト戦略を実行するためにはプロダクトを実現するための開発や販売を実行することが必要不可欠であり、理想と現実のギャップはどうしても存在するということです。
ただし、プロダクト開発だけでなく、いち早く市場を獲得し参入障壁を作るためにもデリバリーのスピードやクオリティを求められます。
しかし、昨今の開発人材事情により開発スピードにアクセルが踏めないことや、人を増やしすぎることで連携が上手くいかなかったりと、色々なプロダクト開発現場を見ていると全てがスムーズにいくことが少ないと感じています。

さらにプロダクトに関わる開発・ビジネス・ユーザーという広い領域で、そのギャップと少ないリソースの中で戦い続けることになります。
PdM経験者の方は、その板挟みに心当たりがあるのではないでしょうか。

良いプロダクトを作るだけで売れる時代は終わっている

「売れるプロダクトとは?」
これが全てのPdMの悩みでもあります。
PdMは常に「プロダクトがどうすれば売れるのか? ユーザーに受け入れられるのか?」をずっと悩み続けます。
それに対する意思決定を毎日しないといけません。
「素晴らしいプロダクトを作れば売れる」時代ではないのです。情報量が多い現代においては、クオリティの高いプロダクトと魅力を伝えるユーザーコミュニケーションや販促がセットでないと…つまり「プロダクト=品質+伝え方」でなければなりません。

バランスを取らないとユーザーに価値を実感してもらえない

SaaS一つとっても、新しいプロダクトやサービスが世の中にデリバリーされ続け、技術も進歩している中で、ユーザーは何が自分に適したソリューションなのかを判断することがとても難しくなっているからです。
ユーザーニーズに適したソリューションであることを前提に、ユーザーが自分に適していることを判断するためのブランディングやメッセージングも必ず必要になっています。

しかし、どんな計画も先ほども記載した通り、スムーズにいくことが少ない中で開発・ビジネス・ユーザーのバランスをとることが求められます。
例えば、プロダクトの機能に過不足があったり、クオリティが一定基準に達していない場合にマーケティングやセールスなどの販促により補填したりします。
反対に認知や販促のリソースが足りない部分を技術力で補うシーンも多く見てきました。
ただ、何が正しいか、何が間違っているか、正解のない自問自答して過ごしているPdMも多いと思います。
そういった「未来と現在のギャップ」についての悩みと、「売れるための意思決定」の連続が、PdMの日々には存在しています。

PdM人材市場でのイマ

それでは、そういうバランスも取れた広い領域の意思決定ができるような人材が市場に沢山いるかと言われると、とてもそういう状況ではありません。
開発職やUXUIだけではなく、営業やマーケティング職にも精通している人材は見つけることがなかなか困難です。
そういった人材をエージェントサイトで探すと希望の年収額の高い人が多く、スタートアップ企業では「年収を気にしない」というチャレンジ精神が強い方に絞られてしまいます。

変わっていく企業の体制、PdMの役割

人材が足りないからといって、企業・事業やプロダクトの成長を止めることはできません。
そのために各企業で色々な取り組み方があると思います。
PdMというポジションだけではなく、意思決定をしていくポジションの求人はなかなか集まりにくく、人事や採用担当者は頭を抱えていることが多いと思います。

その中で色々な企業が、1人のスーパーマンを探すのではなくチームワークで乗り越えていく流れにシフトしています。
例えばPdMだけではなく、PMM(Product Marketing Manager)を採用し、先ほど行った開発・ビジネス・ユーザーのビジネスをメインにユーザーの一部も一緒にPdMと連携する役割を作っている企業体制も増えてきています。
他にもPdMの役割を組織化して、責任や権限を分担したPdMチームを作っている企業もあります。チームの中で得意な領域を分けたり、補ったりするような仕組みを導入しています。
こういった組織の細分化は若手も育てやすく、属人化しないというメリットもありますが、意思決定のスピードや情報共有のコストがかかってしまうデメリットも存在します。
そのため、細分化し続ければ良いわけではなく、プロダクトの規模や企業規模、成長計画に合わせて設計することが求められます。

組織編成イメージ

それでも足りないPdM人材、ではどうする?

企業の動きは加速しているのに、それでもPdMの人材が不足していると言う話が後を絶たないのは、PdM以外を含めた人材不足に起因していると感じます。
先述の通り、特定の個人ではなくチームワークで乗り換えて行くにせよ、その担い手が人材市場には不足しているのです。
この問題の解決策の1つとして、最近広告でよく見る、エンジニアやデザイナーなど技術職の育成やサポートサービスのような流れは、PdMに対しても考えられるのかもしれません。
PdMが担う「バランスも取れた広い領域の意思決定」ができるようなチームを組成することが肝心です。PdMのノウハウ蓄積、育成のサービスやソリューションが、プロダクトの中長期の成長に必要不可欠となる未来がくるのかもしれません。
その未来はきっと明るいと、私は信じています。


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