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江國香織さん『いくつもの週末』【躁うつ読書記】

こんばんは。
なんだか暖かくなってきて、お風呂上がりのビールがおいしいです。朝です。
躁うつ読書記も3回目になります。

今回紹介するのは、江國香織さんの『いくつもの週末』です。
江國さん自らの「結婚生活」をテーマにしたエッセイ集となっています。

躁うつになってからというもの、物語よりもエッセイの方が読みやすいと感じるようになりました。なんででしょうか。
私は元々、ハイファンタジーが大好きなのですが、ファンタジーの入り組んだ設定なども、躁うつになってしまった今はあまり咀嚼できません。
悲しい限り。
元のように本が読めるようになったら、またファンタジーを心ゆくまで楽しみたいものです。

躁うつ読書記として、この本の読みやすいポイントも挙げておきます。
一つ目は先ほど述べた「エッセイであること」。
二つ目は「行間が広いこと」です。


1ページあたりの行数が13行で構成されているため、行間がとても広いです。そのため読みやすい。
行間の広さを「本の良いところ」に挙げるのは少し申し訳ない気もするのですが、実際、躁うつになってからというもの、行間の広い本に助けられています。

内容も興味深いです。
結婚というシステムの下で、他者と他者が共に暮らすということはどういうことなのか。
生活を共有すること、他者に恋愛感情や愛情を抱くということ、二人で暮らすということ。
私自身には結婚願望が全くないため、読み進めるたびに「なるほど、世の人々はこのようにして結婚し、結婚生活を送っているのか」となんだか不思議な気持ちになりました。

「仲なおりというのはつまり、世の中には解決などというものはないのだ、と知ることで、それを受け容れることなのだ。
それでもその人の人生からでていかない、そのひとを自分の人生からしめださない、コースアウトしないこと。」

一番好きな一文です。
人付き合いに対する諦観と希望が垣間見える部分だと思いました。
この感覚に関しては、どのような人間関係にもあてはめられると感じます。

江國さんのエッセイをもう一冊買ったので、そちらを読むのも楽しみにしています。
近いうちにまた躁うつ読書記を書けたらいいなあ。

ワインを飲みながら 朝


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