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【北欧最大】コペンハーゲンファッションウィークに行ってみた!

こんにちは。コペンハーゲンは少しずつ日が短くなり、秋がもうすぐそこです。朝夕は冷え込むようになってきました。

今回は、夏休み中に開催された、北欧最大級のファッションイベント「コペンハーゲンインターナショナルファッションフェア」(通称:CIFF=Copenhagen International Fashion Fair)に行って感じたことを記録しておきます。

実はこのファッションフェア、インターンシップ先で以前から調べており、関心がありました。このイベントは、サステナビリティに対する配慮を重視しているイベントであり、まさにデンマークらしいイベントだと感じました。インターンシップ先で行った、デンマークのサステナビリティファッションに関する事前調査でわかったことをざっと書き出すと、

・デンマークでは、国際的なファッションの祭典が複数開かれており、世界中から企業を集めてイベントを行っている。
・イベントではサステナビリティが重視されており、出展する企業はサステナビリティに配慮している必要がある。
・デンマーク発の多くのファッション企業は、サステナビリティに配慮している。
・デンマークは2014年という早い段階で国家戦略として「持続可能な開発」を掲げている。
・ファッションは、デンマークにおいて非常に大きい輸出産業である。

・2020年、コペンハーゲンファッションウィークは2020-2022サステナビリティアクションプランを発表した。これは、すべてのコペンハーゲンファッションウィークショースケジュールブランドが2023年までに準拠しなければならない最低限の基準である。
要件の一部は以下に記載。
・材料の50%以上は国際的な認証を受けたオーガニック、リサイクル、アップサイクルであること。・在庫を廃棄しない。利用者に再販、レンタルのサービスを提供し、修理サービスは無料で提供する。・使い捨てのプラスチック包装は使用せず、リサイクル可能、生分解性、または再利用可能な代替品を提供する。・ショーやプレゼンテーションで使用されたセットはリサイクル可能であること。排出された二酸化炭素量を相殺すること。・舞台裏で使用するコスメやヘア用品はオーガニックもしくはナチュラルの製品であること。

2015年4月、北欧環境大臣評議会(The Nordic Council of Ministers for the Environment)は、デンマーク大統領の下で「クリーンな環境に身を包んだ持続可能なファッションとテキスタイルの行動計画(英:Well dressed in a clean environment.)」を開始。
具体的なプロジェクトは、以下のとおりである。
1.教育を通じたサステナブルな北欧デザインの推進2. EUにおける有害化学物質に関する北欧の影響力強化3. 持続可能なテキスタイル製造のためのサプライヤー要件4. ヘルスケア分野での繊維製品のグリーン調達5. エコラベル製品の供給促進6. 繊維から繊維へのリサイクルの需要喚起

たくさん書いてしまいましたが、ここではデンマークはファッション業界・サステナビリティに関して北欧・世界にイニシアティブ取って大規模なアクションを起こそうとしているということを学びました。


会場の様子

会場はとても広く、一日で回りきるのは難しかったほどです。
会場内を散策するだけでなくミニツアーに参加したり、トークセッションを聴いたりして多くのブランドを知りました。

話を聞いたブランドの中で、印象に残っているもの5選を紹介します。

Kintobe

 キノコやプラスチック、わかめを原料として作った洋服を販売している。
 展示では、原料、糸にした状態のもの、布にした状態のものを置き、一目で製造過程が分かるようにしていた。

Borneloppen

 使わなくなった子供服を販売できるお店。売った人は、環境にどのように良い影響を与えたかを、レシートを通して知ることができる。これにより、お客さんに資源や環境について会話するきっかけを与えている。
 

KOTODAMA

 日本のスピーカーブランドで、歌詞が小さなスクリーンに表示されるスピーカーを販売している。
 サステナビリティは、運送も含まれるためどこに倉庫を置くかも含めた慎重な検討が必要だと語っていた。ファッションブランドが多く出展するCIFFだが、インテリアには生活を彩るという意味でファッションに近いものがあると語っていた。

TRIED AND TRUE Co.

 アメリカ、カリフォルニア発のビンテージブランド。通常のビンテージ品の販売に加えて、買い取った古着を再デザインして販売するというビジネスを行っている。

ReーZip

 再利用できる段ボール。段ボールだけでなく、リュックサックやかばんも扱う。段ボールは、正しく利用すれば10回は再利用することができる。
 ポストに投函して再利用することで、独自のポイントが貯まるシステムがある。

SPOORv/Scan‐Hide

 牛革の牛をトラックできる靴を販売している。タグを見ることで、どのような品種の牛皮から作られたか確認できる。
 牛を知ることで、その靴を大事にしようとより思うことができるという。

それぞれのブランドが、個性あふれる展示を行っていました。また、面白いアイデアのビジネスを知り、勉強になりました。

会場を散策中に、印象深い人々に出会いました。
特に印象に残っているのは、アメリカのビンテージブランドの創立者です。彼ら2人は高校からの同級生で、その頃から服が大好きだったそうです。そこで、大学を中退して新しくビジネスを始めました。そして、こうして国際イベントに出展するまでになったのです。
彼らと話しているときに強く感じたのは、彼らは本当にファッションが大好きだということ。彼ら自身も「人生は、自分がやりたいことをやる方がいい。」と断言していました。彼らは本当に楽しそうに語ってくれて、かっこよかったです。

もう一人、ミニツアー中にブランド説明をしてくれたスタッフが印象に残っています。彼女は素材にこだわった衣類ブランドのマーケターで、海がとても大好きなのだそうです。海のことを話すときは、満面の笑顔で語っていました。だからこそ、そのきれいな海を後世にまで残していきたい。そのためには、ファッション業界にサステナビリティを取り入れて浸透させていく必要があると熱く語る姿に心を打たれました。

今回のイベントに参加したことで、このような「好きなことに全力投球している世界中の人」に出会えて話を聞くという非常に貴重な機会に恵まれました。サステナビリティ以外のことも多く学べたように思います。

もう一点、興味深い発見は会場づくりについてです。
18時の閉場に合わせて17時から場外で無料のバーベキューとお酒が提供されていました。これによって、参加者同士がお酒を片手に会話をして盛りあがる機会が提供されるだけでなく、人が会場外に自然と流れるシステムを作り上げ、閉場しやすいようになっていました。
来場者を楽しませ、円滑に運営をするための素晴らしい案だと思いました。

これが無料で提供されました!最高!


CIFFのイベントに参加したことで、想像以上に大きな発見と気づき、学びがありました。

残り半年も足を動かして頭をフル回転させて、充実した留学生活を送りたいです。

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