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コロナ禍では本当に大変でした! ~ ベトナム編 その① ~

コロナウィルスの影響のなか、海をこえた海外の福祉系団体ではどんな取り組みをされていたのでしょうか?

今日ご紹介するのはベトナムのTohe(トーへ)。これからの仕事づくりの未来に思うこと、先の見えない状況で実際に新しくチャレンジされたことを教えてもらいました。

ThuyAnCenterのコピー

Toheでは恵まれない環境にある子どもたちのために無料のアートクラスを開いたり、そこで生まれたアートを日用品や雑貨に展開して商品販売をしてきました。長い間の活躍もあり、ベトナムで社会貢献の団体を探すときに、ネットサーチをするとトップに名前が上がってくるというほど、よく知られている社会的企業だそうです。

そんなToheもコロナウィルス感染症対策の影響で今まで続けていたアートクラスもイベントも中止、売り上げも激減して大ピンチ…!

1番の持ち味だったplayfulさ(「楽しさ」や「遊び心」)がスタッフの間から消えてしまった時期もあったそうです。

その後、生き残りをかけてより今の時代にあったサービスやものを生み出そうと方向転換をはじめます。今回はそのあたりのお話をスタッフの皆さんにじっくりお聞きしました

お話を聞いた人

▶︎ Vanさん Toheの代表 /  ▶︎  Toanhさん 障害のある子供たちが作ったアートを商品化して企業に販売するセールスマネージャー    /  ▶︎ Thuさん 子供たちのワークショップなどを担当。ソーシャル部門のマネージャー

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Toheは2006年に設立されたベトナムの社会的企業です。困難な状況にある子供たちのために無料のアートクラスの授業をしたり、彼らのアートワークを用いていろいろな製品を作って販売してきました。売り上げの一部が、小さなアーティストたちに還元されるしくみです。

これまで都市部に住む子どもたちと家族のためにたくさんのイベントを開催したり、遊び場を作ったり、展覧会を行なってきました。

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ところがコロナウィルス感染が広がり、状況が一変します。

全ての公共の場でのイベントを取りやめに。

それまで子どもたちのアートワークでつくった雑貨などを売っていたベトナムの5つの国際空港でのお店の売り上げは、ゼロになりました。

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ハノイにあるToheのお店。こちらもコロナウィルスの影響を受け、国の方針が出た時はいつでも閉店しないといけなくなりました。

1つの店舗を閉店することで、そこで働いてくれていた5人のパートさんを泣く泣く解雇せざるを得ない状況になります。

厳しい状況をなんとか耐えるために、全てのスタッフのお給料は10-35%カット。

8つのセンターで子供たちに行っていたアートクラスも中止に。

日々運営していくために必要なお金(キャッシュフロー)は前年の半分になり、ついに大家さんに家賃を減らしてくれるようお願いするまでに追い込まれます。

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売り上げは2019年の売り上げの半分以下の約40%に (資料提供:Tohe)

またロックダウンの最中はチームメンバー同士のコミュニケーションもままならならなくなってきてしまいました。

「それまでToheの一番大事な部分だったのは、遊び心溢れて、楽しいハッピースピリットで活動することだったんですが、そんな気持ちを私たち自身が持ち続けることが困難になってきてしまいました。」

と、代表のVanさん。

Toheのスタッフたちからも笑顔が消えていきます。

「このままではToheという組織での活動が続けられるかどうかも危うい」と、困難な時を生き抜くためにVanさんたちは今までの事業を見直して方向転換をはかります。

より今の時代に合った、一人でも多くの子どもたちやお客さんが喜んでくれる商品やサービスを新しく生み出すために。

続きます!)

Toheのウェブサイトです↓


*この記事はオンラインでの「コロナ禍における障害のある人の仕事づくり情報交換会」イベントの番外編として、「同じ状況だった海外の団体にも話を聞いてみよう!」とたんぽぽの家事務局スタッフ数名がToheの皆さんと話したオンラインでのやりとりをまとめたものです。

(記録:Uga)

* 本事業は休眠預金を活用した事業です *

「コロナ禍を契機とした障害のある人との新しい仕事づくり」は休眠預金等活用法に基づき、公益社団法人日本サードセクター経営者協会 [JACEVO]から助成を受けて実施しています。

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