収入が減って大ピンチ...!いろんなことにチャレンジしたその結果:ベトナム編③
コロナ 禍で収入が前年の40%にまで落ち込んでしまう大ピンチを経験したのはベトナムの社会企業Toheのみなさん。
これまでは地域のセンターで子どもたちにアートを教えたり、子どもたちの描いたアートワークをつかった商品の制作販売をしていました。
”収入が減った人たちでも、お金をかけないで手軽に利用できて楽しめるものを作り出そう”
”ステイホーム中の家の中でも楽しめるものをつくろう”
と、あたらしい商品やサービスをつくり始めます。
カスタマーサービスとして、商品の送料も無料。メッセージカード付きのギフト用の可愛いラッピングサービスも無料に。
こういったあたらしい挑戦をした結果はどうだったんでしょうか?
前回に続き、Toheの代表Vanさんをはじめとしたスタッフのみなさんにお話をお聞きしました。
会社の生き残りをかけておこなった沢山の試行錯誤。その結果は、、、?
家の中にいても、家族と遊べるようにと、新しくつくり始めたボードゲームやパズルなどの紙製品のおもちゃですが、その売れ行きは好調。
Toheのベストセラー商品のトップ5に、2つのボードゲームが入るまでになりました。これらの新商品はトータルで2200個売れたそうです。
そして対面でのアートクラスができなくなったため、始めたオンラインのアートクラスの方はというとー。
ー 今まで対面でアートクラスを受けてくれた子どもたちの数は800名強だったのに対し、オンラインでの自分で手作りが楽しめるYouTube動画を視聴した人たちの全体の視聴数は5600views になりました。
また自閉症の子供たちについて知ってもらうために行った去年4月のオンライン展覧会は63,102回も再生されました。多くの新聞やTVでも取材されたそうです。
その後はさらにアイデアを発展させて、アート画材とガイドラインをセットにした「クリエイティブアートボックス」をつくりました。より便利に子どもたちのステイホーム中での創作を応援しようと、こどもたちの家に届け始めています。
家に届けられた「クリエイティブボックス」を開けると、制作に必要な材料がすべて入っている
Toheのオンライン事業の計画はさらに広がりを見せています。
現在は、スマホやタブレットで使えるToheのアプリも開発中。アート講師の先生たちが子どもたちのために、制作の手順をわかりやすく1つひとつ教えてくれる学習動画をつくり、アプリを通して気軽に視聴してもらえるようにする予定です。
もっとたくさんの人に商品を知ってもらうための取り組み
もっとToheの商品を知ってもらって、手に取ってもらおう。と商品を売るネット上の販売サイトも新しい場所に出店し始めました。
日本で言う楽天のような、ベトナムでよく使われているショッピングサイトはShopee。東南アジア最大のECサイトです。このShopee はカスタマーサービスがしっかりしていることもあり、今急激にベトナムで急成長中。
去年からToheもShopeeと提携して、正規のTohe製品販売のページを開設しました。
通販サイトShopee Vietnamとは、去年一緒にベトナム南部の田園地帯、アンザン省に恵まれない環境にいる子どもたちのために遊び場と図書館を作りました。
新しく販売を開始した大手通販サイトはShopee だけにとどまりません。 その他にもアマゾンやEtsyといったサイトでも販路を広げました。
この活動の裏側には、ある日本の団体の存在があります。
NPO法人クロスフィールズです。
日本企業の人材を社会的企業などに派遣する事業を行う団体で、コロナ禍でもリモートでToheを支援するプロジェクトを実施しました。その中でToheはアマゾンやEtsyといった販売サイトでも販売を始めた経緯があります。
日本のNGOクロスフィールズの助言もあり、新しくオープンしたToheのEtsyでの雑貨販売サイト
今後は日本の楽天でも販売したいと考えているそうです。
「そのトライアルの結果次第で、今後は他のアジアの国にも商品を売っていきたいと願っています。」と夢を描くのは代表のVanさん。
また去年は企業のギフトに力をいれようと、スターバックスのカレンダーを作ったり、オーストラリアやアメリカの団体のための製品も作成したんですって。
Toheのみなさんはとにかくアイデアを思いついてから実行するまでが、早い早い ! ”こんなアイデアを今もっています” と教えてくれた2、3ヶ月後にはもう商品が出来上がっている驚きのスピード感で、アイデアを行動にうつしています。
「自分たちだけではもう危機を回避できないかもしれない」と協力者を探し続けて、他の団体と一緒に行う共同プログラムも精力的に行っていました。
困難な状況にも負けず、未知の分野も積極的に切り開いていく行動力がそこにはありました。
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*この記事はオンラインでの「コロナ禍における障害のある人の仕事づくり情報交換会」イベントの番外編です。「同じ状況だった海外の団体にも話を聞いてみよう!」と今年の1月〜7月にかけて、たんぽぽの家事務局スタッフ数名がToheの皆さんと話したやりとりをまとめたものです。
(Uga)
ベトナム編
* 本事業は休眠預金を活用した事業です *
「コロナ禍を契機とした障害のある人との新しい仕事づくり」は休眠預金等活用法に基づき、公益社団法人日本サードセクター経営者協会 [JACEVO]から助成を受けて実施しています。
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