見出し画像

言い訳が効かない家の商品開発

おはようございます。テンプラです。

主に暮らしの商品開発(家・空間・インテリア・建材)を中心に、まちづくり、グッドデザイン賞やキッズデザイン賞などのデザイン顕彰制度受賞へ向けた受賞の取り組みに対するお手伝い、イタリアのミラノで年に1度開催される世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ」の案内人などを仕事にしてます。

商品開発やデザイン顕彰制度、まちづくりは真面目に、その他は若干肩を抜いて^^。

直接エンドユーザーよりも企業様との付き合いで多く仕事させて頂いてます。暮らしの商品開発自体は、年間数千の実績にある企業の商品開発責任者、および地域の建設会社とのお付き合いをしています。

少し仕事内容をご説明しますと。。

家の商品開発の場合、まず注文住宅なのか規格住宅なのか。土地有り・無し客か、建売分譲なのか等、販売手法からどのような商品開発が適しているのかを考えます。最近の傾向としてはコロナウイルスの影響によって、なるべくリモート化して家づくりをする手法、また見て即決できる家の提案に流れてきています(2020年)。つまりは規格住宅やセミオーダー(部分的に変更可能)住宅を求められている傾向が強い。※この傾向は現在でも続いてはおりますが(2021年後半)、ワクチンが一般化し通常の錠剤が近く販売されてゆく暮らしの中、若干変化しつつあります。

家の商品化は想定のターゲットに向けて消費志向や空間ニーズ、課題等々を分析し、提案方法から販促物の提案、販売手法含めて家という商品(=仕組)にしてゆくわけなのですが、近年のお客が求める間取り提案やデザインの多様化も相まって、15年前ならば対応できた数パタンの箱(家)だけを考えて規格化し家を売るのは現在は難しい。

しかし、もしかしたらコロナの影響で、非対面ニーズ、人との密な家づくりを控える層が増えて、再度上記の様な絞った規格パタンが売れる可能性が出てくるのではないか。と私は思っています。

で、、タイトルから脱線してしまいましたが、、、この家の商品化というのはターゲット(一次取得者層、消費性向、間取りやデザインのニーズ、地域性の配慮等)を分析して、それを家にする。という言葉で簡単にはかたずけられず、創造性やデザイン性も大切。分析は棚に置いて、目の前に居ないターゲットを創造しながら、デザインやプランニングをデザイナーの感性で検討することも大切だと思っております。

本来は住まい手がいて様々な要望をまとめ、提案し、あるスケジュールを基に完成まで仕上げてゆくわけですが、商品化の過程には当たり前ですがお客がいない。(想定ターゲットがいるが)分析や企業の判断も勿論ありますが、担当者が創造を働かせて自由に商品を考えることも必要。商品に楽しさを与えます。

数百から数千の棟数のきっかけを作る家の商品開発は、1対1の家づくりではできない醍醐味があります。同時に本当に住む人が住まいの要望を伝えて家を作る訳ではないから、その家のデザインやプランニングに対して言い訳が効かない(住まい手の責任にできない)。住まい手を想像して企画化、商品化してゆく家の商品開発は、独特の責任感が付きまといます。

また販売目的の家の商品開発だけではなくて、集客目的の商品開発など、家の商品開発は、ほかのモノの商品開発とは違う目的で利用する事もあるので、実はかなり独特かもしれません。商品開発の定義もあいまいです。営業的なツールも含めて家の販売の仕組そのものを指すこともありますし、外観デザイン1つでも商品と呼ぶこともあります。大企業のように企業名が商品ととらえることもできます(Dワハウチュ等)。企業の考え方で家の商品開発はそれぞれ違います。

その辺の話はまた違う機会でお話ししましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?