自己紹介

「兄ってどんな人?」と思う方もいると思います。私がどんな人間かは、これから書き起こすであろうテキスト群をご覧いただければ多少わかっていただけると思うのですが、まずはざっとお話ししておいた方が親近感を持っていただけるのかな、と思いました。

なので私と弟のことについて簡単にお話ししますね。

私は妻帯者で息子がいる三十代後半のフリーランスクリエイター、事業家です。愛妻家で妻との関係も良好。多趣味です。

2016年から2017年にかけて発達障害の弟と仕事をともにし、カサンドラになりました。妻にもたくさん苦労や心配をかけた。あれから3年、後遺症に苦しみながらも、ようやくカサンドラを克服できそうなところまできたところです。

フリーランスとして成功した類だと思いますし、国際的なビジネスも順調でした。しかし弟と仕事をしてカサンドラになると経営が傾き、10年かけて育てた事業を失いました。カサンドラになりまたゼロからのスタートです。

どうやらHSPの気があるようで、主に視覚、嗅覚、味覚、聴覚が感覚過敏です。HSP特性によりしんどいところは若いうちに意識的に克服しました。その克服法についてもいつか書きたいと思っています。

母親が典型的なADHD、父親はよくわかりませんがモラ夫っぽい人間でした。最近気が付いたのですが、うちの親はいわゆる毒親だったのかもしれません。現在は絶縁状態です。またこの経緯も頭にくるんですけど、まぁそれについては追々。

学生時代、私はいつも母のADHD特性による悪意のない理不尽に苦しんでいました。父のモラハラは言わずもがな。今思えば、私はずっとカサンドラだったのかもしれません。しかしどうやらAC(アダルトチルドレン)の気はなさそうです。

弟は現在三十代前半です。発達障害でもADHDと受動型ASDの複合型で、おそらく二次障害も発症しています。障害者手帳2級が交付されたようですが詳しくはわかりません。弟の診察と手帳交付の道筋を描き、親を説得し、ここまで尽力したのにもかかわらず詳細報告はもらっていないのです。なんなんええ加減にせいよ。

彼はこれまで就職やバイトをしても一年以上続いた試しがなく、実家でくすぶっていました。そんな彼の自立を願い「うちで働いてみる?」と誘ったのが2016年。これがすべての始まりでした。まさか何もかもを失うことになるとは……。

いえ、仕事を失うことは別にいいのです。会社員でない私にとってそれほど深刻ではありません。しかしカサンドラ症候群の症状があまりにしんどかった……。私のカサンドラの症状についても追々書きます。

私、カサンドラやめます
カサンドラになり、私はこうなった
カサンドラになったらQOLが上がった話

ところで、弟には交際して十年にもなる恋人がいます。彼女は結婚願望が強いようですが、いまだ弟との結婚には至っていません。弟が拒絶しているようです。もし結婚したら、私同様彼女もカサンドラの運命を歩むでしょう。

一度私は彼女に、カサンドラの現実とリスクをできるだけ客観的に伝えたことがあります。電話で一時間くらいは話し込んだかなぁ。彼女は「大丈夫ですよ!」「何とかなりますって!」というスタンスでしたが、そのころ既に彼女は弟の言動に傷ついたり悲しんだりしていたんですよね……。「発達弟と連絡がとれない。兄さん何とかして……!」といった具合に、ヘルプを求められることもありました。

カサンドラまっしぐらではないか。

そのダメージはパートナー関係になることでいっそう大きくなるのに……。

私は「もしあなたがカサンドラになっても、救ってあげることはできない」とだけ伝えました。あとはもう本人達の自由意思ですので、過干渉するのも野暮というものです。

少し長くなりましたが、私と弟についてはおおむねこんな感じです。

では質問タイムに入ります。どなたか質問はございますか?

A「はい!」

はい、じゃあそこのガバッとした顔の──そうそう、あなた。どうぞ。マイク渡してあげて。

A「ガッ、ピー!ASD編集部の勝間と申します。兄さんの好きな食べ物はなんですか?」

え、好きな食べ物ですか?

A「はい」

うーん、寿司……ですかね……

A「ありがとうございます」

え?何ですかこの質問?終わり?すいません、なんかもっとこう核心に迫るようなご質問をいただけるとありがたいのですが……。

A「いえ、好きな食べ物は重要じゃないですか?何が好きかによってその人の人となりがわかりますから」

そうですか?日本人なんて大体寿司が好きでしょ?「好きな食べ物は?」に対し「寿司です!」と答えたところで日本人大多数が適合するその回答から何がわかるんでしょうか……。

A「寿司のネタまで答えるのが常識じゃないですか」

ああそうですね……すいません、マグロ……ですかねやっぱり。

A「それは日本人の大多数があてはまる答えじゃありませんか?」

ええだから先ほどそう申し上げたのですが……

A「なんですか?私を責めてます?どうしてまじめに答えてくれないんですか?」

いやまじめに答えていますよ。すいませんちょっと混乱しています。私、先に申し上げましたよね?その質問にはあまり意味がないのではないかと……。

A「正確には「日本人大多数が適合するその回答から何がわかるのか」──です」

あ、はい……。それで……?

A「もういいです」

いやよくないでしょう。私も茶々を入れてすいません。回答差し上げますね。本マグロの中トロ握りが一番好きです。

A「さっきと回答が違いますし、そもそも余計なことを言わず最初から普通に答えていればよかったんじゃないですか?不愉快です。もう少し勉強してください」

あー……

いややめろ意味わかんねぇよ!カサるわ!



ありがとうございました。

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