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~「優しい職場とは?」を考える~ 【表彰式レポート】第9回GOOD ACTIONアワード(第2部 トークセッション編)

こんにちは。GOOD ACTION note編集部です。
本日は、3月6日に開催した「第9回GOOD ACTIONアワード表彰式」内で実施された、トークセッションの模様をお届けします!

はじめに

GOOD ACTIONアワードとは?

世の中でGOODな職場・環境・取り組みが、あなたにとってGOODとは限らない。働く個人が100人いれば、100通りの働き方があり、それぞれの働き方に合ったGOODな取り組みが存在します。

そんな中でも、GOOD ACTIONでは『 働くあなたが主人公となり、想いを持って始めた取り組みが、少しずつ周囲の人を巻き込みイキイキと働ける職場の共創へと繋がっていく…そんな可能性を秘めた取り組み(ACTION)』に光をあて応援するプロジェクトです。

2014年から開催され、今回で9回目を迎える本アワードでは、
これまでに70以上の取り組みを表彰してきました!

第1部について

表彰式の第1部では、受賞となった8つの取り組みを表彰しました。トロフィー・賞状の授与、取り組み紹介動画の放映、審査員・受賞取り組み担当者からのコメントと内容が盛りだくさん!
どんな取り組みがあり、どんな思いが込められているのかを、じっくり知ることができる時間となりました。

▼第1部の様子は、こちらでチェックできます


トークセッションの模様

第2部では審査員と受賞取り組み担当者によるトークセッションを開催しました。審査員4名と8取り組みすべての担当者が登壇(前半と後半20分ずつ×2チーム)する、これまでで1番大規模なトークセッションとなりました!

テーマはずばり!
「優しい職場とは自分に合った職場といえるのか?」です。その企業で働く全ての人が、“自らの生き方にマッチする”と感じることができる理想の職場環境を生み出していくために、必要なこととは何なのでしょうか?
「優しい職場とは?」という質問に対して、各社のエピソードを交えてトークを展開。その一部をご紹介します!

当日投げかけられた審査員からの質問(ムチャぶり!?)にも台本なしでスラスラと答えるみなさんに「すごい…!」と驚きながらも、正解がない”働き方”や”職場の在り方”について、常に考え・挑戦していくことが大切なんだと考えさせられました。

【審査員の紹介】
・学習院大学 経済学部経営学科 教授/一橋大学 名誉教授 守島 基博氏
・三井住友信託銀行取締役/横浜市参与/G20 EMPOWER日本共同代表/ 内閣府男女共同参画推進連携会議議長 アキレス 美知子氏
・慶應義塾大学 特任准教授/株式会社NEWYOUTH代表取締役 若新 雄純氏
・株式会社リクルート リクナビNEXT編集長 藤井 薫 氏

●上司が部下の良さや持ち味を理解する  株式会社島田電機製作所 島田 正孝様

島田さんは「どうしたら熱意を持って働く人が増えるのか考え、自分の業務に関係しない人たちのことも理解できる職場が優しい職場に繋がっていくのではないか。そのためには、上司が部下の良さや持ち味を理解してあげることが必要」と語ってくれました。

「何が自分にとって良いことなのかは人それぞれ違う。個に合わせてやっていくことが大切だが、そうするとマネジメントするのが難しくなるのではないか?」という守島さんからの質問に対しては、
「オーダーメイドのモノづくりをしている会社のため、一人ひとりが主体的に考える文化がある。一人ひとりを認めていくというのが、モノづくり・組織づくりにも共通している」(島田さん)と自社の特性を交えて回答してくれました。

●当事者意識をもって柔軟に対応できる / 日本郵便株式会社   網師本 祐季様

「自社は制度が充実している会社だと思うが、制度を使うのは「人」。制度のあるなしに関わらず、周りの人たちが当事者意識をもって柔軟に対応できるかの積み重ねが多い職場が優しい職場なのではないか」と語った網師本さんに、

「どんな制度なのかという中身よりも、どんな気持ちで社員が働いているか、上司がどうやって見守っているかが優れている会社は雰囲気がよいと思う」とアキレスさんもとても共感していました。

●わがままではなく”事情”という見方に変える / 一般社団法人NIMO ALCAMO 古市 邦人様

古市さんの「わがままではなく、事情があってフルパフォーマンスできない人たちのことを理解して持続可能なルールを考えられるか。そうすることで経営側にも、働く側にも、優しい職場になるのでは」という考えに対して、若新さんが「関係の重要性」を語る場面もありました。

「職場の制度や環境が優しいかよりも、関係の問題だと思う。”事情”を抱えていることに対して、申し出にくい関係になるのはつらい。関係に注目するともっと優しさを捉えられるのではないか」(若新さん)

「自分とは違う人であるということを理解しなければいけない。会話をすること、わかろうとすることで、”事情”というスタンスで捉えることが大事」(古市さん)だと話すように、今回の受賞したNIMO ALCAMOの取り組みも、各々の事情を話しやすいということが重要なポイントです。

●小さな違和感を大事に / 株式会社乗富鉄工所 乘冨 賢蔵様

優しさって大事だなと感じたエピソードを紹介してくれた乘冨さん。
「自社はオーダーメイドの製造業で検査がいっぱいあるが、自分のチーム以外の検査結果はわからない状況だったため、レベルアップのために他チームに対する結果も共有すべきではないかという話が出た」。しかし、「チーム外に共有するのは、嫌な気がしてしまう」と社員から言われといいます。

そこで、検査結果のダメ出しではなく、よかったことだけを共有できるアプリを作成。すると、「前向きにモノづくりに取り組めるようになった。小さな違和感を大事にしながら、人の感情に向き合うのは大事だと感じた」(乘冨さん)と教えてくれました。

●挑戦を許してほしい / 岡山県備前市 同前 嘉浩様

同前さんは「一人ひとりの働くモチベーションや幸せに合わせた仕事の割り振りというのがあってもいいのではないか」とした上で、「安定を求める社員もいれば、自分のように挑戦する社員もいる。それぞれのやりたいことを許容してくれる職場が優しいのではないか」と考えを述べました。

まさに「許し」がテーマだと語るのは若新さん。
「世の中が窮屈になっているように感じる。PCがフリーズしたり、車がエンストすることは、昔はよくあった。今はスマホがいつもスムーズに動く。職場でも、自分が変な動きをしてはいけない、間違えてはいけないという不安から、力が発揮できなくなっている気がする」という例え話も飛び出しました。

「人間は完ぺきではないという前提で、寄り添う・許し合うことができたら、働くことが前向きになるのではないか」(若新さん)
「新しく配属された課で挑戦をしたら失敗して処分を受けたこともある(笑)挑戦に対する失敗を許してほしい」(同前さん)
「許す」ことの難しさと大切さを感じますね。

●挑戦と失敗を繰り返す / 社会福祉法人幸知会 早瀬 直人様

続いても「挑戦」が話題に。
「同前さんのお話にもあったように、挑戦は難しいと思われがちだが、”調子が悪い””子どもの用事で出社が難しい”等と言い出すことも日々のチャレンジだと思う。そういった一人ひとりの意見を受け止められる職場が優しい職場ではないか」(早瀬さん)

アキレスさんも「日本では失敗を恐ろしいものと捉えられがち。失敗しても、次につながるように後押ししてくれる職場がよいと思う」とコメントした上で、「それぞれ違う状況・個性の中で、どうマネジメントしていけばいいか?」と興味を示しました。

それに対して、早瀬さんは「話し合うことが大事。その人を知るところから始め、自分も知ってもらう。個を理解するようにしている」と自身が気を付けていることを教えてくれました。

●選択肢をたくさん用意する / さくら構造株会社  田中 真一様

「自分が優しい職場に勤めたらどう感じるかを考えた」という田中さん。
「自分だったら、若手の頃にやさしい職場にいたらすぐに甘えてしまうのではないかと思った。フルコミットできるときと、そうではないこともある。変化に応じて、”優しく働こう”と”厳しく働こう”を切り替えながら働くことができるといい」(田中さん)と、優しさだけではなく、厳しさとのバランスの重要性を語りました。

守島さんも「選択肢を実質的に与えていくことが大事」だと共感。
「制度はあるけど、実際は利用できないという場合もある。働く人が選べることが必要。優しい職場を考えるうえで、働く人たち・生きる人たちがどういう風に人生・仕事を考えていくかということも重要になってくる」(守島さん)

さくら構造では、「上司を選ぶだけでなく、働く場所を選ぶなど、選択肢をなるべく多く用意することが経営方針のベース」になっているようです。

●助け合いができる優しい人 / 株式会社佐藤製作所 佐藤 修哉様

企業の規模・業種によっても定義が変わるとした上で、「ルール・仕組みではなく、働く人の人間性が大事。コミュニケーション能力や人に対する優しさがある職場にしたい」と、自社(約20人の工場)に求める優しさについて述べた佐藤さん。

忙しい人がいたら声をかけたり、手伝ったりできる文化が根付いている会社が優しい職場なのでは」と考える佐藤さんに、
藤井さんも「職人や作り手が、”優しさ”を制度ではなく風土にしていくためには言葉が大事。助け合いの声がけができるようになるには何が大事か」と気になった様子。

佐藤製作所では「コミュニケーションを取る回数を増やすことが大事。業務内で普段かかわりが少ない人たちが接点を持てるように、打合せのときに直接関係がないスタッフも同席させて、その仕事に関してディスカッションしたり、週に1回全員で会議したりしている」(佐藤さん)という。5~6年にわたり続けてきたことで、近年では少しずつ発言できるようになったそうです。

●まとめ
最後に藤井さんが審査員を代表して、「優しい職場とは一人ひとりの才能が開花する職場。一人ひとりの才能に関心をむけることが大切なのではないか」と自身の考えを述べながらも、「優しい職場の回答はひとつじゃない。今日はそのことを学んだ」と、トークセッションを締めくくりました。


これがみなさんにとっても、”職場”について考えるきっかけになれば嬉しいです。

「優しい職場とは?」「イキイキした職場にするためには?」そんなヒントをお届けできるよう、日々のnoteや、来年のアワードで、これからもたくさんの”GOOD ACTION”を紹介していきたいと思います。

▼GOOD ACTIONに興味を持ってくれた方はHPもぜひチェックしてみてくださいね

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