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神様から受け継がれる?神話に伝わる「植林」のバトン

日本ではいつ頃から木を植え始めたのか、みなさんご存知ですか?
実は、日本最古の歴史書といわれる「日本書紀」(720年)に、神話として植林の話が既にでてきてます。

例えば、ヤマタノオロチを退治したことで知られる「スサノオノミコト」(以下スサノオ)は、植林を教えた神様。
息子の「イタケルノミコト」(以下イタケル)は林業の神様と言われています。

森の大切さを伝える伝説の大蛇、その正体は……

こんな伝説が残っています。
昔、出雲の国(島根県)に、8つの頭と尾を持つ大蛇「ヤマタノオロチ」があらわれました。
その大きさは8つの谷を超えるほど大きく、背中は苔におおわれて、スギ・ヒノキ・クスノキの大木が茂っていました。
ヤマタノオロチは毎年村人を食べてしまうという事を知ったスサノオは、ヤマタノオロチを退治しました。

このヤマタノオロチ伝説には背景があります。
昔、出雲の山は鉄の産地として栄えていました。
製鉄に使う燃料として大量の木が伐られ、周囲の山は治水能力が低下していました。
そのために大雨が降る度に川が氾濫し、村々は洪水にのみこまれていました。
おそらくヤマタノオロチはこの洪水をさし、背中に茂っている大木は、出雲の山に森林があった頃の姿ををあらわしているのではないかと伝えられています。

ヤマタノオロチ像とスサノオノミコト像

神様がつなぐ「植林」のバトン

ヤマタノオロチを退治した後の伝説が複数残されています。
オロチとの死闘を繰り広げた後、草木が倒され荒れ果てた姿になった景色が広がっていました。

スサノオは自分の体毛を抜いて土にまきました。
すると、スギ・クスノキ・ヒノキ・マキが生み出されました。
スサノオは、それぞれの木の特性や植林を教えました。
「スギとクスノキは舟、ヒノキは神社、マキは棺桶に使いなさい。その他にも色々な木を植えて育てなさい」と。

また、息子のイタケルは天からたくさんの木種を持って降りていました。
植林によって土地が再生した事を喜んだイタケルは、妹たちと共に日本全国に木を植えつづけました。
やがて全国の山々は緑であふれ、豊かな国になったと伝えられています。

水害を治めた神様が植林を教え、子どもの神様たちが植林を行い、今に繋いでいく。
古代から植林の歴史があり、神話を通して植林の大切さや木の特性を次世代に伝えようとしていたのかもしれません。

ヒノキの苗木

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