【日本一バカで美しい旅】国道1号踏破 #1 出発
前回はこちらから。
いざ、出発地点へ
と、いうわけで徒歩旅行が幕を開けようとしていた。
なんて、息巻いてたけど、初日から軽く寝坊してスタートダッシュに失敗。
前の晩、つい遠足気分になっていまいち寝付けないのだけはいくつになっても変わらない。
そんなこんなで、初めからどこか締まらない感じを隠し切れない自分が嫌になってしまう、そのネガティブのスイッチを切り替えるように、電車をいくつか乗り継いで、出発地点・大阪は梅田へ。
東京 への だいいっぽを ふみだした!
梅田から少し歩くと目的のスタート地点、曽根崎通へ。
雲が、ともすれば、たまっていたものをぜんぶ吐き出しそうな、けどひょっとしたら、そのまま何事もなく、太陽に道を譲っていきそうな、変な空だ。いよいよ踏み出したその足で固い地面を捉える感覚が、ひどく生々しくて、もうこれ以上は歩けないんじゃないか、とも、このまま疲れ知らずで無限に歩けるんじゃないかとも思う。
耳元で、ほんとに行くのか?とささやく、もうひとりの自分。けどもうやめられない。とまらない。
なんというわけでもなく、、
というわけで、しばらくはほんとに快調、といった感じだった。
やっぱり、歩くって気持ちがいい。もちろん、疲労がたまらないわけではないけど、なんだか無心になれるというか、一種の瞑想、みたいな。
と、いうことで、ぼけっとしていて、道を間違えそうになったり、写真を撮るのをすっかり忘れていたり……
とにかく、1時間ほど歩き、大阪指折りの繁華街・京橋へ。
何の根拠もないけど、ひとつ目のチェックポイントを越えた気がして、一歩一歩の歩幅が大きくなる。けど、そんな気持ちとは裏腹に、降り出した雨が、ブルーのスポーツウェアを黒色に染め上げる。
エネルギーの補給もかねてコンビニのイートインへ駆け込む。なんか、この先少しでもいいことあれ、と思いっきり見返りを求める姿勢で、きちんと自分から申告して、10%消費税を支払う。
差し引き2%の見返りがもう返ってきたのか、食べ終わるころには外はすっかり日差しを取り戻していた。初日から完璧な雨宿り技術を発揮。いい調子だ。
ふと、瞑想
気分がいいのは、空が晴れたからか、それとも腹が満たされたからか。でも、なんだか、今のお前ってすごく幸せなやつだよと、もうひとりの自分がまたささやいてくる。たしかに、こんな、言っちゃえば意味なんてないことに思いっきり精を出せる今の自分ってすごく幸せ者にちがいない。それに感謝して、ならなおさら、完走しなければ、と気持ちを新たにする。もうひとりの自分は、自分の皮肉がすかされたことがおもしろくなかったのか、どこかへフェードアウトしていった。
というわけで、コンビニを後にして意気揚々と再開。
この後に待ち受ける苦難など知る由もなく。
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