田中 良@走る火山学者

研究者として、大学教員として、ランナーとして、 エッセイを書きます

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人生のKPI

2024年5月19日、第50回ANA洞爺湖マラソンを走ってきた 1周36kmの洞爺湖を1周とちょっと走るフルマラソン。タイムは3時間9分ちょうどで自己ベストを更新した。フルマラソンは3時間も走っているので、つい、色々なことを考えてしまう フルマラソンをその日のコンディション(自分の調子、天候、コース状況)の中で最速で走るためにどうすれば良いか…今シーズン4本目のフルマラソンだった僕がたどり着いた答えは『心拍数を管理すること』だった。詳細は割愛するが、心拍数160〜165くら

    • やらなきゃいけないこと

      『やらなきゃいけないこと』には2種類あると思う 『やらなきゃいけない、やらなきゃいけないこと』と『やらなくてもいい、やらなきゃいけないこと』 『やらなきゃいけない、やらなきゃいけないこと』は、誰かとの約束だったり、〆切が設定された仕事だったり、やらないと誰かに迷惑がかかるもの。例えば、書類仕事だったり、学生指導だったり。 『やらなくてもいい、やらなきゃいけないこと』は、やらなきゃいけないんだけど、誰かと約束しているわけでもなかったり、〆切が設定されていなかったり、やらない

      • エッセイを書く

        寺田寅彦に憧れがある 中谷宇吉郎にも憧れがある JALの機内誌で連載されている浅田次郎のエッセイが、機内での楽しみの一つ これまでのnoteは、誰かに読んで欲しくて、誰かの役に立つことを書こうとしていた そして、おそらく飽きてしまって、ほとんど開かないまま2,3年が経ってしまった その間に、コロナ禍があけ、任期なしの助教になり、指導した学生の数も10を超えた ランニングを始め、フルマラソンを4本走った 誰の役に立たなくてもいいし、ちょっと気持ち悪くてもいいか 今日から実

        • 研究室生活の乗り切り方ー卒論の書き方ー

          今年もあっという間に年の瀬が近づいている。年の瀬といえば、卒論・修論の季節だ。 大学3年生・4年生で研究室に配属される大学生が、研究室生活を乗り切るために、現役大学教員が一つの方針を提案するこのシリーズ。第4弾は卒論の書き方である。 今回は、日本語の書き方、というのは置いておいて、卒論の大きな流れの作り方について書きたい。いくら上手な日本語、わかりやすい日本語が書けても、そもそも内容が卒論に見合っていなければ意味がないからだ。 スケジュール感まず、中身をどうこう悩む前に

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        • 大学教員として
          6本

        記事

          研究室生活を乗り切るためにー発表スライドの作り方ー

          大学3年生・4年生で研究室に配属される大学生が、研究室生活を乗り切るために、現役大学教員が一つの方針を提案するこのシリーズ。第3弾は発表スライドの作り方である。 研究室に配属されると、スライド(パワーポイントやkey note)を使って発表を行う機会が山のようにある。そして、どんなに研究で手を頑張って動かしていても、論文を読み込んで内容を理解していても、発表スライドがある程度きちんと作られていないと、聞き手には全く伝わらず、思いがけない大惨事になったりする。ここでは、『上手

          研究室生活を乗り切るためにー発表スライドの作り方ー

          研究室生活を乗り切るためにー論文の探し方・読み方ー

          大学3年生・4年生で研究室に配属される大学生が,研究室生活を乗り切るために,現役大学教員が一つの方針を提案するこのシリーズ.第2弾は論文の探し方・読み方である. 弊学・弊学科では,研究室における重要な取得単位の一つに,論文購読がある.最新の論文(英文)を読み,ゼミメンバーに紹介するというもので,研究室に配属された学生が最初にすることであり,最初に苦労することでもある.他の大学でどのように実施されるかはわからないが,研究をする上で論文を読むということは非常に重要なことであり,

          研究室生活を乗り切るためにー論文の探し方・読み方ー

          研究室生活を乗り切るためにー指導教員の選び方ー

          今年も卒論の仮提出が終わった.教員になってから2回目の卒論指導で,卒論指導した学生は述べ5人になった.まだまだひよっこ教員ではあるが,指導する内容というのは大抵誰しもに共通しているように思う. 自分への備忘録も含めて,これから4年生になる人,つまり,研究室に配属され,指導教員を決め,研究をし,卒論を書く,という人に僕なりの生き抜き方を伝授したい. もちろん,環境は人それぞれで,書いているのは理系の,しかもフィールドワーク系の,駆け出しの助教である,ということは気をつけてもら

          研究室生活を乗り切るためにー指導教員の選び方ー

          博士課程進学を迷っているあなたへ|2017年に博士(理学)を取得した話

          大学教員としては,なるべく多くの学生に博士課程に進んで博士号を取得し,研究者になって欲しい. けれども,博士を取っても就職先がないとか,研究者のポストは任期付きばかりだとか,そもそも博士号を取れるかどうか不安だ,ということで,博士課程に進むには相当な勇気と思い切りがいる. だから,なんとか博士号を取得して大学教員をやっている僕,つまりなんとかなった人の経験談によって,その不安を少しでも軽減し,博士課程進学を悩んでいる人の背中を押したい,という思いでこの文章を綴ることにする

          博士課程進学を迷っているあなたへ|2017年に博士(理学)を取得した話

          僕はRPGをクリアできない

          特段,ゲームが下手というわけではない. 時間が全くないわけでもない. けれども,僕はRPGをクリアできない. 正確に言えば,ラスボスを倒せない. 一度負けると倒さずにそのままやらなくなってしまう.中ボスならレベル上げして倒せるまで挑むのに. だいたいストーリーがわかってしまうから,ラスボスまできてレベル上げするのが面倒くさいから,あたりが理由だと思っている. 人生にラスボスがいなくてよかった.中ボスがたくさんいるだけだ. だから,負けてもレベル上げして挑み直せるし,一旦そ

          僕はRPGをクリアできない

          ある大学教員の仕事

          noteで記事を書き始めてすぐ,#はたらくってなんだろう というタグが目に入った.大学教員という仕事は,端的に言えば次の大学教員を育てる仕事だと思っている.にもかかわらず,大卒の人ならば確実に出会った人種のはずなのに案外きちんとどんなことをしているのか知られていない気がする.だから,大学教員の端くれとしての自分の仕事を書いてみよう. ある大学教員の1日僕は裁量労働制という打刻もない代わりに残業代もないという制度で働いている.1日何分働いても給料は同じという仕組みだ(休日手当

          ある大学教員の仕事