50歳からのフルマラソン!
6年前、私はうつ病になった。
朝早く夜遅くまで働き、休みの日も仕事をし、ストレスを抱えながら日々過ごしていた。
元々人に気を遣い、精神的に弱い人間でもあり、過呼吸や不眠が続き、ついに体が動くなる。
それから一か月、引きこもりが続いた。
無気力状態が続く中、心療内科の先生に
「ちょっと頑張って散歩でもしたらどうかな?」
って言われ、近くの公園に出掛けました。
目標も無く歩いても続かないと思い、2キロ先にある神社に参拝もかねて、毎日ウォーキングを始めた。
2〜3週間ウォーキングを続けていると、今度は走ってみたくなった。
元々走るのが好きで、特に長距離。
中学3年の時に10キロマラソンがあり、300人中10位になった事もありました。(短距離は全然ダメですけど笑)
なので、ウォーキングからジョギングに切り替えて距離も 2キロから5キロくらいに伸ばして。
ウォーキング、ジョギングのおかげで、体調も良くなっていき、2ヶ月後に職場復帰。
初めは体調や精神不安の改善の為に走っていましたが、ある時「マラソンを走ってみたい!」と思うようになった。特に、
大阪マラソン
今の私には到底完走など無理だとわかっていたけど、でも走ってみたい!
今まで途中で投げ出したり、諦めたりして、何一つ成し遂げた事がなかったので、弱い自分に勝つためにも、挑戦しようと決めた。
大阪マラソンのコースは私の家のすぐ近くを走るので、何回か沿道で見てました。(今はコースが変わって通らなくなりましたが)
まずはハーフマラソン完走を目指して、自己流でランニングに取り組みました。
そして1年後、無事ハーフマラソン完走!
練習の成果もあり、途中歩く事もなく走り切る事が出来た。
で、次は4ヶ月後のフルマラソンです!
(大阪マラソンは落選しました)
河川敷のコースなので、フラットで初心者には走りやすい感じです。
ハーフを走り切った時、まだまだ余力があったので、完走は大丈夫だと、密かに思って前半は走っていました。
が、ハーフを過ぎた25キロ地点!
脆くも私の思いは打ち砕かれた。
急に足が重くなって、息も苦しくなり30キロ付近でついに歩いてしまった。
まさによく聞く30キロの壁です。
そこからは、今まで経験したことのない苦しい時間でした。
もうやめたい!
走りたくない!
完走なんかどうでもいい!
もうマラソンなんか走らない!
と、心の中で叫んでいました。
でも、心が折れそうになりながらも、一歩一歩前に前に、重たい足を上げて進んでいきました。
前半には感じなかったけど、1キロがこんなに長いとは、、
そして、ボロボロになりながらもゴールイン!
念願の完走です!
生まれて初めてメダル🏅を貰いました。
今までの弱い自分に打ち勝った瞬間です。
タイムは4時間37分!
タイムより、苦しくても最後まで諦めずに走り切れた事に、喜びを感じました。
それから、3回フルマラソンを走り全て完走!
そしてついに、3回目の応募で念願の大阪マラソンに当選!
いつも沿道から見ていた、近くて遠かった夢のコース。
当選が決まってからの5ヶ月間は、練習よりも怪我や体調面を気にしながら過ごしてきました。
当日に怪我や体調を崩してしまったら、元も子もないので。
大阪マラソン当日
3万人のランナーがスタート地点の大阪城に集結。
私は自己申告タイムが遅いので、かなり後ろの列の位置で並んでいました。
開始から10分位たって、やっとスタート地点に到着。
そして、念願の大阪マラソンの一歩が始まりました。
過去の大会は河川敷ばかりでしたので、今回初めての公道のマラソンです。
普段車で通っている道路を走るのは、凄く気持ちいい!
そして、沿道からの応援!
やっぱり大阪マラソンは最高です!
と、感無量で走っていると、沿道からの応援に何か戸惑いを感じました。
普通は、頑張れー!
頑張ってー!
なのに、
今、私に掛けられてる言葉は
カッコいい!
みんな、カッコいい!
「俺、そんなに速くないし、後半はボロボロになりながら走っているのに、カッコいい事は無いよ」と、なんか照れくさい気持ちでした。
そんな事を思いながら、42.195kmを走り切りました。
タイムは4時間5分!
密かにサブ4(4時間切り)を狙っていましたが、まだまだ実力不足でした。
それから大会後も、あの沿道からの応援がずっと気になっていた。
カッコいい!
ある事に気がついた。
速く走ることや完走することがカッコいい!ってことじゃなく、マラソンに挑戦する姿がカッコいい!のだと。
人は新しく何かを始める時、まず言い訳から入ります。
秋冬は食べる機会が多いので、春になったらダイエットする。
夏は暑いから、涼しくなってからランニングしよう。
冬は寒いから暖かくなったらウォーキングしよう、とか。
以前の私もそうでした。
どうせやっても出来ない。
時間がないから無理。
色々と言い訳をし、それに同意を求める為に、人に話して正当化にしてしまう。
やらないこと、しないことは間違いじゃない、仕方がないと。
でもランニングを始めて、ジムも行かず、誰にも教わらずに、自己流でマラソンを完走出来た。
初めは絶対に無理って思いながらも、暑い日や寒い日も少しづつ走った結果のマラソン完走。
だから、結果じゃなく新しいことにチャレンジすることがカッコいいのだと。
出来ない理由を考えるのではなく、出来ることを考えてみる。
そして、まずやってみる。
やってみないとわからないこともある。
習うより慣れよ!
私は今55歳です。
もう人生の半分以上は過ぎています。
人生あっという間です。
マラソンを完走したことで、ちょっとは自信がつきました。
なので、これからはどんどん新しいことにチャレンジしていこうと思う。
で、今はFP(ファイナンシャルプランナー)の資格を取る為に勉強をしてます。
なかなか難しいけど、挑戦中です。
今も心療内科には通っています。
時々しんどい時もありますけど、でも以前より少しは心が強くなったと思います。
もう下を向いて歩かず、前を向いて走っています。
まだまだやりたいことがいっぱいあります。
さて、次はどの道に一歩踏み出そうかな
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