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小説と詩を嗜んでみた。

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駄文ですが、お暇な時に。
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2024年3月の記事一覧

太陽が消えた街。

太陽が消えた街。

笑い方?
忘れた。
怒り方?
忘れた。
泣き方?
忘れたよ。

人って売れるんだって。
親父は泣きながら、得体の知れない男達にあたしを引き渡した。
泣いてた顔は途端に姿を変えて、得体の知れない男達のボスであろう人物の機嫌取りに媚びた笑いを繰り返す。

あたしはあの顔が世界で1番嫌いだ。

抵抗はしなかった。
親父と暮らしてても、最低な生き方
してたから。
特に変わりない生き方を、親父の
いない場所

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結。【詩】

結。【詩】

想いを結ぶ。

人を結ぶ。

言葉を結ぶ。

気持ちを結ぶ。

わたしの理想。

未だひとつたりとも
出来てないけれど。

結びたいものがたくさんあって。
不器用で結べなくて。

結び目が緩くて
結ぶのが下手くそで
解けてしまうことばかりだけれど。

それでも結びたいんだよね。

GしてI'veして。

GしてI'veして。

平和な世界を望みながら
刺激を求めて。
長生きを望みながら
身体に悪いものを好んで
摂取していく。

矛盾だらけの私達。

不安定に安定しながら
彷徨うフリ。

今日も何処かで禁断とか云う言葉に
燃えながら傷つけ合っていたり。

今日も何処かで禁忌とか云う言葉を
持ち出して思わせ振りな物言い。

明日もきっと何処かの誰かと比較して
上がったり下がったりの心電図。

明日もそっと何処かの暗い飲み屋で

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風なんて嫌いなのに。

風なんて嫌いなのに。

春と風。

これはセットでわたしの心を掻き乱すと同時に、飛んで来る花粉でわたしの眼も掻き乱す。

幾年月過ごしたあなたは、泣きながら。
それでも去り際に笑っていた。

知っている。
辛かった事を半分持って行ってあげる。
何度の春を過ごしただろうか。
今年はひとりの春が来る。

『生きろ』と告げて、頭を鷲掴みにしてクシャッとして別れたあの時の表情が瞼の奥に未だ在る。

もうじき桜が舞う。
わたしはそ

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