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横浜美術館の作品紹介記事からインスピレーションを得て創作した精油ブレンドのレシピ

noteをながめていたら、「絵から香りを感じますか?」という問いかけが目に入ってきました。

1月19日付けの横浜美術館の記事です。

私のnoteは「香りの創作・香り × somethingの共創」がテーマです。アロマ(aromatherapy)や香りに関する記事を書いているので、noteの「今日のあなたに」には、アロマと香りの記事が毎日ずらりと表示されます。

そんな中で目を引いたのが、この記事でした。

記事を開くと、そこには優美な女性の絵。絵に描かれているように、蝶々を惹きつける甘い香りを漂わせていそうな雰囲気が感じられます。一目見て思い浮かんだのは、花と蜜の甘い香り、ジャスミンティーの繊細な香り、おしろいのパウダリーな香り。

そして、この記事を読んでハッとしたのが次の一文でした。

絵画は目でみるものですが、目にみえるもの以上のことを描き出そうとした画家にとって、楚蓮香は挑戦に値する画題だったことでしょう。

先述の横浜美術館の記事より引用

画家の挑戦は見事に成功。目にみえるもの以上のことを感じることができ、こんなふうな絵画観賞のしかたもあることを知りました。

この作品から受け取った刺激を香りで表現したくなり、精油をブレンドにしてみました。アートから着想して香りをつくる、つまりアートという目にみえるものをモデルにして、香りという目にみえないものをつくります。

楚蓮香の香り
・ジャスミン
・ネロリ
・パロサント
・マンダリン

ジャスミンとネロリを香りの中心をなす骨格としました。この絵を見て、オリエンタルなジャスミンの香りが咄嗟に思い浮かびました。

ネロリは、私の個人的な経験と結びついています。私は35年ほど前、1ヵ月ほど中国を旅したことがあるのですが、この絵を描く繊細な曲線とほのかな淡い色彩から、旅の間に見た美しい文房具や陶磁器を思い出し、あのとき中国のどこかで嗅いだことがある懐かしい匂いが脳内に広がりました。その匂いがネロリです。

しかし、その匂いは本当にネロリだったのかというと、おそらくそうではないでしょう。それでも、一連のイメージによって記憶から呼び起こされたのがネロリだったというのも、香りと記憶の不思議です。

ジャスミンとネロリには、最初はゼラニウムを合わせてみましたが、花の香り一辺倒になってしまい、「東洋の美しい女性」が薄れていく感じがしました。そこで、聖なる木として知られるパロサントで東洋の美を際立たせ、楚蓮香の中に垣間見られるあどけない表情をマンダリンで表しました。

こうして上村松園・作の楚蓮香の精油ブレンドが出来上がりました。この作品に、目にみえるもの以上のことが描かれていたからこそ、創作意欲がわき起こったのだと思います。

楚蓮香の香りを嗅ぎながら、本物の作品を目の前で見ると、また違う感じ方をするのかもしれません。いつか、実際に美術館に足を運んで見てみたいものです。



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