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アメリカで出産③出産当日

↑の続きです。今回はいよいよ出産編です。


産後の手伝いは誰?

夫の会社では、駐在中に出産する場合、妊婦が日本で里帰り出産する際の往復代か、誰か1人家族を手伝いとして呼ぶ際の往復代を出してくれる制度があり、私は実の母を呼ぶことにしました。

が、母は大昔にツアーでヨーロッパ旅行に行ったことがあるだけで、英語も当然話せず、さらにアウェーの環境が大の苦手。パスポート作りから入館での応対などサポートしたものの、37週の時にアメリカに来たその日、乾燥した空気が苦しい、辛いとなってしまい、元々1ヶ月ほど滞在予定だったのがなんと翌日に日本にとんぼ返り。(2日連続飛行機に乗る方が辛いと思ったけれど、帰りはホッとして楽だったそう。)私は母に負担をかけてしまったなと落ち込み、、、

母を送ったその日に健診に行くと、子宮口が3cmまで開いてていつでも産めるよどうする〜?と聞かれ、いや待ってください!と慌てて家を片付けたり、ごはんの作り置きをしたり出産モードに。

元々夫は入院中(1泊2日)だけ仕事を休んで、あとは普通に出社する予定でしたが、急きょ、産後1週間は在宅で仕事しながら私の介護をすることに。
今思えば育休取れよという話ですが、制度としてはあるけど、人手不足の現場で、まだコロナ禍前で、在宅ワークも一般的でなかったので、「在宅で仕事する許可」を得るので精一杯でした。
コロナ後に出産した友だちは、旦那さんが赤ちゃんをあやしながらzoom会議に出るという離れ業をやってのけてました…すごい

それから、産後1ヶ月ごろに1週間ほど来る予定だった義母に、滞在を2週間に伸ばしてもらうことにしました。

陣痛開始

子宮口が開いて慌てたものの、本当に陣痛が来たのはそれから1週間後。周りにまだー?と聞かれすぎてイライラして、もう出てきて!と言った覚えが笑

健診で散歩するといいと勧められて夕方に散歩していると、20時ごろから15分毎に規則的なお腹の張り。寝るに寝られず、リビングのソファにもたれて、陣痛カウントアプリに記録。夜中を過ぎて陣痛が5分間隔になり病院へ電話、入院することに。

病院に持っていったもの

病院にはアメニティーが揃っているし、入院も短いと聞いていたので、普通のカバン一つで行きました。

そして実際、病室に着いて着替えたら、退院までカバンに触れる暇もなかったです。

出番がなかったもの

  • 着替え→着てった服を退院時にまた着る、入院中はほぼ裸

  • 産褥ショーツ、パッド→病院でもらう

  • シャンプー→シャワー浴びれず

  • 記念撮影用のベビードレス→着せる余裕なし

出番があったもの

  • 問診票や出生証明書の下書き→入院中に出生証明の手続きをする上、綴りを間違えると後々面倒なので、書面で控えがあると安心

  • スマホ→写真撮ったり、家族に連絡したり、夫に買出し頼んだり

  • ベビーカー兼カーシート→車で赤ちゃんを連れて帰るのに必須

入院

入院は深夜2:30。時間外なので救急の入口から。人生初の車いす。シャーっとけっこうな速さで連れてかれました。夫は歩いて後から来ました。

初産なので陣痛が5分間隔になってから来てと言われてたのに、着いたら看護師さに、よくそこまで耐えられたねと言われました。話が違う…

産科のナースセンターで名前を言って病室へ。

病室に看護師さんが来て入院手続きと問診、そして無痛分娩を希望するか質問。問診は病歴をYes/Noでひたすら答えるので、病名の一覧などを持っていくと便利。私は産婦人科で初診の時に渡された、日本語・英語表記の問診票を記入して持っていきました。

あとは入院着に着替えて麻酔科の先生待ち。

麻酔

無痛分娩では、Epidural anethesia(硬膜外麻酔)を行います。
アメリカでは麻酔科医の数が多く常勤しているため、特に事前に予約を取らず、陣痛や破水が起きて入院した時、あるいは陣痛が辛くなってから頼むことができます(効くのは遅くなるけど)。なのでよく日本で議論になる、生まれる日を親が決めるのが嫌という問題は解決できます(私は計画出産でもいいと思うけれど)。アメリカでは入院日数が短く、回復に体力を取っておくというのもあり、よっぽど信念があって自然分娩を希望する人以外は無痛分娩、と看護師さんから聞きました。

5:30ごろ麻酔科の先生が来て、硬膜外麻酔。ベッドの端に座って、まず背中に局所麻酔をしてから、太い注射で麻酔(チューブを挿しとくんだったかな?)。

麻酔の効きをチェック。下腹部の皮膚の感覚がなくなるけど、子宮が張るのはわかる、足の指は動かせるのがいい状態、と言ってました。

点滴をして、尿道にカテーテルを入れると、ベッドからは一歩も動けず、水を飲むのもなし。1時間ごとに左右に寝返りを打つだけ。点滴をしている間、冷えるのか体がガチガチ震えっぱなしでした。

まだ余裕。非日常にテンション上がってる


あとは子宮口が全開になるまでひたすら待つのみ。一晩中陣痛であまり眠れなかったので8時ごろまで仮眠しました。陣痛中に仮眠できるって素晴らしい。

分娩

9時、産婦人科の先生の触診で子宮口が全開とわかり、いよいよ分娩開始。

お腹につけたセンサーでモニターに陣痛の波が表示されて、それを見て看護師さんがPush!と指示します。

看護師さんは2人来てたはずなんですが、私の両足を持ち上げてたのは看護師さん1人と夫でした。

1回の陣痛あたり3回、10秒ずついきんでと言われたものの、2回目以降は正直手応えがなくて疲れるだけなので、途中でやめてもらいました。あとタイミングも、機械に表示されるより自分で感じる方が早くて、そのズレにも困りました。

赤ちゃんの頭が見えたころ、看護師さんが、頭見たい?と聞いてきて、イエスと答えたら、キャスター付きの鏡をカラカラーっと押してきて、それで見れるよってことでした。が、眼鏡を外してたのでよく見えなかった。髪がふさふさで真っ黒の頭だったらしい。

麻酔効いてるはずなのに、会陰が裂けるのは痛かったです。途中で会陰に直接麻酔してと頼んだ、はず。陣痛がない分、会陰が1番痛く感じました。

産まれたのは10:51。分娩は約2時間。陣痛開始からは15時間くらい。安産(普通にしんどくて、安産とは、と思いました。)

産声はおとなしめで、割と短く終わるもんなんだなーと思った記憶が。

へその緒に関しては、私は一切記憶がありません。夫がはさみで切ったそうです。ぐにぐにしてたとのこと。へその緒欲しいんでしょ?後で洗って渡すねーと言われたらしい。ティッシュとか脱脂綿にくるまれただけのものを渡されたそうです。へその緒は一応今も小瓶に入れて保管してます。

胎盤を食べる話なんかをネットで見て興味を持ってたんですが、(オンラインで胎盤をサプリにしてくれるサービスも発見)、わざわざ病院に胎盤を取っておいてと頼むほどの情熱はなく、胎盤を見るタイミングすらなく破棄されました。

カンガルーケア

産まれるとまずべったべたのままの赤ちゃんを胸に直に抱きます。

入院中

お産直後

カンガルーケアのあとは赤ちゃんを洗い、身体検査。7パウンド(3180g)でした。

帽子と肌着を着せて、おくるみで巻かれてます

11:45初授乳。産まれると看護師に、母乳(breastfeeding)かミルク(formula)、どちらで育てたいか聞かれます。母乳と答えると、母乳指導の人が来ます。ミルクなら、病室に液体ミルクがあります。

あとは新生児の検査。
母子同室で、赤ちゃんの連れ去り防止のため、母子はそれぞれリストバンドをつけ、検査以外で一定距離離れるとアラームが鳴るしくみだった、はず。

小児科の先生が回診に来ます。先生を指名することができたので、友だちからおすすめされた先生に来てもらいました。

私は点滴やカテーテルを外し、シャワー浴びていいと言われたものの、全く立てない。看護師さんに両脇を抱えられてトイレに行くので精一杯。結局入院中にシャワーは浴びれず。

病院食

そして気になる病院食はこんな感じ↓
病室に食事メニューが置いてあり、電話で注文すると食堂からデリバリーされます。

夕食。ハンバーガー、トマトスープ、サラダ、フルーツ、チョコケーキ?、チョコミルク。
朝食。フレンチトースト、オムレツ、肉?、ヨーグルトとグラノーラ、紅茶?

あとは夫に和食レストランでテイクアウトしてもらったり、スタバでフラペチーノ買ってきてもらったり。

今振り返ると産後こんなの食べてたら回復遅れるに決まってると思いますが、これはこれでアメリカンで面白かったです。

赤ちゃんのお世話

入院中も基本、赤ちゃんのお世話はしてくれません。私か夫。夜、看護師さんは「それじゃお世話がんばってね〜」と言って去ってしまいます。

記録用の紙を渡され、おむつ替えや授乳の時間を書くように言われます。

24時間で8回以上、つまり3時間ごとに授乳。
breastfeeding 母乳
wet diper おしっこ、bowel movement 排便

おむつ替えは夫が看護師さんから教わり、入院中ずっとやってました。

母乳と希望したものの、夜は私が瀕死すぎて、夫が寝かせたいからミルクにしたいと頼み、病院から液体ミルクをもらったそう(結局飲まなかったらしい)。

出生証明

お産翌日、市の担当者が来て、口頭で伝えてその場で書類を作ります。母親学級の時にもらった手続き書類に下書きしておいて、それを見ながら行いました。出生証明書は2週間後からオンラインで注文できるそう。 

記念写真

病院内にカメラマンがいて、記念撮影を頼めるサービスがあると聞いていて、撮影用のベビードレスを持っていったものの、夫婦で疲れ果てていて、スタジオの営業時間内に予約する余裕もなく、、、。

退院

お産翌日のお昼頃、出産からわずか24時間で赤ちゃんの検査が一通り終わり、もう退院していいよーとのこと。といっても追い出されるわけではなく、実際に病院を出たのは15時ごろ。

退院の時にもらったもの

  • Discharge Paper ? 退院証明書(私と娘2人分)

  • 請求書

  • 処方箋(会陰用の痛み止め、鉄剤)

  • 新生児のお世話ガイド

  • Newborn Identification(赤ちゃんの身長、体重、出生日時、足形など)

  • 余った産褥パッド

  • 会陰用の麻酔スプレー

  • 会陰洗浄用のプラスチックボトル(マヨネーズ入れるボトルみたいな。お湯を入れて押す、簡易ビデ)

私は車まで歩くのもしんどかったですが、病院ではゆっくり寝られなかったので早く家に帰れたのはよかったです。ベビーカーに娘を乗せるのもおそるおそる、夫は車を運転するのもおそるおそる笑

車に乗せる直前。うちはDoonaのチャイルドシート兼用のベビーカーを購入

新生児健診

そしてなんと、退院の翌日に、新生児の生後2日健診で小児科へ出向かなければいけないのです。日本なら1週間の入院中に終わることなのに…

身長、体重を測り、授乳やおむつ替えの状況を報告して終了。

今回はこの辺で。産後のことはまた次回。

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