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母のそばで♡体の病は海へ行け!篇
95歳の母は元気だ。
肺ガンの末期で訪問診療と訪問看護を受けている人に見えない。
元気なのは見かけだけとわかってはいるが。
不思議だ。良い意味で。
病気に負けない強い体と心を持っているのか?
妹がポツンと言った。
「毎日、海を見ているからじゃないかな?」
母の日課
![](https://assets.st-note.com/img/1717768919717-jW65saFZo7.png)
私の家で療養するようになって、4か月。
毎日、家から海を見ている。
母の家からも少し歩けば海が見える。
しかし当然ながら風景や趣は異なる。
私の家から見える風景が気に入って、飽きずに眺める毎日。
夜中にトイレに起きた時は、漁船の灯りがキレイと言う。
夜が明けて洗面に向かう時もしばらく海を眺めている。
昼は昼で「今日の波は少し立っている」とか
「波が全くなくて鏡みたい」とか観察している。
夕陽の頃はため息つきながら「キレイねぇ!!」とつぶやく。
太陽の光の道が海面にチラチラと見える時などは
「あの道を歩いて行きたい」なんて独り言。
酸素濃縮器から酸素を吸っているけど、それ以外は全く普通に見える。
血液検査
![](https://assets.st-note.com/img/1717769013519-N6HdJljMGP.png)
訪問診療で何度目かの血液検査。
結果を見せてもらう。もちろん母の見えない所で。
前回も驚いたけど、今回もビックリだ!!
腫瘍マーカーがすごく増えている。
ハッキリ言って母は今、病人に見えない。
なのにこの数値は何だ?
先生は「家族のサポートのおかげ」と言う。
確かにそういう面もあるだろうけど、不思議でならない。
持って生まれた何かがあるのだろうか?
母は小学校に入学してから片道4キロの道のりを通学したという。
しかもその時代は運動靴がなく、父親が作った下駄で歩いた。
女の子だから可愛い柄の鼻緒を付けてくれたそうだ。
すごい山の上の家で、上り下りが激しい道。
数年前に久しぶりに訪れてみたが、車道でさえ恐ろしいほどの急こう配の所がある。
きょうだい達と歩いて登下校したことを想像してみる。
ここで基礎体力がついたのだろうか?
それが今の母の身体を支えているのかもしれない。
とにかく、母が見かけだけでも元気ならそれで良いか。
確かに「ここ(私の家)に居ると安心」と言っている。
「安心」するとこんなに元気でいられるものなんだろうか?
「安心」とは安らかな心、と書く。確かにね。
では安心できない環境にいると、寿命が縮むのだろうか。
考えたこともなかったけど、そうかもしれないーーー。
身体の病は海へ行け、心の病は山へ行け
![](https://assets.st-note.com/img/1717769125791-eyyDKNbnuj.png)
母は昔から
「身体の病は海へ行け、心の病は山へ行けって言うんだよ」
と教えてくれた。
ふーん、海や山などの自然は人間に良いのだろうな、そんな程度に聞いていた。
母の病気が進んでいるのに元気に見えるのは
妹が言うように
毎日、海を見ているからということもあるかもしれない。
初めて「身体の病は海へ行け、心の病は山に行け」を検索してみた。
「ことわざ」として巷に伝わっているようだ。
今しみじみとことわざの重さと意味をかみしめている。
私の家の後ろは山だ。
玄関に出ると山からの何とも言えない香りが漂ってくる。
深呼吸すると森林浴をしているようだ。
深く考えていなかったけど、これまでもイラっとする時は外に出ていた。
深呼吸して、夜なら月を眺めて、宇宙のことを少し考える。
すると、モヤモヤが晴れる。
心の病を、病になる前に癒してもらっていたのだろう。
よく考えると、良い環境だ。私にとっても母にとっても。
「身体の病は海へ行け、心の病は山へ行け!」
この言葉は真実かもしれない。
花畑をつくる
![](https://assets.st-note.com/img/1717769266260-GUBqZeDIJc.png)
毎日母が海を眺めているので、視界に入る場所を花畑にしようと思った。
草ぼうぼうだった土地を夫が耕運機で耕し、半円形に畝をたてて、さまざまな花の苗を植えてみた。
中心にゼラニウム。半円形にサルビアを40本。中心から右はブルー、左はレッド。
それにマリーゴールドも。
次の畝にはカランコエ赤、黄、白3種類。芝桜、ポーチュラカを。
次の畝にはミニヒマワリの種を植えた。
大きく育って賑やかになると楽しいな。
丈の短いコスモスも植えてみよう。
松葉ボタンを頂いたので、これも増やしてみよう。
今回は苗を買って植えたが、種から苗を育てたら経済的にも良い。
さらに、花が終わって種を取れたらスゴイ。
花畑の向こうに夕陽が沈む光景を想像するとワクワクするな♡
母を喜ばせようと思って始めたが、自分が楽しんでいる。
ターシャ・テューダーに憬れる私に夫が言う。
「〇〇ガーデン、と名付けたら?」。
〇〇に何と入れるか、思案中。
決まったら可愛い看板を立ててみようか?
そうなれば、パラソルを広げて椅子を置いてお茶したい。
そこで母を囲んでみんなでゆっくり過ごすのもステキだ。
夢は勝手に膨らんでいく。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
![](https://assets.st-note.com/img/1717769329564-aiKPJndjN8.png)
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