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東京創元社のホンまつり(「創元 夏のホンまつり2024」)に行ってきた


動機


概要

直近、去年のトラウマ事にもなる線状降水帯が発生するものの、(前年通り)1、2日で終わるもので、雨上がりの中、無事開催できた。感謝。

事前準備の部類で、先の線状降水帯豪雨から間に合わなかった残念な例もあったらしいけど、開催自体は影響なし。

今回は70周年記念という事情も重なり、これを同イベントで併せて開催出来る好機と、意気込みを評価出来るものであった。

前身・母体にして、分割元「創元社」に遡れば1925年(無料小冊子)ながら、その一支店から「東京創元社」独立としては1954年になり、結果的に「70周年」記念らしい。紛らわしい、実にミステリー的な理屈付けだ。

「創立」というより「独立」記念日かな。イギリスとアメリカみたいな仲で。

ドイル×クリスティ、クラーク×アシモフ。丁度イギリス×アメリカ仲だな。

出版社見学

例によって本命ホンまつり開場12時前(待ち)暇潰しついでと。

光文社に行ってみた

前回は、雨の中、後の線状降水帯豪雨前触れの小雨の中、傘差してまで列を成していたが、今回は、その線状降水帯豪雨晴れ後にも関わらず空いていた。

硬さと柔らかさのアクセント。

もう、前、向かい側から不気味に浮きまくった黒い建物がニュッと顔を覗かせて、いや、普通に「光文社」看板が目視確認出来る、と言うのが正確か。

一番上は、例のカッパマーク。元々、新書な学術志向よりも小説志向のようだ。

初めて見たときには柱と思っていた覆いは、非常階段/エレベーターかな。

流石に歩道前だけど他所と違いギリギリまで前に張り出しているようだ。

基礎支柱(?)の円柱(もうおかしい)は、円柱それだけかと思ったら、区画分けして剥がせる(保守事情?)タイル張りになっていた。だから何故剥き出し基礎支柱(?)にそこまで拘れるのかと。

2024年7月5日、光文社

『小説宝石』が『FLASH』隣り相方にもなる蜜月位置から大きく後退。3誌に左端に追い込まれ詰み瀕死状態(何故か雑誌の途中に紛れ込んでいる)。流石に文字通り「窓際」瀕死ではないだろうな。

小説では、懐かしき『ワトソン力』(「にわか」愛嬌としてながらも、まさかのホームズ兼任だったとは!)に、女子視点に開き直った「総務クリニック課」シリーズの文庫。

新書の生産量が悪いが、量より質として、しょうがないかな。如何に「知らんがな」を書けて一人前の小説と違って。

上部だけでなく上左右三点に開けている。ビーム砲か何かの砲口みたい。

意外に中は明るく、応接用のスペースになっていたようだ。記憶はあてにならんね。

『リカバリー・カバヒコ』の事情もあり入ってみた。まさかの黒ダイヤ側だった。

中に入ると、受付の他、奥に複数の丸テーブル・椅子、本棚があった。

受付では用紙を渡され、目的を申請する仕組みになっていた。流石に同業者営業志向からか「企業」関連の欄があり「(末端)一般」を断るものの、流石に一応の対応には真摯に応じてくれるものであった。やはりそこは「会社」フロント背負った受付と、現場編集部の気風差異のようだ。

『リカバリー・カバヒコ』の像がなかったので受付で尋ねた所、撤去済だそうだ。一過の強化期間程度だったのだろうか。わざわざ等身大グッズを作ってまで。

奥のコーナーを見てみたいと言うと、(広いだけの仕切られていない空間もあり)立ち入る事が出来た。本棚は、光文社自社本ながら文庫本コーナーで、待ち時間の読書コーナーのような趣になっているようだった。

視聴コーナー(?)のようなディスプレイ・ビデオデッキセットも確認出来た。確かその作品だったかな、『リカバリー・カバヒコ』のコーナーがあり、受付会社マスコットから、片隅で行儀良くしている様に追いやられていた格好になっていた。

軽く一礼して撤収。

光文社帰り道、講談社側へ渡り、振り返る

こうみると、前に飛び出しているのがよく分かる。

10階か。階層からして、あの最上階、不自然な大きさの塔屋にして、三角ゾーンかな。機密エリアかな、と思ったら、やはり「外界の光を遮る空間」である事は間違いないようだ。映画館みたいだな。

2ヶ所程で見掛けた礎石によると昭和60年(1985年)の建築物らしい。築30余年(いや、40年の、前か)、とは思えぬ堅剛にして芸術品ぶり。

「沿革」では1996年の完成となっている。以前の建物の解体後に建っている? どちらかが間違っている? まさかとは思うが。

講談社 光文社

2階分ぶち抜き1階、窓1枚分が1階として、7階(計8、9階)。多分、そうなのだろう。いや、密室殺人ミステリーでは、お馴染みの見取り図からが三角エリアだったから、最早確定とすべきだろうか。

講談社に行ってみた

意外に新しいブランドなのだな、新書は。

旧本館と新館に挟まれるようにして存在する、緑が覆う、物故した創業者のコレクター品美術館や御所のような静かな佇まいの謎の建物。

どこかの暴力団事務所と非常によく似たタイル張り円柱ならびに通気口穴(?)を発見。こちらは何か旧本館相当の微妙ぶりに加え、申し訳程度の粗さが見え、一方、と、暴力団事務所を振り返ると「あ、私(講談社)共の指示です」と、暴力団事務所は本建物に対し「お客様」への献上品と知れ、改めて、その大工/建築家本人が「賄い」に建てて「お客様」へ気遣っている(身を削った試作品?)印象。

2024年7月5日、講談社

展示コーナーでは、社員が展示本の差し替えを行う、レアシーンに遭遇した。水族館で魚が群れている中を掃除している飼育員を見ているような妙な気分だった。ガラス超し・後ろ向きなので聞けなかったのが残念だが仕方ない。

相変わらずのキッチリエリア分けポリシーもさることながら両翼の漫画×週刊誌にセンター活字。資金繰りの漫画×週刊誌、本命活字適材適所なのが良く分かる。

新館では、やはり手前、正面、向かって左側に、何やら階段/エレベーターのような不自然な出っ張りが。そして凄まじく簡素な入口。

やはり光文社は講談社の「二次団体」のようだ。

講談社

歴史的建築物と、無骨な生産工場と、そして、といった意向。新館最上階でなく、あの真ん中の「御所」が本体なら手強いね。

ここで「俺、勝ち組w」に、はしゃいだ方が「死亡フラグ」判定なら本物だね。仮に「そういう方」待遇でも、最低でもちょっとした試験場所では、ありそうだ。

地図は「御所」を指し、そして同企業ページでの採用(信用)だが、さて。

帰り道

腹ごなしのネタも消化出来て来たので今回は泣く泣く断念し続けてきたロッテリアで。

「絶品ビーフバーガー」が、パティ以上ハンバーグ以下の微妙ながらも、何とかハンバーグ志向を追求したい拘りぶりが評価出来るもので美味かった。


全ては取材の為。絵の具ベタ落としを、プロット描くようにサラサラと広げていき、肉付け、こんな感じで書いています、これがずっと続いていたら、平日を仕事時間に割り当てる事ができていたのなら、位を真性「口先だけ」勢力への牽制球には、なれた、でしょう。恐らく。

今日も、そんな内訳など一切お構いなし、目で見たものしか信じない、悪評でこそ、それでも周囲評を拾うチンピラ共から「でぃす」られる「日常」です。

東京創元社ホンまつりに行ってみた

道順は、飯田橋駅で最適な出口がどれか以外は、後は順々に進むだけ、と熟知していたので特に頼る事もなく。

PCR施設は、流石に5類分類影響で撤去されたのか確認出来なかった。

開場前


「ドトールが入るみずほ看板のビル」

1時間前に到着。

「打ち水」と水撒くも、来場待ち時間数10分程で乾き、2度目事に。
水撒きの際、注意を呼び掛ける社員に来場者一同がクスりと笑む珍事も

詰めて10人程が×3。最終的には開場前に埋まり、テント外が1、2名程いた。

私のとっては、くらり以上に、イベント名物の開場待ち来場者への特典巨大扇風機くん。律儀に並んでいるだけでは流石にリアル殺人犯への脅威には代えられなかったからか、社員が「水分補給時間」と、肩の並べ合いほぐしと、あえて呼び掛ける一幕も。

開場後

前々回同様、今回は真夏日和となっただけに前倒し。軽く巡回して撮影許可を頂く。

早速事前情報で周知していた同人誌『賄』を手に取る。

予告通り、サンプル見本誌も置いていたが、私自身は事前予告で公開していた数ページ公開分で十分だった。同様に、確認分ながらも、売れ行きに比して誰も読んでいる様子はなかった。その売れている実情を察したのか、案内係のお姉さまが臨機応変と度々「1冊/点限り」と声を張り上げていた。

完売、おめでとうございます。たまたま偶然一致だったのか、あっさり「本人」購入度量・オチにビビったのか、流石に「完売御礼」当てつけ悪ノリは、なし、の模様。「ゴチ」の一言です。

他には、文庫ポーチ(「『紙魚の手帖』ケース」じゃないのかよ)や、遅れ到着の今村『明智恭介』グッズ、まさかの『紙魚の手帖』一括定期購読権など。


左:北村薫『空飛ぶ馬』
右:坂木司 色々

北村薫『空飛ぶ馬』特装本は、何故か全在庫文庫本コーナーに。早々とバーゲンセール? いや、クリスティフェアに場所譲ったのですよね。失礼。

坂木作品は、前回は何故か『何が困るかって』が前に押し(推し)出されていたが、何故か今回は共々引っ込んでいた。匙投げでしたかな。

しかし、帯が飛び出す辺り、かの暴力団事務所にそっくりだな。やはり『和菓子のアン』か、という方が、さてどれだけいるやら。

両者共に、今回も後進に(略)。

「候補者」達のアピール合戦だった壁も、自社イベント直接の企画としてのクリスティポスターが優先したのか、今回は、公正も、何も関係ない、なかったことに。

上記通り、同クリスティ企画は、会場でクイズに答える企画もあり、その場で採点・合否判定される無慈悲さだった。もちろん私自身は、そもそもを全冊購読なクリスティフリークじゃないのでパス。

自社7月直近事である『小市民』アニメ化開始報は、7月開始にも関わらず70周年記念フェアが優先してか、何故か一角で販促ご愛敬止まり。

経営的には、多分に、それでも潤沢が未来が約束され、記念イベント内で紹介の作品群でこそ、尚、足りない釣り合い具合のパワーバランスだからこそなのだろうけど。

時に白になる(まさかのサビ一級厚遇)辺りが、ああ、原作小説ありきなのだな、と「評価」出来る作りでした。

『銀英伝』あった。

しかし、本棚どころか書店の小道具まで。どなたか元・書店員の方が、いたのだろうか。あるいは営業が自然と身に着けた経験だろうか。気付くのが遅い。

何故か方角上は出口に相当する左前に大人しく佇んでいた巨大くらり

開場待ちからずっと不動だった巨大くらり(「メガくらり」と呼ぶらしい)。今回は見忘れる事はなかった。

盾のように掲げたSF志向な謎のクッション(?)が、とてもブラックな装い。万引き防止?

センセイ忖度の本棚コーナーだった(?)棚は、何らかの形での個別推しコーナーに。

70周年記念企画の一、漫画家カバー本は、既読の『緑』『詩人探偵』に始まり、世代ずれでピンとこなかった漫画家陣に本命作品で見送り。

ところで、かの坂木特集、何だったのかなぁ。あっという間の、なかった事とばかりの、最低でも北村以下、内一作家追いやられ様だけど。

クリスティ自身は 1890 - 1986 なので、70周年記念同期同士ご縁に肖ったものでなく、あくまで、この度の70周年記念に相応しい目玉作家企画程度でしかなかったようだ。

そして、アンソニー・ホロヴィッツから、近藤史恵まで、オススメ作品らしい数年前作品集。

特に目を惹いたのは映像化(実写ドラマ化)までした近藤の「ビストロ・パ・マル」シリーズ作『タルト・タタンの夢』。余程、原作小説還元リターンとしては悪く、資金回収の切迫か、まだ足りない強欲ぶりか。

主人公「三舟忍」は、もちろん「ビストロ・パ・マル」まで、原作そのまままだが、何か問題でもあったのだろうか。まさか、これだけ再現の中で、あくまで、原作小説の濁し曖昧さにも責任はある「タイトル」などという事は、ないよな。


増版、おめでとうございます。

数ヶ月前に「増版」というネタにして伏線があったとはいえ、タイミングよく何故か東京創元社としては『「市立高校」シリーズ』似鳥本人を引き連れた営業活動報告。終盤の『花とゆめ』コミックス(?)に火をつける(もちろん放火魔犯人サイド凶行として)辺りしか、あまり覚えていないな(犯人のショボさも)。

ネタに困っているなら、こんな「花とゆめ」は、いかがでしょうか。

本当、「反」社風・方針じゃなくて、同業他社でこそ標的「潰し」実行犯過激派なのだろうな。内輪で罵り合ってていてくれ。迷惑だ。読者は八つ当たりの為の掃き溜めではない。

SF潰しの首魁/実行犯希望が、それを内一つの専属で飯食っている張本人と、どうやって通ったのか、と啞然とするばかりだった。「書店側の好意で、判断する立場になかった」辺りでしょうか。


ダメもとで試したガチャで一発当選。カプセルは回収するらしく、その場で開けて、中身を取り出され、包装すらなしの剝き出し品。例によって一時行方不明になる(だから共にカプセルも欲しかったのに)も、無事発見。

やはり私は、こちらかな、『ホームズ』。クリスティは『アクロイド殺し』『オリエント急行の殺人』『そして誰もいなくなった』『カーテン』位しか出てこないし、タイトルと、軽い概略だけで、あまり思い出せない。エラリーなどは、とっくに忘れたというより、見返すのも嫌だけど「ドルリー・レーン」とパッとワードが出てくるし、シェイクスピア俳優、とその経歴も出てくる。先に述べたが、見返すのも嫌だ、という作品全体の先入観/思い出も逆に覚えていて蘇ってくる。「読者への挑戦状」などという強烈なメリハリもある。しかし、何故かクリスティ作品は、何かパッとしない印象。トリック至上の新本格とは相性が良い、いや、新本格の元祖でこそある、と、業界そのものに与えた影響力・功績は分かるけど。。

今回も例によって自社社員演出の「販売員」様に「日常の謎」作品に相当する作品を質問した所、北村、坂木、大崎、近藤といった同ジャンル先人はさておき「販売員」様として是非薦めたい作品は、と、あえてレア処を押させた事情もあってか、今回は何故か速攻でミステリーに詳しい同僚へ応援要請され(北村薫が良くて何故?)クリスティ他イベント案内をしていた、例の大柄のお姉さまの方が、同じく担当する事になった。改めて「日常の謎」作品を聞いてみたところ円居晩の作品を挙げられた。もう一つは七河迦南の「アルバトロス」含む2作のシリーズ作だったが、既読の上に「確か(不思議ちゃんが)飛び降り自殺(の肯定)する話じゃなかったっけ?」と突いてみると、取り下げ、円居一作に訂正していた。今回は二つとも既読だったが、有り難く再読・再考の機会とした。

レジでは、お楽しみ袋の値札を喪失し――落とした際に外れたかな――対応に追われる混乱も起きたものの、無事確認が取れ、レジ清算。撤収。

暑くて、ダルくて、特別用事もなかったので、今回は軽く。
教文館の3階以降キリスト教コーナーで『フィディルマ』置いていた程度は視察してきたけどさ。

帰り

今回は、帰りでこその遅延トラブルもなく無事帰宅。車内で時間潰しと何冊か購読する。まずは『賄』。

互いが担当を担う辺りから、しっかり「薄い本」を死守する辺りに意気込みを感じた。

編集長「猫原」さんは、坂木担当編集の内一人にして、今や『神魚の手帖』編集長の神原様で、ほぼほぼ確定かな。何か一番上っぽい、偉そうな長身・サンダル履きの禿のオッサンを見掛け、威容に似合わず水撒きしたり、カウンター後ろで、やはり相当立場者な佇まい控えていたが、やはりこの方だったのだろうか。違うよな。

「営業F」さんは、前回2023年度「ホンまつり」での、ちょっとした金銭トラブル(商品の値段、これによる合計額に手違いがあり、差額分問題にならないか→会社側不手際として了承)で応対してくれた営業様かな。とても印象的な名字で、さぞ小学校時代はイジられてきたのだろうな、と心中お察しするばかりの、忘れようにも忘れられない方でした。

今回は完全戦利品ブツの前提だったので、財布の肥やしと果てる事はなく、無事持ち帰れた。

さて『賄』。中身は、メインが、そもそもがトークの書き起こしで、生い立ちから、少女漫画まで趣向まで探ったもの。「全方位(ただし"何もなし"ではない)が欲しい」といった、まっさら新鋭ではなく、むしろその道のエキスパート起用にして、真性素人判断ではなく、あくまで業界人としての「まっさら素人判断」が欲しかった内訳が知れたのは印象的だった。

ところで表紙の赤色は、何か意味があったのだろうか。個人的には、白黒縞模様の、黄アクセントでお願いしたかった所。三色は印刷関係で厳しいのか。いや「カラー」で同じ筈だが。

帰宅後

帰宅後、開封していく。

「お仕事小説」お楽しみ袋。単行本かと思ったが文庫本サイズだった。

「ベルリン」厚顔無恥に「ラブドール」に、新規当たり。1/3。お楽しみ袋だし「こんなモン」かな。

一式ほぼ全品と

1点漏れがあったけど、まぁ、いいや。ほぼ全部だし。

一番のレア品は、何気に黄緑お楽しみ袋バッグ。

色・柄変えた使い回し? その意味でもおトクだったかなぁ。


見切れや個別の写りが(あえて)悪いので、何点か。

『大博打』以来の思い入れある作家様。是非と抑えていたデビュー作を、在庫文庫コーナーで偶然見掛けて衝動買い。

坂木義理。同じく衝動買い。

クルクル風見が(上記通り直接のイベントを上げた忖度もあり)お世話になっております。よろしくお願いします。

日常の謎。

表紙絵で、見た絵柄だな、と。

江口寿史みたい。そんな東京創元的SF/ミステリー事情も、表紙絵選考理由だったのだろうか。調べてみたら単行本版(あったのか)の表紙絵らしい。

本棚コーナー一冊として。

夜目遠目笠の内、傘見返り美人は、最低でも江戸時代からの日本の伝統です。


※クリアファイル絵柄です

日常の謎。

エロティシズム溢れる中を、五十円の菊を両脇に添える辺りが、何とも妖しい背徳感。

文庫本版は、女学生を押し出した健全方向への修正が入ったようだ。惜しい。「わたし(by北村薫)」文系BBA共や若竹本人から「不健全」クレームでも入ったのだろうか。もう二大レジェンドには、出版社一次内でこそ、両者の手に余る(時代遅れ)事態と算出されていた画期的参考資料だ。


今や通販品か。イベントでは希少な通例イベントクリアファイル勢だったが、何を本品があの70周年記念兼用の中で売っていたという事だったのだろうか。


『地雷グリコ』の直木賞ノミネート、おめでとうございます。

ズブズブの新本格志向なミステリー業界お約束事(の中の「日常」馴れ合い?)は、芥川賞に比べればエンタメ志向ながらも、やはり文芸総合な権威筋への理解には至らなかったようでした。が、ミステリー作品が文芸賞にノミネートされたのは、それこそ北村薫に倣う快挙であり、個人的には朗報でありました。お疲れ様でした。

傘の女生徒は、作品としてはシンボル程度でしかなく、犠牲者でも、犯人でもなかったのは残念だったが、理屈事、読者への挑戦、「紹介」、と、クイーンリスペクトながら、より現代趣向で行こう、な、先進的改革意欲が見とれ、先進的表紙絵は、それこそ作品中身を示唆している出来だった(それだけに、改めて文庫版での「女生徒」修正は残念だった)。

シリーズ読んでみようと思わせる出来だった。クイーンと言えば、それこそ北村薫の中、無理にでも「五〇円」で進んでしまった因果であり、皮肉な話だ。

引きこもり、リアカー、羊羹箱、と、坂木ネタ(?)も入っていて、坂木読者としても面白かった。それだけに和菓子の方は容器にもなる「スウィーツ一つ無き、一切を遮断した逃げ腰は残念だった。米澤でもタルトだったけどな。


出典参考資料/無料記念品として。「同人誌」は、こちらでは? 本命記念誌は、こちらだからか。

書店にも並んでいたが、さて。広く一般配布品だったか。

――の、ようだ。

陸秋槎は、東京創元社直接でもある米澤としてながら、まさかの「日常の謎」論。いや、まさか、ね。


よく書店に置いてある、穴開けて、ヒモ通して、文庫コーナー(出版社毎)で、ぶら下がっているやつ『解説目録』。タダで手に入るなら、と。


底比較
バッグ底の幅が文庫幅以下

お楽しみ袋サイズ比較。寝かせでは文庫ですら入れる前から分かっている許容量オーバーを、押し込んで余分に膨らませての収納だったようだ。

単行本は、5冊程度。文庫は、ギュウギュウ20冊何とか入る(押し込める)程度。現に買い物バッグ兼用の持ち帰りでいたが、早々に断念の事態となった。

あくまで用途通りなお楽しみバッグ一時凌ぎ程度の割り切りが必要のようだ。

手元の文庫本サンプルを何冊か放り込んでみる。

15冊が御の字かな。流石に20冊は詰め込んで即時の判別が厳しそうな惨状になりそうだ。


ポスター用テープ? 何気に激レア品。何の貼付に使えというのか。


『百万の手』と比較

これまでも周囲「カバー」として貢献してくれたブックカバー(?)。カバー実用品としては上下が数ミリ程足りておらず三方に折り込み補強出来ず、横も最低限の表紙折り込み引っ掛けすら厳しい出来。元々がカバーでこそない、巻きつけるだけの包装紙程度だったという事だろうか。

周囲「カバー」の方が、図らずも宣伝バックボードな最適解一な皮肉となっていた。

完売、おめでとうございます。たまたま偶然一致だったのか、あっさり「本人」購入度量・オチにビビったのか、流石に「完売御礼」当てつけ悪ノリは、なし、の模様。「ゴチ」の一言です。

早々の売り切れ! コンサートチケットかい。消費税が入って「1,100」表記に。どうか転売屋や、相当の買い占め妨害工作でないように。

おめでとうございます。寄り道は、するものでしたね。まさかでした。

こんな、そこは一出版社社員達の「日常」な「賄い」で、根底で相容れない方は、結局相容れる事無き「日常」品なのに、むしろ違いを知る、社会見学な、あくまで「出版社社員達の日常」読み物ですらある品なのに、よかったのかなぁ。くれぐれも「何かある」「自分達の"日常"が、ここにある」などといった下心な期待で手にしてもらいたくないものだ。

現に締めの「賄い」ネタは、やはりそこは出版社文系的認識な「賄い」お題披露大喜利な説法もので、従業員に先行お試しを兼ねた原材料ぶつ切りドッサリ提供を、識者通達な当方との認識とは明確な異するものだった。

やはり、そこは感性バカには、なれなかった、「日常」を気取らずにはいられなかった、という事でしたでしょうか。読者への「賄い」本としてではなく、「賄」という名の(準商業)作品をお客様に提供する姿勢が評されたという事だろうか。はたまた、だから「賄い」自己満足成功という事だろうか。さて。


あとがき

流石にこれは不可避だったかな。しょうがないか。

今回は「何故か」尽くし。SF/ミステリー畑としては、五感を刺激される連続で、自身としては歓迎だったけど。

「ホンまつり」イベントレポートとしては、東京創元社社員側としても70周年記念として、特に生き込んでいた、この辺りになるのかな。事後もあるし、もう少し「延長」か、な。

気が付いたら渡されていたポスター
ファンタジーも、ロジックも、全て――