私の終わり
焼けていく
夜の色をした鋼の蓋が
焼けていく
ヒート・グラデーションの果てに朝が来る
焦げていく
斑に絡んだ白くて青い天蓋が
焦げていく
炭化して澱んだ夜になる
私は想う
星も月もいない夜の終わりに
青空も碌に見えない昼の終わりに
いつか来る、終わりを想う
命はいつか尽きるものとして
私の限りもそこにあるのか
命の後に尽きるものはないとして
私はどこまで付いて行けるか
いつか、来るのだろうか
花に和まない日が
鳥に憧れない日が
風に癒されない日が
月に見惚れない日が
いつか、なってしまうのだろうか
焼けても明けない夜のような
焦げても続く昼間のような
詩すらも謳えない
不自然な命の入れ物に
夜は旭日と共に終わる
昼は落日と共に終わる
その様を美しいと思うから
詩人の終わりも、命と共に
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