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カフェインレスコーヒーとは?

前回の記事で、カフェインについてお伝えしました。
詳細については、以下記事をご覧ください!

今回フォーカスするのは「カフェインレスコーヒー」についてです。

カフェインレスコーヒーの歴史や作り方について、お話していきます!


カフェインレスコーヒーの歴史

ここからはカフェインレスコーヒーの歴史について、触れていきます!

「カフェイン害悪説」がきっかけ

「カフェイン害悪説」が19世紀に巻き起こりました。

これは、C・W・ポストという人物が、代用コーヒーを流行させるために「カフェインは神経症の原因」といった激しいネガティブキャンペーンを敢行。これによりポスト氏は一代で莫大な財産を築き上げました。

では、なぜ代用コーヒーが流行したのでしょうか?

その理由は、18世紀後半にフリードリヒ2世が、増加していたコーヒー消費による国庫流出を防ぐためにコーヒー禁止令を公布したことが始まりと言われています。

その後もナポレオンによる、イギリスの経済封鎖を目論んだ大陸間封鎖令に伴う、ヨーロッパ全土のコーヒー不足に陥ったことも背景にあります。

コーヒーが飲めないのなら、代用コーヒーを探そう!という当時の愛好家たちの思いによって、代用コーヒーが始まったと言えます。

「カフェインレスコーヒー」は偶然の産物!?

カフェインレスコーヒーの発見は、輸送中による事故で生豆が海水に浸ってしまったことがきっかけと言われています。

当時のドイツコーヒー商、ルードビッヒ・ロゼリウス氏が、海水に浸ってしまった生豆を捨てることがもったいないということで、試しに焙煎したところ、香りはそれほど抜けずにカフェインが抜けていたことを発見しました。

カフェインレスコーヒーの製造方法

ここからは、実際にカフェインレスコーヒーがどうやって製造されてきたのかをご紹介していきます!

海水とベンゼンによる洗い出し

1903年に、ロゼリウス氏が発見した製法です。

生豆を塩水に浸した後、ベンゼンで数回洗うことでカフェインを取り除く製法。

ベンゼンとは?
芳香族炭化水素であり、石油に含まれている。
ベンゼンは発がん性が高く、有毒とされている。

ケミカルプロセス、直接法

ベンゼンが有毒なこともあり、人体に影響が出るのでは?という議論が起こりました。

それを解決するために、沸点が低い有機溶媒を用いてカフェインを除去後、加熱させて完全に溶媒を飛ばす製法が画一されました。
それが、ケミカルプロセス、直接法と呼ばれています。

水抽出法

ケミカルプロセス製法でも、まだ人体に害があるのではないか?という議論が起こり、考案されたものが水抽出法です。1933年にスイスで発見されました。

しかし、この製法ではカフェイン以外の成分損失が大きく、香りが損なわれてしまうといった欠点があります。

スイスウォータープロセス、間接式

香りを生かすために考案された製法が、スイスウォータープロセス製法です。

ジクロロメタンを用いて、カフェインを選択抽出する方法です。
1980年代からアメリカで「より安全な脱カフェイン法」として普及しました。

循環式脱カフェイン法

現代では、水抽出法を繰り返して、カフェイン以外の成分が飽和した水を用いて抽出する循環式脱カフェイン法も考案されています。

超臨界二酸化炭素式脱カフェイン法

1978年にネスレ社が開発した製法が、超臨界二酸化炭素式脱カフェイン法です。

超臨界流体の炭酸ガスで生豆を処理すると、カフェインを効率よく除去できます。

この超臨界流体は常温常圧に戻すことで気体になるため、残留毒性や廃液処理の課題が解決され、最も安全な製法と言われています。
※設備投資が必要のため、大手コーヒー会社などで採用。

超臨界流体とは?
気体に一定以上の温度と圧力を与え続けることにより、期待の拡散性と液体の溶解性を併せ持った状態。

まとめ

小難しい言葉が並んでしまい、読みづらい文章になってしまいましたが、カフェインレスコーヒーの製造方法には多くの歴史が詰まっています。

歴史を追うと共に、より安全かつ美味しく飲めるように改良されてきたということですね。

まだまだカフェインレスコーヒーの進化は続けられており、新しい製法の画一が期待されています!

また、コーヒーノキの栽培段階からカフェインの含有量を減らす、遺伝子組み換え方法も試されており、ますます目が離せないカフェインレスコーヒーです!


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