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『銀座の恋の物語』(主演:石原裕次郎 1962年3月4日公開)個人の感想です


『銀座の恋の物語』

泣けます、裕次郎の一途な愛、男の友情、必見の映画ですね。
バブル世代より前の人は、このタイトルは少なからずとも聞いたことがあるはず、会社のオヤジに二次会でスナックに付き合わされてオヤジがカラオケで歌っている(カラオケボックスはまだない)のを聞いたことがあるか、女性であれば、もしかしたら、デュエットを強要された嫌な思い出があるかもしれない、けど、実際に映画を見たのは昭和一桁世代か焼け跡世代の人たちだろう。

『銀座の恋の物語』という響きは実にいいし、これを見たその当時の現役世代の人達は、男性も女性も憧れたに違いない。タイトルと内容にギャップなし、お色気ほぼなし、やくざなし、多少の暴力はあるものの、正当防衛の範囲でしょう。裕次郎の映画にしては裕次郎がいい人すぎです。

スタートから恋物語ですから、どこかで、一波乱ないと面白味がないわけですけど、まずは、主人公の紹介から、裕次郎はお金のない画家、浅丘ルリ子は、その近くの洋裁店で働く工員という設定です。ふたりは、ほほえましい恋人同士で、仲が良いのですが、浅丘ルリ子がプロポーズしない裕次郎に「私のことをどう思っているの」と迫ります。裕次郎は、現代美術社という会社に誘われながらも、ひとりで画家をめざしたいといいます。つまり、結婚はまだ考えていないと暗に言ったのです。浅丘ルリ子は、それを聞いて「さようなら」と言って帰っていきます。

ですが、お互い考え直して、裕次郎は、現代美術社に入り、会社員となり、結婚を申し込みます。そして、実家の長野に浅丘ルリ子を誘うのです。しかし、ここからが波乱の始まりで、新宿駅の待ち合わせに遅れそうになった浅丘ルリ子は、無理に道路を横断しようとし、車にはねられ記憶喪失になってしまいます。(昭和あるあるの交通事故と記憶喪失)

記憶喪失になった浅丘ルリ子を必死で探し、裕次郎の純愛あふれる行動が次から次に出てきます。が、これ以上は、ここでは言えません。続きを知りたい方は、見てくださいね~。

さて、この映画で印象に残ったシーンは、裕次郎が浅丘ルリ子の肖像画を書くところですね、その時、裕次郎は浅丘ルリ子にこういいます、「君の顔なら目をつぶっても書けるんだよ」、いいですねぇ、また、これだけは絶対に売らないと言っていた絵を売って、浅丘ルリ子のためにハンドバックを買って、新宿駅に行くのです。これは女性としてはたまりませんね。映画を見た女性ファンが自分が浅丘ルリ子だったらとどれだけ思ったことでしょうか。

ザ・昭和の風景は、もちろん、銀座の街並みです。銀座4丁目のセイコーの時計に路面電車、松屋もちらっと出てきます。新宿駅には、スキーを担いだスキーヤーが沢山出てきて、なんと、スキーヤーを見送る人たちまでいます。スキーヤーも見送ってもらえる時代だったんですね。

東京でひとつ 銀座でひとつ
若いふたりが 初めて逢った
真実(ほんと)の 恋の 物語

あなた、思わず口ずさみましたね(笑)

では、また。

追伸:そういえば、最初の方に三崎千恵子さんが出てきます。寅さんシリーズのおばちゃんですね。若くても声はあのまんまですので、声だけで「おっ!、おばちゃんだ」ってわかります。動画を止めると、若かりし頃の顔も分かりますので、こちらもお楽しみください。

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