見出し画像

オペレーター型人材と提案型人材についてライターの私が考えていること

先日、社内で行われた勉強会で、オペレーター型デザイナーと提案型デザイナーについての説明がありました。

そこで話された内容が、私の職種でもあるライターはもちろん、クリエイターと呼ばれる職種全般にも大いに通ずるものだったので、私なりに考えたことを書こうと思います。

最初に私が伝えたいことを要約すると
・クリエイティブ職なのにオペレーター型人材なのはリスクが高い
・新人であってもなる早で提案型人材を目指そう。そうすれば自ずとオペレーション能力も身につくだろう
です。

そもそもオペレーター型人材とは?提案型人材とは?


簡単に言うとオペレーター型人材は、「言われたことしかやらない人」です。指示待ち人間とも呼ばれやすい人材です。

逆に提案型人材は、自分なりに考えて仕事を進められる人です。

勉強会で使われた資料がわかりやすかったので、拝借して解説すると以下のようになります。

画像1

オペレーター型人材は、依頼相手が言ったことしかやりません。

絶対的な正解が少ないクリエイティブ職において、上記にように言われたことをただなぞるように仕事をしてしまうと、クライアントや上長からは一向に信頼されないでしょう。


画像2

一方で提案型人材は、依頼された仕事に対して、自分なりの視点・提案を加えて仕事を進めます。

これはこれで、提案したが受け入れられないなどのリスクがありますが、キャリア全体を考えると、提案型人材の方がメリットが多いのはほとんどの人が実感することでしょう。

オペレーター型人材が悪で、提案型人材が正義というわけではない


私は安易にオペレーター型人材が悪で、提案型人材が正義だと主張したいわけではありません。

ほとんどの仕事には、進め方や正解が明確な『オペレーター業務』と、絶対的な正解が少ない『提案型業務』が存在するでしょう。

ですので『オペレーター型人材』が『オペレーター業務』をやるのは、まったく問題ありません。

しかし『オペレーター型人材』が『提案型業務』をやるのは、基本的には無理があります。※『提案型人材』が『オペレーター業務』をやるのは実はメリットが多いのですが、それは後述します

つまり、仕事に正解が少ないクリエイティブ職に就いているにも関わらず『オペレーター型人材』であることは、今後のキャリア上、致命的とすら言えます。

とはいえ最初から提案型人材のクリエイターは少数派でしょう。ほとんどの人は仕事をしながら、オペレーター型人材から提案型人材へと進化していきます。

さらに言えば、提案型人材になった方が、結果としてオペレーター型人材としてのクオリティも上がると私は考えています。


実はオペレーター型人材より提案型人材の方が、オペレーター業務が得意になりえる


提案型というのはつまり、自分視点ではなく、クライアントやその先のターゲットの視点に立って物事を考えるということです。

言い換えれば「御社(ターゲット・ユーザー)は〇〇なので、〇〇すべきです。」というコミュニケーションを基本とするスタイルです。

もう一度、先程掲載した提案型デザイナーの資料を見てみましょう。

画像3

デザイナーの2つ目のセリフにある「御社の商材や競合の差別化の観点から考えても~」は、まさに他者視点です。

この視点こそがオペレーター業務にも役立つのです。なぜでしょう?

それは、他者視点がある人(=提案型人材)がオペレーター業務をやると
・どう依頼すれば相手が仕事をしやすいか
・どう質問すれば相手が回答しやすいか?
・どう情報をまとめれば相手が作業しやすいか?

など常に相手の視点でコミュニケーションを取ることができるからです。

その結果として、相手が気持ちよく、スムーズに仕事ができるのです。一方、他者視点が無い人は、これができていません。

オペレーター業務は正解があるので、【最終結果】だけに着目すれば、誰がやっても同じです。しかし、結果までの【過程】であったり【業務効率性】は、他者視点を持ったオペレーターか否かで大きく変わるのではないでしょうか。

オペレーター業務をクリアしてからでないと、提案型業務に移行できないという誤解


ライターや編集者、デザイナーといったクリエイティブ職であっても、新人であればまずオペレーター業務が大半だと思います。

ただ、勘違いしてはいけないのが、オペレーター型人材として十分な経験を積んでからじゃないと、提案型人材に移行できないわけではないということです。

むしろなるべく早めの段階で提案型で仕事をした方が、他者視点を早めに身につけることができ、結果としてオペレーターとしての質の向上に寄与すると考えています。

厳密にはオペレーション業務だけをやっていても、他者視点を身につけることも可能だとは思います。ただ、提案型で仕事をした方が圧倒的に他者視点が身につきますし、その方がキャリアにとっても有益であると私は考えてます。

クリエイティブな職種なのにオペレーター業務ばかりに身を捧げるとキャリアが伸び悩みやすい


若い人(20代前半~中盤の方)は実感しにくいかもしれませんが、クリエイティブな職種についているのに、20代の多くの期間をオペレーター業務に捧げるのは危険です。

なぜなら、提案型業務が苦手なオペレーター型人材になってしまい、その結果、キャリアが伸びにくくなる(もっと言うと給料が上がりにくい、転職しにくい)からです。

年齢が高くなればなるほど、会社やビジネス市場からは、正解のない仕事で結果を出すこと・出した経験が求められます。そこそこの年齢にも関わらず、提案型業務ができないオペレーター型クリエイターは、高い評価を得ることはできないでしょう。

不幸にも世の中には、クリエイティブ職であってもオペレーション業務ばかりを強制する企業もあります。ただ、もしそのせいでキャリアが詰んでも、その企業や上司は責任は取ってくれません。

私は自己責任という言葉はあまり好きではありませんが、自分のキャリアについて他人が責任を取ってくれないのも事実です。

自分のキャリア/人生の納得度を高めるためにも提案型人材を目指したほうがよい


クリエイティブ職において、私が提案型人材を目指すべきと主張するのは、結局のところそのスタイルをマスターした方が、自分でコントロールできる領域が広がり、最終的にはキャリア・人生への納得度が上がると考えているからです。

オペレーター業務ばかりに従事して、提案型業務を拒否し続けたり、もしくは、提案型業務ができない環境に長らく身を置いてしまい、キャリアを重ねた際に「こんなはずじゃなかった…」となってしまうのは、多くのクリエイターが望まない状況だと思います。

自戒を込めて書きますが、自分が今、「オペレーター業務ばかりやっていないか?提案型業務もやっているか?」を考えるのはもちろん、「オペレーター型人材になっていないか?少しでも提案型人材になっているか?」と都度都度、自分自身を振り返ってみてはいかがでしょう?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?