青春時代
毎日…
毎日おもしろくなかった。いや、それなりに楽しかったよ。映画スタンドバイミーさながらの友人たちにも出会い、部活終わりいつもわいわいしながら帰ってた。人並に。それでも、いつも、世界はグレー色のカーテンに覆われている様だった。
どう表現したらいいか分からなかったけど。
音楽は好きだった
音楽は聞いていた。今、振り返ると「あの頃のJ-POPは良かった」と言われる時代。
それなりに聞いていた。
受験勉強の合間のラジオ
今の世代の子がYouTubeを見るのと同じ様な感覚で深夜ラジオを聞いていた。分かる方には分かる、私たち世代ならみんな聞いてたあのラジオ番組。
出会い
ある夜の日、そんないつものラジオから、やけにキレイなイントロが流れ、ありえないくらいの優しい歌声が聞こえてきた。
時が止まった。
私を覆っていたグレー色のカーテンの正体が分かった。
ラジオから聞こえてきたこの歌は、私の言いたい事の全てを言ってくれてた。言いたかったけど、どう表現したらいいか分からなかった私の全て。
全部。全部。全部…
時が止まっている事に気付き、
曲名をメモし忘れた事に気付いた…
奇跡
奇跡は意外な形で、あっけなく訪れた。そう、それは奇跡だ。あの曲名が分かるなんて奇跡だろう?
学校の昼ご飯中。放送室からの校内放送で、あの優しいイントロが流れ、またあの歌声が聞こえた。
THE BLUE HEARTS 青空
曲名が分かった。
自分の身近な仲間も、きっと同じグレー色のカーテンに覆われていたんだろうなって事も…
分かった。
時がたった
今はもうグレー色のカーテンに覆われる事はなくなったけど、それはそれで、また色々ある。
色々あるさ。
そんな時、iPhoneのアプリを触れば、いつでもあのイントロが流れてくる。
少し前を向ける。
少しでいい。
いつもご覧頂きありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します。