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【読書記録】誰のためのデザイン? - 良いデザインの重要な特性

おはようございます。

Xデザイン学校主催のとある交流会に参加した際、「使いやすさ」を学問的に追求している例はないのか?と質問したところ、山﨑和彦先生から「認知心理学を知っているか?『誰のためのデザイン』を読んでみなさい。」と言われ、読んでみました。

自分が求めていた、論理的に「良いデザイン」について解説された盛りだくさんの内容になっていたので、復習も兼ねてnoteに記録を残すことにしました。

この本、デザイン系の人は必ず読まされる登竜門のような本らしいです。

印象に残った部分を抜き出して考察していきたいのですが、1つのnoteにすると、いつまで経っても終わらなそうなので、ポイントごとに分けて書いていこうと思います。

今回は、「良いデザインの重要な特性」です。

1.良いデザインの重要な特性 - 発見可能性と理解

良いデザインにおける重要な特性が二つある。発見可能性と理解である。発見可能性とは、どういう行動が可能か、どの部分をどうすれば良いのかを見つけ出せるかである。理解は、それが一体何を意味しているのか、その製品はどんな使われ方が想定されているのか、いろいろ異なる操作部や設定は何を意味しているのか、である。

私のようなソフトウェアエンジニアは、ユーザーが〇〇することができるようにと、要求を満たすことができる機能を設計開発します。

しかし、要求されていたはずなのに、使えば絶対便利なのに、使われない。こんなことがよくあるんです。

そんな時に考えるのは、機能がいけてないんだ。もっと機能を追加したり、設定を追加してカスタマイズ性をあげたりと、「今の機能だと要求を満たせていないのだ」と考えて、ついついさらに機能を充実させる方向に持っていっています。

これ、間違いだったのかもしれないです。。。

ユーザーに話を聞きに行った時に、「この画面で表示している項目の並び順を好きなように並び替えられたら良いのに。」と言われたことがあります。ただ、その製品は、「表示している項目の並び順を好きなように並び替えできる」機能があったんです。その場でその機能を伝えると、ユーザーは喜んでいました。笑

上記はまさに、その機能が発見されていなかったことが問題だったのだと思います。私の担当している製品は、様々なコマンドを一箇所に並べるようなデザインをしています。これが発見可能性を下げている原因であることは明白ですし、改善すべきデザインなのだと再認識しました。

理解についても、ユーザーの要求を満たせる機能を開発したのにも関わらず、使ってもらえない原因の一つであることはとても納得できました。

様々なコマンドや設定は、一言とアイコン程度で並べられています。私たち技術者としては、一つ一つの説明を長々と文章で書くのはデザイン的に不細工だし、詳細は取扱説明書に記載して、そこを見てもらえば理解できるだろうという気持ちがあります。

自分達でさえ、プライベートで購入する家電の取扱説明書を読むことはほとんどしないなぁと。よく考えれば、取扱説明書なんてほとんど読まれないことはわかるのに、こんな発想に至ってしまいます。反省です。。

本書でも以下のように記載されており、ぎくっとしました。

人間の振る舞いについて学んでない人は、それが極めて簡単だと考えがちである。技術者はその上、論理的な説明があれば十分だと考える間違いを犯す。「説明書を読みさえすれば全て大丈夫」だと考えているのだ。

はい。そう考えていました。(自分の先輩たちはそう言っていました。)

今後、便利であるはずの、ユーザーの要求を満たせるはずの機能が使われていない状況に出くわしたら、まずは「発見可能性」「理解」の観点から、デザインの面でも問題を追求することを意識しようと思います。

2.重要ポイントリスト

上記のような形で、本書について私が重要だと感じたポイントごとに記録を残していきます。

毎回のnoteの最後に、これまでの重要ポイントリストを記載して、備忘録のような形にしようと思います。

1. 良いデザインの重要な特性 (2022/3/13)

それでは。

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