小説『ザ・ゴール』の博士へ~サトウシのファンレター~

博士似顔絵

こんばんは。サトウシです。

ゴールドラット博士の著書『ザ・ゴール』。
主人公のアレックスよりも味わい深く
印象に残る人物。それは、

ジョナです。

葉巻をくゆらせ、
ときにアレックスが凍りつくような質問を
浴びせます。そして

「アレックス、自分の頭で考えるんだ」

と言うのです。

ジョナの質問はとても効果的です。
アレックスはその質問の答えが気になって
仕方なくなります。
会議中も考え、会議を抜け出してまた
考えます。
それはもう集中して考えるわけです。

ジョナは質問することで、
アレックスに集中を生み出しています。

遠隔操作です。何という高度なテクニック。

そこには、ジョナからアレックスへの
期待と信頼が込められています。
アレックスが集中して考えるならば、
必ず素晴らしい答えが得られるはずだ、
と読む側にも思わされます。
アレックスは考え抜き、自分で答えを見つけ、
そして成長します。

つまり
質問には人を動かすチカラがあり、
成長の加速装置たりえるのです。カチッ。

世の中の質問はどうでしょうか?
人のことはおいておいたとしても、
私がこれまでの人生の中で発した
たくさんの質問はどうだったでしょうか?

多くは、自分が知らなくて困っていることを、
誰かに助けてもらう質問です。
時には質問という形にして、自分の主義や
主張を押し通すこともあります。

ひょっとしたら、
質問が持っている人を動かすチカラを、
都合よく使っていると思っているだけで、
実はそんな質問によって、
自分の成長の機会を
自ら潰してしまっていたのかも。

私のこれまでの質問は、
ジョナの質問とは正反対でかつ別物
だったのではないでしょうか。

きっと質問にはよい質問と悪い質問があって、
よい質問は、集中を生み、
考える力をつけ、人を成長させる。
悪い質問は、相手の時間を浪費し、
自分の成長の機会をつぶしてしまう。


ああ、
ジョナのような素敵な質問ができるように
なりますように。


PS
ところで、わたしは、教科書も好きです。
隅々まで読み尽くします。

でも、もし『ザ・ゴール』が
教科書の形で書かれていたら、
こんなにも登場人物に感情移入して
ファンになることはなかったかも。

ロジックと感情と直感。
小説の形だからこそ、
そのすべてを味わうことができる、
素晴らしい贈り物だと思うのです。

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サトウシ
中学の同級生宅で聴いたABBAとビリージョエル、学生時代の友人に薫陶を受けたブリティッシュハードロック、ブラスバンドで身体で覚えたクラシックやジャズ、カラオケで鍛えた演歌にC-POPなどなど音楽嗜好の幅は広い。元ホルン吹き。料理好きで、最近はまったマンガは『ダンジョン飯』。休日はNPO「全体最適の行政マネジメント研究会」理事として活躍するも「本当はこういうことが言いたいんじゃないですか~?」と平日とやってることが同じだったりする。

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