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追憶

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自分の記憶を頼りに書いたものです。
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第七十四景

第七十四景

大きな駐車場に車を停めようとすると、混雑した通路で誰かとぶつかるかもしれないし、帰りに駐車場から道路に出るときに、手間取ってしまうかもしれない。

そんなことを頭の中で考えながら、車を左折させようと、ハンドルを左に切った。結局、少し歩くことにはなるが、大きな駐車場の近くにある小さな駐車場に車を停めることにした。

隣に座っている薄い黄色のワンピースを着た彼女は、手に持っていた麦わら帽子を頭に乗せ、

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