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【凡人の対談 10.「凡人のビビり克服法」:「ゲームで、どんなに攻撃を受けても死なないと分かれば、割と大胆に攻められる。」】

これは、とある凡人が、様々な人間から、彼の経験談や考え方を、根掘り葉掘り聞かれまくるという、しょうもない話である。

〜とある怪しげな一室〜

「凡人さん、こんにちは。」

「はいこんにちは。」

「唐突ですが、あなたは、『ビビり』かそうでないかと言われれば、どちらに該当しますか?」

「ほんとうに唐突っすね!」

「どちらかといえばなんてもんじゃなく、超ビビりです。『ビビりステータス極振り』です。」

「そうですか。それは大変ですね。」

「はいそれはもう!今日だって、コンビニでタバコをふかしている時に、隣で何故か『うんこ座りしてタバコを吸っているオバサン』にガン見されて、ビビってましたからね。はい。」

「それは憐れですね。」

「言い方すごいですね。まぁ、それくらいの『ビビり』だということです。」

「なるほど。よくわかりました。ただ、そんなあなたが、飲食店で店長やってたなんて、結構大変だったんじゃありませんか?」

「まぁ、全く問題がなかったといえば、嘘にはなりますかね。」

「そうですよね。たとえばどんなことで『ビビって』たんですか?」

「山ほどありますね。」

「『強面のお客さん来たや〜ん。。』『あのお客さん真顔でこっち見てくるや〜ん。』

『あれ、今日あの子機嫌悪そうやん。。』『あれ、なんか今の、口調強めやなかった?。。』『あれ、言い方悪かったかなぁ。。』『あの人俺と会話するとき、表情暗めやな〜。嫌われてんのかぁ〜〜。』

等々、無数にあります。」

「あなたもしかして、『HSP』と呼ばれる類の方ですか?」

「わかりません!」

「誰かがそうだとおっしゃるのなら、そうなのかもしれませんが、そもそも『HSP』とやらに興味がないので、そうであろうと無かろうと、どうでもいいのですよ。はい。」

「生意気ですね。」

「はいすいません!」(うん。こわい。)

「そのような感じで、『店長』なんて仕事、まともにできていたのですか?『病む』ようなことが多かったんじゃないですか?」

「いえ、それはありませんでした。」

「どうしてですか?」

ビビり慣れたんですよね。」

「ビビり慣れた?どういうことでしょうか?」

「たとえば、『お化け屋敷』に行くとします。」

「1回目、もちろん『めっちゃこわい』です。意識飛びそうになります。先が怖くて、動けなくなります。」

「でしょうね。」

「ただ、慣れてくると事実がわかります。」

「お化け屋敷はただのアトラクションである。お化けは実は人間である。この人たちにできるのはただビビらせることだけで、実際に襲うことは絶対にできない。そういうことがわかってくるのです。」

「そう慣れば、もちろんビビりはするでしょうが、心のそこから恐怖に支配されて、何もできなくなる。みたいなことは無くなります。」

「それはそうでしょうね。」

「そもそも、怖がる必要のないことを怖がるのが、ビビりです。」

「逆に、怖がる必要があることを、怖がらない人は、『愚かな人』です。大通りで車が走っているのに、平気で赤信号の横断歩道渡っちゃって、普通に轢かれるみたいな。」

「なるほど。」

「また、何回も似たようなことにビビっていると、

『あ、これはいつものヤツだな。どうせ大したことにはならないんだよな〜。まぁこれはもうクセだから仕方ないよね。』

みたいなことを思えるようになります。

すると、『ビビりはするけど、普通に振る舞える』ようになって来たんです。」

「なるほど。それが『ビビり慣れる』ということですか。」

「はい。ビビってビビって、データを蓄積します。その膨大な経験の中から、ビビった時の『妄想』が『現実化』した確率を考えます。ビビりの人はわかると思いますが、この確率は多くて数%ほぼ0%です。」

「なるほど。『心配事の9割は起こらない』なんて言葉もありますからね。」

「はい。実際にそうですし、本当にビビりの人は、その『1割』が気になります。『9割は起こらないのかもしれないけど、1割は起こるんでしょ〜。。』的な感じです。」

「確かに、そうかも知れませんね。」

「でも安心してください。1割は確かに起こるのかもしれませんが、10割を心配している時点で、その『実際に起きる1割』についても、ちゃんと心配してます。

「だから、対処もできます。全く心配できない人は、この1割の時に、ボコボコにやられます。それが起こりにくいという点では、『ビビりであること』も悪いことばかりではないと思います。」

「なるほど。そう考えるとそうかもしれません。ただ、あまりに心配しすぎて、つまり、『ビビりすぎて』何もできないのは、問題だとも思います。」

「はい。それはおっしゃる通りです。」

「そこで、さっき言った『ビビり慣れ』が必要なんです。」

「具体的には、ビビったら、すぐに『最悪の状況』を想定します。その時、『物理的に、もしくは社会的に死ななければ、大丈夫ルール』で行動してみたんです。これがビックリするほど上手くいきます。」

「つまりどういうルールですか?」

「たとえば、

自分がやばい言動をしていなければ、スタッフから、めちゃくちゃ嫌われるなんてほぼ無い

仮に何か誤解があって嫌われても、謝ればいい。

そもそもスタッフ1人に嫌われたくらいで、僕はどうにもならない。

仮に全員に嫌われたとしても、店を異動させてもらえばいい。

その後で、僕に問題があったなら、改善して次やり直せばいい。

とまあ、こういう感じです。」

「なるほど。」

「他にも、上司や会社に対しても同じです。」

そもそも、会社に大きな損害を与えたり、法に触れることをしなければ、クビにはならない。

むしろクビになっても、なんとかして生きていくことはできる。

怒られるかもしれないが、殺されたり、監禁されることはない。

怒られたら、謝って、反省文一枚書けば、ほぼ許される。

みたいな感じです。」

「なるほど。そうやって『最悪を想定した上で、仮にそうなっても自分は大丈夫』、という『後ろ盾』のようなものを持つことで、行動することができたわけですね。」

「はい、おっしゃる通りです!さすがっす!」

「たとえば、仮想現実の世界を体験できる近未来ゲームがあったとします。

現実と同じような感覚が味わえて、魔法が使えたり、モンスターと戦うことができます。ただ、『その中で死ぬと実際に死にます!』みたいなゲームって、楽しそうだけど、絶対やりたくないし、やったとしたとしても怖くて何もできないですよね?」

「はい、そうですね。」

「ただ、絶対に死にません!怪我もしませんし、ダメージを受けても全く痛みは感じません!ゲームの中で死んでも、ゲームオーバーになって現実世界に戻るだけです!みたいな感じだったら、もちろんビビりはするけど、やれと言われたらやれるし、なんなら普通に楽しめますよね?」

「そうですね。『大丈夫という後ろ盾があれば、ビビリでも、割と行動できる。』そういうことですね。」

「はい。ちなみに僕は、店で何か大胆なことをやる時には、怒られた際の想定問答と、謝罪の言葉と、反省文を先に用意してから、やってましたからね。」

「なるほど。もはやそこまで行くと、『ビビり』か『メンタル強い』かよくわかりませんね。」

「まぁ、そうなりますかね。今は僕の中での『ビビり』は、ただ、『事前に不安要素が多く見えてしまうという特性』の話で、何をするにもそれは、『使い方次第で、良くも悪くもなる』と思っています。」

「なるほど。よくわかりました。『ビビりは弱さではなく、ただの特性』、そういうことですね。」

「はい、そう思って、今日もビビっています。」

「そうですか笑。それでは、そろそろお時間のようです。本日はありがとうございました。」

「はい、ありがとうございました!」




















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