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【凡人の対談 11.どんなに怖い人も、僕らとおんなじ人間である。】

これは、とある凡人が、さまざまな人間たちから、彼の経験談や、考え方を根掘り葉掘り聞かれまくるという、しょうもない話である。

〜とある怪しげな一室〜

「凡人さん、こんにちは。」

「はいこんにちは!!」(また綺麗なお姉さんだ!!!)

「今日もお元気ですね。」

「はいお陰様で!!」

「お陰様ですか?」

「あ!いえ、こちらの話です。」

「まあいいです。本日もよろしくお願いします。」

「はいよろしくおねがいします!!」

「早速ですが、あなたは以前、大手外食企業にお勤めだったということでしたね?」

「はいそうでした。」

「外食産業というと、なんとなく『体育会系』のイメージがありますが、あなたの会社はいかがでしたか?」

「うーん。まぁまぁ、って感じじゃないですかね?店舗で働くスタッフさんは、普通に主婦さんとか、学生なんで、別に『体育会系』ってわけではありませんでしたね。」

「まあ、一部の上層部の人間には、そんな雰囲気もありましたけども。」

「なるほど。『体育会系』というと、どことなく『厳しい』とか、『恐い』とか、そういう印象がありますが、そういう上司などいらっしゃいましたか?」

「あ、まぁ昔悪かったんだろうなぁ。みたいな部長はいましたし、怒るとめちゃくちゃこわいって噂の上司もいましたね。普通に強面で、口調もキツめの人もいましたし。」

「なるほど。あなた自身、そんな厳しい上司・恐い上司の下で働くこともあったんですか?」

「はい、全然ありましたよ!でも、意外に大丈夫でしたね。」

「意外ですね。あなたは以前、ご自身を『非常にビビリである』とおっしゃってましたが、それは大丈夫だったのですか?」

「あ、もちろん、ちゃんとビビりますけども。変に萎縮したりなんてことはなかったと思いますよ。」

「そうなんですね。どのように対処されていたのですか?」

「はい。まぁ、やることは超シンプルで、『あの恐い上司も、僕と同じ普通の人間である』と『再認識』するだけですね。」

「それは、どういうことですか?」

「たとえばですね。何か自分が問題を起こしたときに、本当にぶん殴られる。物理的に殺されそうになる。脅されて金を取られる。監禁される。小指を詰めさせられそうになる。そういう上司がいたら、本当に恐がった方がいいです。てか、すぐに逃げ出した方がいいです。

「はい。それはそうですね。」

「逆に、そうでなければ、大丈夫です。そこまで恐怖して、萎縮する必要ないです。だって、『ただ口で怒られるだけ』なんですから。普段の会話との違いは、『声の大きさ、口調、内容、表情』の違いだけです。」

「本質は一緒です。『口から発された言葉を聞いている』。それだけです。」

「なるほど。その理論は理解できました。ただ、そうは言っても、怒られると萎縮してしまうのが人間だと思います。それには、どのように対処されているのですか?」

「はい。これは、馬鹿にしないでいただきたいんですが、

『この恐い上司にも、僕と同じように、よちよち歩きをしていた赤ちゃん時代がある。』

子供の頃は、親にたっぷり叱られたに違いない。だから、こういうふうになっているに違いない。』

『この人も、新入社員の頃は、その時の上司にボコボコにされていたはずだ。』

家に帰れば、きっと妻にボコボコにされているはずだ。』

そういうことを想像します。』

「そんなことを考えているとバレたら、さらに怒られそうですが。」

「大丈夫です。口に出さない限り、絶対にバレません。相手は怒ることに必死です。そんな余裕はありません。」

「なるほど。確かにそうかもしれませんね。笑」

「口では、『すいませんでした!』と言いながら、こういうことを考えていると、

『理不尽に怒ってくる人』は、『怒りをぶちまける愚かな子供』のように見えて来ますし、『あぁ、家で妻にボコボコにされてストレス溜まってるんだろうなぁ。』とか、『新人時代の上司や、今の上司に同じように厳しくされて来たんだろうなぁ。』と、『同情する気持ち』が湧いてきます。

『ちゃんとした理由で怒ってくる人』の時には、『無駄な恐怖』が消えて、『内容がちゃんと入ってくる』ようになります。だから、ちゃんと話を聞いて、反省して、改善することができます。」

「なるほど。それもそうかもしれませんね。」

「さらにですね。これはまあ、人にもよるとは思いますが、たくさんの人に怒られまくった経験がある僕の統計上、『めっちゃ恐い人』は、『後引かない人である確率がめっちゃ高い』です。一瞬めっちゃ怒られますが、次に話した時には、普通になってることが多いんです。」

「『後引く人』、つまり『いつまでもネチネチ言ってくる人』は、まず恐くないです。ただウザいだけです。だから、対応も『そっと距離を置く』とか、『聞き流す』とか、そういうことになります。」

「なるほど。そういうふうに考えると、恐い上司を必要以上に恐がらず、『萎縮して、改善できずに、また怒られる』のような『負のスパイラル』に陥らずに済みそうですね。」

「はい。おっしゃる通りです。」

「あと、すでに萎縮気味の人は、一度『思い切って言い返してみる』のもアリですよ。『恐い人は、恐いので基本誰も攻撃しません。』つまり、『攻撃力はめっちゃ高いけど、防御力メッチャ低くなりがち』です。意外に怯みます。(実証済み。小声)」

「『そんなに大きな声で言われたんじゃ、わかるものもわかりません!!』とか、『自分は能力が低いので、きちんと教えてもらわないとわかりません!!』とか、言ってみると、意外に対応が変わることがあります。」

「なるほど。『萎縮して何もできなくなって病んでしまうより、思い切って言い返した方が良い』ということですね。」

「はい。その方が、会社や組織にとってプラスですし、意外に、『あれ、君意外にちゃんともの言えるんだねえ。』みたいな感じで、見直される。なんてこともあります。」

「確かに、それもそうかもしれません。未熟だけど、本音でぶつかってくる部下って、結構可愛く感じるものですもんね。」

「はい。僕自身も、社員の部下から、言い返されることもありました。そんな時には、『自分の間違いにはっと気付かされる』こともありましたし、なんだか本音で向き合えたようで、愛着が湧くこともありました。」

「わかります。『どんなに恐い上司も、自分と同じ人間である。ということを認識し、必要以上に恐がらない。』、そういうことが大切なんですね。」

「はい。その通りです。もちろん。恐いっちゃ恐いですけどね。」

「まぁ、そうですね笑。」

「そろそろお時間のようです。本日はありがとうございました。」

「はい!ありがとうございました!!」








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