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『1000年使える不動産投資最強成功術 失敗しない人だけが知っている不動産経営の定番』第一章・無料全文公開

書籍『1000年使える不動産投資最強成功術 失敗しない人だけが知っている不動産経営の定番』より、第一章「不動産経営はいつの時代もどんな物件も成功する」の無料全文公開!
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1 不動産経営はいつの時代でも成功する

不動産経営がいつからスタートしたか、ご存知でしょうか? 一説によると古代ギリシャ時代といわれています。古代ギリシャ時代にすでに土地に目印を付け、その土地を担保に資産の貸し借りが行われていたそうです。つまり不動産投資は、地球上でもっとも古い投資と考えられています。一方で株式投資のスタートは大航海時代ですから、まだ数百年の歴史です。長きに渡って続く投資「不動産投資」、そこには大きな魅力が存在いたします。その魅力とは、「必ず成功する」というものです。投資の世界で、「必ず」とはいってはいけないとは思いますが、あえて私は断言しましょう、「不動産投資は必ず成功する」と。

但し、成功するには条件があります。それは、正しい不動産経営の知識を身につけることです。正しい知識を頭に入れ、様々な想定しうるリスクをヘッジすることができれば、賃貸経営が順調に進み、成長できるビジネスなのです。別のいい方をすると、不動産賃貸業を投資ととらえるのではなく、経営マインドをもって取り組んでいくと、面白いようにうまく前に進んでいきます。


●不動産投資ではなく、不動産経営

だから古代ギリシャ時代から脈々と続いているのです。2016年ごろから、不動産投資が大ブームとなりました。原因はアベノミクスとマイナス金利、東京オリンピック決定と様々です。銀行がお金を貸してくれるから、不動産業者が全部お膳立てしてくれるから、同僚もやっているから、不動産投資で成功してサラリーマンをリタイヤしている人がいるから、そんな甘い気持ちで不動産投資をスタートしてきた多くの方々がいます。でも、失敗しています。いや、失敗していることに気づいていない人が沢山います。

2018年初頭、東京を中心に女性向けのシェアハウスを運営していたスマートデイズという会社が事実上の経営破たんをいたしました。それにともない、銀行ぐるみの書類改ざん問題が発覚いたしました。いわゆるスルガ銀行問題です。このスルガショックを端に発し、芋づる式に不動産業者、銀行の不正が明るみになりました。そして多くの不動産業者が破綻していきました。歴史は繰り返されます。

1990年代初頭、バブル経済が崩壊いたしました。2000年、不動産ミニバブルが弾けました。2008年、リーマンショック後、多くの不動産会社が店じまいしました。時代時代の節目で、波に飲まれて倒産する会社、自己破産する投資家がいます。いずれも共通点があります。それは、「基本を無視して、また違法な手法に手を染めた業者と投資家」です。成功するには、不動産経営の基本をひたすら学び続けることです。


●「知識こそ最大のリスクヘッジ」

私はそう考えています。その知識さえ手に入れることができれば、あなたはどんな時代でも、どんな場所でも怖くありません。ご自身の知識があなた自身を成功に導いてくれるはずです。

東京だろうが、地方だろうが、新築だろうが、中古だろうが、区分だろうが、アパートだろうが、一棟マンションだろうが。融資が下りやすい時代でも、融資の厳しいタイミングでも。はたまた日本であっても、海外であってもあなたは不動産経営で結果を出すことができます。

区分、一棟、築古、新築、住居、オフィス、店舗、海外を幅広く手がけてきた私アユカワタカヲから、古代ギリシャ時代から伝わる、『初心者から経験者まで1000年使える不動産投資最強成功術』を本書でお伝えしていきます。

2 成功する物件を探すのではなく、成功する物件を作ること

「不動産投資は投資ではなくて、経営である」つまり、あなたは「経営者」です。ですから、不動産を使って毎月決まって収入が入ってくるその仕組みを作り上げることです。その才能が求められています。いい物件を探す才能ではなく、安定的な収入が入る不動産を手に入れることが重要なのです。ですから、成功する物件を探す能力を伸ばすことより、成功する物件を作り上げることがあなたに求められていることです。

日本の不動産市場規模は一説によると、1,500兆円ともいわれています。一方、日本の現在のGDPは520兆円ですから、日本の不動産マーケットは巨大であるということがいえます。つまり、まだまだ日本国内には可能性を秘めた不動産が眠っているということなのです。その不動産を発掘し、育てていくことができる者こそが、不動産の世界で成功していくのです。
私、アユカワタカヲは、日々全国で不動産投資セミナーに登壇させていただいています。ある時は中古区分マンションを販売するセミナーで、またある時は中古1棟ものを扱う会社のセミナーで、またある時は新築1棟アパートを扱う会社のセミナーで、またある時は新築区分の会社で、またある時は海外不動産セミナーで、


●「お前は、何を薦めんねん!」

はい。私はすべてを薦めます。何がいいかは、あなた自身が決めてください。それぞれの不動産には、それぞれのメリットとデメリットがあります。それらを十二分に理解した上で、ご自身の経営、投資プランにあった投資方法を是非選んでください。面白いことに、区分、一棟、新築、中古、東京、地方、日本、海外にはそれぞれの魅力があります。是非1つひとつを吟味して、楽しんであなたの投資プランを作り上げてください。この章では、それぞれの長所、短所を上げていきますので、是非参考にしてください。

3 「区分」と「一棟もの」の違い

初心者の方が不動産投資を考えはじめて最初にぶち当たる壁が、「区分」か「一棟もの」かという命題でしょう。それぞれの違いを見てみましょう。
まず、「区分と一棟ものってそもそも何?」という質問に対してお答えいたします。区分とは、マンションの○○○号室のことです。マンションの○○○号室一室を購入して投資することを「区分投資」といいます。逆に、「□■□マンション」「▼◎ハイツ」を丸ごと全部購入して投資することを、「一棟もの投資」といいます。それぞれの特徴を見ていきます。


●区分の特徴

区分に投資する場合の長所としては、次の項目が挙げられます。

・少額から投資できる
・良い立地の物件を手に入れることができる
・手間がかからず、不動産投資の知識がなくてもできる
・比較的に売却しやすい

区分マンション投資の場合、区分マンション投資専門の金融機関(ジャックス・ソニー銀行・イオン銀行など)があります。それらの金融機関では、物件の積算評価や収益評価ではなく、購入者の属性(お勤め先、年収、金融資産など)を見て融資してくれます。つまり、頭金10万や、フルローンで区分マンションを購入することができます。また、区分マンションですから販売の個数も多く、23区内の主要の駅近くの物件を手に入れることも可能です。また、区分マンション投資は、不動産投資で最も簡単に始められることが特徴です。購入後の管理なども全て管理会社にお任せすることができ、また売却しやすいのが特徴です。

次に区分マンションの短所を挙げてみましょう。

・キャッシュフローが出づらい
・家賃が「100」か「ゼロ」
・積算評価が低く、債務超過になりやすい

区分マンションは価格が割高ですし、一棟もの投資と比較して、「管理費」「修繕積立金」が割高です。よってキャッシュフローを出しづらくなります。将来、専業大家さんを目指す方は、区分マンション投資だけでは厳しいといわざるを得ません。また当然部屋が一室しかありませんので、家賃が「100」か「ゼロ」になります。空室が発生した月は、ローンを自腹で返済する必要が出てきます。そして、区分マンションは積算評価が低くなります。評価が低いのに、フルローンで借りてしまいますと、一室購入するだけで債務超過になってしまい、次の物件の購入が厳しくなります。つまり、どんどん不動産を購入していきたい方にとっては、不向きな投資といえます。

続いて、一棟ものの長所、短所を見てみましょう。実は、一棟ものと区分はそれぞれ相反するもので、区分の長所は一棟ものの短所であり、区分の短所は一棟ものの長所になります。


<一棟ものの長所>
・キャシュフローを出しやすい
・家賃がゼロになりづらい
・積算評価が出て、不動産事業を拡大しやすい

<一棟ものの短所>
・初期費用が掛かる
・手間がかかり、高い知識が要求される
・好立地の物件を手に入れづらい
・売却しづらい

部屋数が多い一棟ものは一気にキャッシュを手に入れることが可能です。また多少の空室が発生しても返済が滞るレベルになることは考えづらいです。そして何より、積算評価が出るために金融機関が物件の価値を評価してくれますし、また知識が必要な一棟もの投資実践者は、金融機関はその実績を高く評価し、結果、次の融資に繋がります。一方で、スタート時点で高い不動産投資知識が必要となるだけでなく、自己資金も必要になります。基本的には一棟もの投資の場合、金融機関は物件価格の一割の自己資金を要求し、諸費用で物件価格の一割が必要です。となりますと、5,000万円の一棟アパートを購入しようとすると、その二割、つまり1,000万円が購入時に必要となります。このように、最初に知識と資金が必要になってくるのが一棟もの投資です。

2017年から2018年にかけてサラリーマンの間で広まった空前の不動産投資ブーム、彼らの悲劇は、一棟ものをまるで区分投資のように、「知識なし。資金なし」でスタートを切ってしまったことです。読者の方で、もしそのような方がいらしたら、今からでも遅くないです。是非知識を積み上げていってください。
それからここではもう1つの種類「戸建て」についても見てみたいと思います。「戸建て」いわゆる、一軒家ですね。一軒家を購入して、賃貸に出す方法です。

<戸建ての長所>
・間取りが広く、大家の自由がききやすい
・荷物が増えやすく、長期入居に繋がりやすい

<戸建ての短所>
・面積が広いために、修繕費用やリフォーム費用がかかりやすい
・区分同様、家賃が「100」か「ゼロ」

2019年現在大流行りしているのが「戸建て投資」です。相続などで手に入れた不動産を持て余している方から安く物件を購入し、オーナー自身のプランでリフォームして賃貸付けしたり、はたまた「民泊」として貸し出したりとの対応ができるのが、「戸建て」です。戸建ては一軒家ですから、間取りが広いです。つまり自由が効きます。1つのお部屋を防音対策して「楽器可」にすることもできます。またペット可にすることもできるでしょう。そして一旦入居されると、一軒家の場合、比較的荷物が増えやすく、長期入居に繋がる可能性が大きいため、安定的な家賃収入が見込まれます。一方、リフォーム費用が高額になるなどのデメリットもあります。私、アユカワは区分も一棟も戸建ても所有しています。それぞれの特徴を理解しながら、またリスクをヘッジしなから、そして楽しみながら不動産経営を実施しています。

4 「オーナーチェンジ」と「空室」の違い

続いては、区分投資の場合の「オーナーチェンジ」物件と「空室」物件の違いを見ていきましょう。「オーナーチェンジ」物件とは、入居者がいる状態で投資物件を手に入れることです。

<オーナーチェンジ物件の特徴>
・すぐに家賃が入ってくる
・賃料をコントロールできない
・入居者を選べない

オーナーチェンジ物件の場合、物件を契約して決済したその日から家賃が入ってきます。嬉しいですよね。入居者を募集する手間が省けますので、初心者の方には向いている投資だと思います。しかし、その入居者は前のオーナー様が決めた方であり、家賃の額も前のオーナー様が決めたものです。現在の入居者が不良入居者の可能性もなくはありません。また家賃が相場家賃より低いかもしれないですし、高いかもしれません。その家賃設定を是正するには、基本的には現在の入居者が退去してからでないと対応が取れないというデメリットがあります。

<空室物件の特徴>
・入居者を自分で選ぶことができる
・リフォームでバリューアップすることができる
・入居者が決まるまで家賃が入ってこない

空室物件は、自由が効きます。築古のマンションを購入し、内装を今風にリフォームすることで、見違えるような部屋が完成いたします。あるアンケートによりますと、部屋を探す時に何を重要視するかというと、建物の外装より、断然内装だということです。例えば昭和40年代の高度成長期に建てられた団地を安く購入し、内装を大胆にリフォーム。壁をなくして広めのリビング、アイランドキッチンを作り、モダンなデザインにしてみる。こういった工夫で、数万円アップした家賃を取ることも可能です。まさしく、あなたの手でお宝物件を作り上げる方法です。空室物件にはこのような魅力があります。

それから、「オーナーチェンジ」と「空室」の大きな違いを付け加えておきましょう。それがこちら。


●買う人が違う

オーナーチェンジ物件を購入しようとする人たちは誰ですか? あなたのような不動産投資をはじめようとしている人ですよね。一方、空室物件を買おうとしている人は、不動産投資を考えている人たちだけではありません。それは「マイホーム」として物件を探している人たちです。いわゆる「実需層」です。


●「投資家」と「実需層」には2つの大きな違いがあります

・不動産の知識を持っているのが投資家で、持っていないのが実需層
・住宅ローンを使えるのが実需層で、使えないのが投資家

この点からお気づきのように、実需層はご自身の住まいのために、多少高い金額であっても住宅ローンを使って空室物件を手に入れるということです。この理論から考えると、「オーナーチェンジ物件」を購入して、「空室物件」になった時点で「実需層」に売ると利益が出るということです。このように、日本の不動産市場でもまだまだ売却益(キャピタルゲイン)を狙うチャンスが残されています。

5 「新築」と「中古」の違い

突然ですが、プラハという街をご存知でしょうか? ヨーロッパのチェコ共和国の首都です。プラハは、第一次・第二次世界大戦の被害にも、また、その後の資本主義の高度経済成長にも巻き込まれなかったことで、1000年以上の歴史を持つ都市です。つまり、ロマネスク建築から近代建築まで各時代の建築様式が今でも現役で稼働しています。私は、2001年に旅行で訪れましたが、その重厚な街並みに一瞬で虜になりました。こんな街、こんな建物に住んでみたいと。
ちなみに、プラハの街はユネスコの世界遺産にも登録されています。

人々を魅了する建物、一度は住んでみたいプラハの建築物。ただこの街を日本の法律で考えてみると、築1000年で耐用年数をはるかに越えてしまった建物の価値ゼロ、土地値しかない物件になります(笑)。

ちょっと冗談めいて書いてしまいましたが、日本において不動産は新築神話が確立されています。やはり「新築」は人気があり、価値も高いです。しかしその分値段が高額となります。それを前提に「新築」と「中古」の違いを見ていきましょう。

<新築の特徴>
・耐用年数が長いために融資を組みやすい
・取得から数年は高い家賃が見込まれ、維持費もあまりかからない
・価格が高額で、売却する時点では確実に価値が下がっている
・利回りが低く、キャッシュフローが出づらい

<中古の特徴>
・新築より安く購入することができ、売却するとき極端に価値が下がらない
・減価償却費を高く設定できる
・リフォーム・修繕費がかさむ
・入居者を募集する際、競争相手が多い

このように新築、中古にはそれぞれの「長所」と「短所」があります。少ない資金で手堅く不動産投資をスタートしたい方は、中古から始めるのがおススメですが、それもそれぞれの投資家のスタンスにもよります。

「新築マンションに騙されるな」そんなコピーを時々見ることがあります。これは、「サラリーマンの方をターゲットに、月々マイナスの収支にも関わらず新築投資不動産を売りつける会社に気をつけろ!」そんな意味が込められています。もちろん、毎月のキャシュフローを得ることを目的としている、あるいは不動産投資でセミリタイアしようと考えている投資家にとっては、逆行する投資なので新築マンションはおススメしませんが、新築マンションを投資目的で買っている方も沢山いらっしゃいます。

たとえば、高収入の属性の方で今後もずっと今のお仕事を続けようとお考えの人にとって、新築マンション購入は所得税圧縮に絶大なる効果を発揮いたします。年収数千万円の方で、節税対策目的で数年に一度新築マンションを購入されている方もいらっしゃいます。また地方にお住まいの方で、将来の確実な資産形成として首都圏の新築マンションを購入されている方もいらっしゃいます。一方、資産を次世代に引き継ぐ準備のために現金で都内のタワーマンションを購入し、相続評価額を意図的に下げられている方もいらっしゃいます。

つまりは、今のあなたの目標やステージに合わせて、物件を選別することが大切です。私も早く、ステージを上げて、東京ベイエリアの新築タワーマンションを現金で購入してみたいです(笑)。

6 「地方」と「首都圏」の違い

あなたは今どちらにお住まいですか? 東京ですか? 大阪ですか? 名古屋ですか? それとも地方都市ですか? 投資物件を購入する際、「東京の物件を持ってみたい」とか、「今住んでいる近くの物件を持ちたい」とか、「故郷の物件を手に入れたい」と思う方もいらっしゃると思います。では、ここでは「地方」と「首都圏」の違いを見ていきましょう。

<地方物件の特徴>
・土地代が安いために、比較的に安く手にいれることかでき、その分利回りが高くなる
・人口が減少している地域も多く、入居付けに苦労する

<首都圏物件の特徴>
・人口流入が続いているために、地方の物件より入居付けが比較的容易
・土地代が高く購入価格が高くなり、結果、利回りが下がる

一般的にはこのような特徴になりますが、実はエリアによってその地その地の特徴があり、細かく分析、取材する必要があります。ここでは少し特異な例を出してみたいと思います。地方都市であっても、不動産投資をするにあたって非常に魅力的な場所があります。その一例が「長崎」です。九州エリアにお住まいの方以外にとっては、「アユカワさんは何故、急に長崎なんて言い出したのだろう?」とお思いかもしれません。ご説明させていただきます。

「長崎は○○の街」
さて、○○に入る文字は何でしょうか? 正解は「坂」です。長崎は「坂」の街です。「オランダ坂」「祈念坂」「ドンドン坂」「県庁坂」「ゆうれい坂」「トロトロ坂」「遅刻坂」など数多くの坂があります。坂道を歩き、海からの風を感じながら異国情緒を楽しむ。旅好きの私にとって至福の瞬間でもあります。長崎には三菱造船所があり、造船の街です。海側の埋め立て地には次々と造船工場が作られ、山側に住宅地が作られました。そもそも宅地が少ない街でもあります。人口のおよそ6割が山の斜面に住んでいて、車が横付けできる広い平面道路に面している物件は全体の4分の1に過ぎない、そんな特殊なエリアでもあります。

つまり長崎市内では、新築物件を作れる場所が少なく、ほとんどの方が斜面に建っている中古物件にお住まいです。大家さんがお部屋提供する供給量は増えることはなく、また部屋を探す入居者の需要量も極端に減ることはありません。需要と供給が安定している街なのです。

斜面に建っている中古物件は数百万円で購入することもできます、すぐに入居者が見つかり安定的に家賃を手にすることができれば、利回り15%や20%も決して夢物語ではありません。(尚、利回りなど不動産投資に関わる数字については第4章で解説させていただきます)

この「長崎」は、私が全国各地の不動産を視察して見つけた一例です。長崎以外にも、興味深いエリアはまだまだ沢山存在します。是非ご自身の足と目でお宝エリアを見つけ出してください。もしかすると、あなたが生まれた街こそが、そんなお宝エリアかもしれませんよ。

7 「住居」「オフィス・店舗」の違い

これまで見てきた不動産は、いずれも住居を目的にしたものです。「レジデンス」といったり、略して「レジ」ともいいます。レジ以外にも不動産の使い方はあります。それが「オフィス・店舗」です。ここでは、「住居」「オフィス・店舗」の違いを見ていきましょう。

<住居の特徴>
・景気変動を受けにくく、比較的家賃は安定している
・家賃相場、空室率がある程度予測できる
・家賃の値上げをしづらい
・入居者に居住権を主張される可能性がある

<オフィス・店舗の特徴>
・家賃の値上げを比較的しやすい
・管理が楽であり、スケルトン貸しすることができる
・景気変動を受けやすい
・立地が全て
・家賃は通常坪単価計算する

前提として知っておいていただきたいのは、「住居」と「オフィス・店舗」は同じ不動産投資でも、大きく異なるということです。まるで業種が違うビジネスであると思っていただいていいでしょう。2019年現在、私は初めて新築オフィスビルを手掛けています。今私が実感していることは、これまで培ってきた人脈やノウハウが使えないということです。オフィス・店舗を扱う不動産会社と、レジデンスを扱う不動産会社は別ものです。まさに「餅は餅屋」というところですね。

「オフィス・店舗」は、不動産投資の中でも、最も高いスキルが求められる投資です。景気変動を最も受ける不動産です。時代の流れを読み、どんな業種が今後伸びていくのか、オフィスとして今どんなニーズが求められているのかを幅広く見聞を深めて、投資戦略を練っていく必要があります。

一方、魅力も沢山あります。入居者が決まってしまえば、管理が楽です。オフィスは基本的には昼間のみ利用され、人が住んでいるわけではありませんので、手間がかかりません。また一般的に、「スケルトン貸し、スケルトン戻し」となります。スケルトンとは、「骨格」「骸骨」という意味ですが、大家さんが部屋を貸し出す場合、内装工事をする必要はありません。あのコンクリートむき出しの状態で入居者に貸し出します。トイレもない状態です。水道管がむき出しになっているままの状態です。そのスケルトンの部屋を賃借人の会社は、ご自身の費用で内装工事をしてご自身の会社やお店に相応しい内装を作り上げます。そして数年後退去する場合は、賃借人の費用で工事を実施しスケルトン状態に戻して、大家さんに部屋を戻します。つまり大家さんにとっては内装費用が全く掛からないということになります。

オフィス・店舗投資は、ハイスペックなノウハウが必要にはなりますが、うまくいくと大きく儲けられる投資でもあります。決して初心者にはおススメいたしませんが、是非いつかは、オフィス、店舗投資もチャレンジしてください。

8 「日本」と「海外」の違い

さて、投資物件の種類を様々見てまいりましたが、最後の項目は、「日本」と「海外」の違いです。「そんな日本で不動産を買うのも怖いのに、海外なんて」「海外なんて騙される可能性もあるし、危ないでしょう」そう、思っている方も多いかと思います。2019年現在、私はこれまで、「マレーシア」「フィリピン」「バングラデッシュ」「コソボ」などに、形態は違えど、いろんな形で不動産投資をしてまいりました。これから先もますます広げていくと思います。そんな私が今海外不動産投資に対して感じていることは、

●日本の不動産投資も海外不動産投資も、基本は同じ

ということです。第4章で解説させていただく「利回り」「キャッシュフロー」「ROI」「返済比率DSCR」を使って数字による分析をし、そして街の成長性を鑑みて稼働率を調べる。日本の不動産投資と全く同じ作業で、投資すべき物件かどうかを判断していきます。日本の不動産投資と違うのは、法律が違うことと、言葉が違うことです。日本の法律とどこが違うのか、日本と比べて有利なのか、不利なのかをご自身で確かめてください。それらを踏まえて、私から、海外不動産投資を始めたい方へのアドバイスです。


●セカンドオピニオンを聞く

初めて海外不動産投資をチャレンジする場合、大抵は「セミナーに参加する」「サイトで見つける」「人に紹介を受ける」だと思います。キッカケは何でも構いません。ただ、海外不動産は日本の不動産以上に悪い業者が多いのも事実です。海外では、平気で日本人が日本人を騙します。そのために必ず「セカンドオピニオン」を聞くようにしてください。その案件を手掛けている会社の評判はどうか、これまでに変な噂が流れていないか、などです。海外不動産投資に詳しい方に聞くのもいいですし、一番は現地に行ってみることです。休暇を取ってその地に足を踏み入れてみましょう。そして現地の方、現地の日本人の方に評判、街の様子を聞くのが一番です。そして、街の成長に魅力を感じたなら、投資の第一歩を決断しましょう。


●あくまで余剰資金で

月々の家賃収入(インカムゲイン)をメインとしている日本の不動産投資に比べて、海外不動産投資は売却益(キャピタルゲイン)をメインとしています。ですから、あなたにとって非常に魅力を感じる投資に映るでしょう。「よし、一気に自己資金を拡充するチャンスだ!」と考えて、あらゆる金融資産を海外不動産投資に充てていく、これは決してやってはいけません。やはり、海外です。何が起こるか分かりません。法律が変わり、当事国から資産を外に持ち出せなくなるかもしれません。予想できない危険が隠れているのが海外不動産投資です。あくまで余剰資金の範囲内で、もしものことが発生して、投資額が溶けてしまったとしても「いい勉強になった」と、言える余裕が必要です。

9 あなたは人生の脚本家・成功へのロードマップを

この第1章では、区分から海外不動産に至るまで様々な種類の不動産を見てまいりました。「いろいろありすぎて逆に分からなくなった」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、頑張ってください。それぞれの特徴をしっかりととらえて、ご自身に相応しいものを選択することが必要です。この選択をご自身でできないと、不動産業者のいいなりで自分には相応しくない物件を購入してしまう可能性があります。成功するには学ぶことです。

●あなたは人生の脚本家・成功へのロードマップを

あなたにとって相応しい不動産が何か? それはあなたにしか分かりません。不動産屋には分からないですし、ましてや私にも分かりません。あなたはあなた自身の人生の脚本家です。あなたの成功へのロードマップを作り上げてください。ここでは簡単な方法をお伝えいたします。


●あなたは何年後に月々何万円のキャッシュフローが欲しいですか?

「1年後に小遣いの足しに月々3万円のキャッシュフローが欲しい」「5年後に定年になるので、年金の足しに月々10万円のキャシュフローが欲しい」「10年後に今の収入以上のキャッシュフローを手にしてサラリーマンをセミリタイアする」などの目標は人それぞれだと思います。大事なことは、目標を明確にすることです。この目標を必ず決めてください。ちなみに私が不動産投資を始めた43歳の時の目標は「今から7年後、サラリーマン年収を超える家賃収入を手にして独立する」でした。


●目標を達成するまでの具体的な道のりを描いてください

あなたの目標が決まったら、その目標を達成するまでの道のりを考えましょう。その時に役立つのが、この第1章です。例えば、あなたが、「1年後に小遣いの足しに月々3万円のキャッシュフローが欲しい」という目標であるならば、この1年間掛けて月々3万円のキャッシュフローが生まれる首都圏の中古区分マンションを手に入れる」というのがロードマップになるかもしれません。もしあなたが、「5年後に定年になるので、年金の足しに月々10万円のキャッシュフローが欲しい」というのであれば、「1年後に首都圏の中古区分マンションを1つ、3年後にさらにもう1つ。そして5年後にもう1戸を買い増しする」、これで目標達成です。

「今から7年後、サラリーマン年収を超える家賃収入を手にして独立する」が目標だった私は、都内区分投資からスタートして、物件と知識を積み上げて、都内一棟もの投資にシフトチェンジし48歳の時に目標を達成いたしました。繰り返しますが、あなたはあなたの人生の脚本家です。不動産経営成功の第一歩は、そのシナリオを作り上げることです。もちろん、そのシナリオは場面場面で修正して構いません。大事なことは「自分は今何をしなくてはならないか」を知ることです。その設計図が完成すれば、その設計図通りにひたすら物件を探し続けることです。

さあ、次の第2章から、物件探しの旅がスタートいたします。

著者プロフィール

アユカワタカヲ

マネー&不動産プロデューサー
1966年大阪附出身。42歳のサラリーマン時代に起こった「リーマンショック」。そこから襲いかかってきた「ボーナスカット」「給与カット」「いよいよリストラ」そして「母の死」をきっかけに、意を決して投資の勉強を始める。数ある投資の中から自分にとって失敗しない投資の一つとして不動産投資と出会い、資産を拡大。当初は副業としていた不動産投資が、48歳サラリーマンを独立してからは本業に。現在は、人生における「正しいお金の知識」「正しい不動産の知識」をメディア、書籍、セミナー、ブログ、メルマガなどで伝えている。(著者公式サイト 人生自由化計画.com)

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