青黒い、そういうものにわたしはなりたい。

しゅんしゅしゅんです。

ロマンとソロバンって良い言葉だと思う。

ロマンとは、人が抱く夢やビジョン、成し遂げたい未来の目標や野心のこと。ソロバンとは、ロマンを達成するために必要となる手間や労力、時間や金銭のこと。

すべての現実の変革は「はじめにロマンありき」。「たった一人の熱狂」から始まると言い換えてもよい。

しかし、夢を熱く語るだけでは、現実を変えることはできない。複数の人が集まってひとつの目標に進むときには、大きなビジョン(ロマン)と、それを実現させるためのコスト計算(ソロバン)の両方が大切。

だからこそ、ビジョナリーなCEOには、実行力のあるCOOが必要だし、いつの時代にも軍師、参謀、番頭とよばれるような人達が活躍するんですね。

ロマンだけで押し通そうとしても人は動かない。

「俺が困るから合意しろ!」「わたしが可哀想だから言うことを聞いて!」と主張すれば相手は聞いてくれるはずは、子供であればまだ許されるが、大人の振る舞いではない。

ビジネスの場でよく聞くし、言ってしまいがちなのは、「〇〇部はなんにもわかっていない」「我々の立場も知らずに」「私の立場もわかってくださいよ」。これらは、全て「駄々」であり子どもの論理だ。

相手に交渉のテーブルについてもらうためには、「自分の立場を理解してもらう」ことより「相手の立場を理解すること」のほうが大切。そして、相手にいかにメリットがある提案ができるのかが大切なんですね。

駄々のような主張だけでなく、「自分はこんな素晴らしい世界を作りたいから協力してくれ!」と、どんなに素晴らしい夢や希望を語ったところで、相手に対して具体的なメリットを提示できなければ、これまた人を動かすことは難しい。

投資の世界でもそうらしい。あるベンチャーが世に送り出そうとしている商品やサービスが、いつか多くの人に必要とされる日が来るか(長期的なロマン)。また事業がスタートしてから、きちんとビジネスとして回っていくか(短期的なソロバン)の両面が大切。

・How can you change the world?(どうやって世界を変えるの?)
・How can you make momey?(どうやって儲けるの?)

この2点が投資家の質問なのだと。

面白いことをやっていれば、お金はあとからついてくるは、自分自身のロマンばかりに目がいって、他人のソロバンを軽視している可能性がある。役に立つ面白いことをやっていれば、お金はあとからついてくるが正しいのかもしれない。

「初めにロマンありき」だが「ソロバンなくしてロマンの実現なし」これは交渉の根底の考え方なのです。

では、ロマンよりソロバンが大切なのかというとそんな簡単なことでもない。最後の最後で人を動かすのもロマン。交渉は論理だけで決まるものではなく、人間の心理と主観が大きくかかわる。最後はお互いが感情的に納得できるかどうか。ソロバンだけで利を説いても人は動かない。

世の中で本当に強い力を持っている人々は、すでに経済的にも社会的にも成功している。だから自分が得をするかよりも世の中が良くなるかどうかを価値判断の上位に置く。これはスタートアップやベンチャーの人もそうかもしれない。

となると、ストーリーを熱く語ることも大切。

ビジネス提携を仕掛けるときに、自分がやりたきこと、やりたいとおもった理由、やった結果として世界がどう変わるのか。また一緒にやることで相手のロマンがいかに達成できるか。そんなことを熱く語った方がよい。

掲げているビジョンが社会にとって大きな意義のあるものであれば、そして、そのビジョンを実行できるだけの道筋を証明できればたとえ実績がなくても人を動かすことはできる。

採用でもそうだろう。ビジョンやカルチャーを語るだけでは人は動かない。そのビジョンを達成するための道筋に納得のいくソロバンを感じた時に、人はその会社に惚れ込むのだと思う。順列のあるストーリーに人は動かされる。

つまり、ロマンとソロバンは等価で大切なのだ。

たしかリクルート用語だと思うんだけど、青黒いって言葉がある。「青臭さ」と「腹黒さ」を持ち合わせた人間だ。これまた良い言葉だな。

そんな人に、僕はなりたい。

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