オレ流クソ主観素人お笑い論46「結成年月の長いコンビが積み上げているものと即席コンビとの差」

お笑いというものは時代や年月とともに何が面白いかが変わり、それに伴い、露出してくる芸人さんも日々変わる。

面白いことは大好きで始めたお笑い。

しかしオレは今現在、シンプルに面白いネタが書けなくなり、思い付かなくなった。

面白いことを考え、笑いをとることははっきり言って、苦悩の連続でもある。

何がはまるか、誰にはまるか、やってみなきゃわからないが、はまらないことも多々ある。

それをネタを作ることを繰り返し、また他の芸人さんのネタを拝聴することを繰り返し、痛感してきた。

ネタを作るのにかかる時間、ネタを練習する時間、小道具等にかかる費用、ウケるかスベるかわからねえ緊張、スベったとき批判喰らったときにやられるメンタル、それらに耐えていかなきゃならないのだ。

はっきり言ってオレは、それらに耐え続けられるほど鋼のメンタルではなかった。

だからプロにもなれねえし、お笑いライブも怖くて出れなくなったし。

で、スベったらオレはすぐ人のせい、何かのせいにする。

そんなオレにこれ以上お笑いをやる資格は無いと感じ始めた。


M-1グランプリとR-1グランプリにしか今後は出ないつもりでいたが、それすらもオレはやめることにした。

というのはこれらのデカい大会ってのは日頃からお笑いライブ等で笑いを磨いている人らが出るべき大会だ。

プロ、アマチュア関係無く出れるのかもしれないが、1回戦から心臓の強い人が当たり前のようにいる。

勿論思い出作りにM-1出たっていいじゃないかと、そういう意見もあって良いし、そう思っていらっしゃるアマチュアの人はそれが目的で出場して全然良い。

しかしオレはM-1とR-1には計14回出場してきた。

そんなオレから言えることは、オレはもはや思い出作りがM-1に出る目的ではなくなった。

14回のうち1回戦を突破した回数は奇跡の0回。

2回戦より上の階から見える景色を眺めることは出来なかった。

お笑い、漫才を見たとき、若かったオレはどこか舐めていた。

「オレにもできるんじゃないか?」

そこからオレの挑戦が始まったのは18歳のときの初舞台のM-1仙台予選1回戦。


初めて組んだ相方と揉めて、いがみ合って、ぶつかり合って、喧嘩して、ブチギレてを繰り返して作ったネタがM-1でドンズベリした。

約60組中10組程度しか受からなかった1回戦。

敗退したことがわかった瞬間、

「漫才ってなんて難しいんだ」

そう強く感じた18歳の夏。

2回戦に受かった10組前後のコンビはお笑い事務所所属だったり日頃からお笑いライブで漫才を磨いているコンビばかりだった。

決勝となればもはや夢のまた夢。

やはり初めて漫才をやるヤツが、日頃から毎日漫才をやってる人たちに敵うはずはなかった。

それがM-1。

今でもそう思っている。

勝ち進みたいなら場数を踏むなり東京行くなり努力が必要だ。

それはお笑いだけじゃない。

毎日鍛えてる人にはどうしても勝ち目が無いスポーツのようなもの。

オレは舐めていた。

いつしか目標を失った。

オレは何を目指してるんだろう、お笑いを続けた先に何を残そうとしてるんだろう。


昨年大学生の人とコンビを組んだときに彼からも聞かれた。

「ねっくんさんがお笑いをやる目的って何なんすか?」

オレは明確な回答をすることが出来なかった。

笑いも取れないわ、評価されなければふてくされるわ、オレの目的って何なんだろう。

聞かれて答えられないってことはそういうことだろう。

彼からも解散するときに言われた。

「『ストロングスタイル』が受かっておれらが負けるのって、やっぱそこじゃないっすか?」

※毎年M-1仙台予選1回戦を必ず通過している仙台のプロの漫才コンビの方々です

オレは何も言い返せなかった。

即席で組んだコンビとは、積み上げてきているものが全く違うのだ。

昨年組んでいた大学生の彼に、ネタ合わせに何回遅刻してこられてもオレが何も言わなかったのは、オレが彼にとって口うるさいおじさんに見えるのがオレ的に嫌だったってのもあった。

そこら辺の信頼関係がもっととれていれば言える。

即席コンビってのは信頼関係が薄い。

十何年やってる人たちは違う。

組んでいる年月が長ければ長いほど互いに互いのことを知り、その分コンビの絆が深くなる。

ただそこに行きつくまでは相当、互いに理解しあい認め合うことを互いが努力していかなければならない。

それが出来ているコンビと比較されたら、オレは返す言葉が無い。

コンビってのは簡単ではない。


結成年月が長いコンビほど様々なドラマがあるのはそういうこと。

互いに一時は理解できなかったことを時間をかけて理解し合い、笑いのスキルを磨いて成長していくもの。

芸人さんたちを見ていてオレは少なくともそう感じている。

誰かとコンビを組むということは決して簡単なことではないってことは言いたい。

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