オレ流クソ主観素人お笑い論10「賞レースの審査員について」
審査員のコメントというのも、賞レースを見る上でかなり見所となる。
どの審査員が誰にどう評価するのか、何点つけるのか。
ネタだけじゃなく、オレもそれを楽しみにしている部分もあるからこそ、審査員は重要だと思う。
審査員席に座る人は、例えばM-1グランプリなら漫才で活躍した人が大半となるし、R-1グランプリならピン芸で活躍した人が大半となる。
その中にM-1で落語家が、R-1で漫才の人がたまに混じっていたりするが、色々な視点が必要なので全然悪くはない。
審査する人たちは皆勿論プロの芸人である。
それが重要。
そして複数人いることも重要。
様々な視点から審査する審査員を何人唸らせられるかも見所だとオレは思っている。
あとは芸人と審査員の平場の絡みも見応えがある。
しかしながら、審査員というのはとにかく批判される。
審査員は芸人の人生を背負うため、生半可な気持ちでは務められないと言われている。
ゆえに数日前から酒を抜く審査員もいる。
ただオレ個人的に、審査員を批判する人は非常に許せない。
なぜなら審査員というのは、お笑いの業界で色々なしがらみを経て審査員という立場になっている。
様々な審査基準がある中で、複数の審査員の点数や考えにばらつきがあったとしても、その人の審査は絶対であると思っているからだ。
その審査員がこうだと感じたらそれ以外の何物でもないからだ。
審査員の審査に文句がある人は賞レースに出て一度優勝してからにしてくれと思う。
説得力や言葉の重みってものがある。
例えばミルクボーイから「あなたたちは漫才じゃない、もっとこうした方が良い」って言われるのと、M-1で1回戦で落ちた人から「漫才じゃない、もっとこうすれば漫才っぽくなるよ」って言われるのとどっちが説得力あるかって話。
だからプロの人が審査員をやるのだ。
今回のR-1グランプリ決勝終了後にもいた、視聴者投票にした方がいいと。
それはプロの審査員に失礼だとオレは思う。
今回のR-1グランプリ2022では、陣内智則が批判されている。
「もう一展開欲しかった」
「ピン芸人が見たいと思ってお見送り芸人しんいちを選んだ」(決選投票時)
「フリップで幼少の頃から現在までの自画像を見せてたのが面白くてZAZYに入れた」(最終決戦時)
とのことであるが、批判するポイントはオレは全く思い付かない。
逆にどの立場で批判してるのかわからない。
もう一展開欲しかったってのは、それだけその芸人に期待して、残念ながらそこまで期待を超えてこなかった、もっと畳み掛けて欲しかったと思っているからそうコメントしたまでの話。
あとは尺が限られている中で手短にコメントしなきゃならない。
具体的にどういう展開が欲しいのか説明してほしいという意見もあるけどそんなのは芸人がご自分で考えることで視聴者が気にすることではない。
例えば桃太郎のネタがあったとして、きびだんごの中に最後時限爆弾を仕組んだものを鬼に投げて欲しかったとかそんな具体的なことをいちいち生放送で言ってくれる審査員ばかりではない。
そんなこんなで、展開が欲しいっていうコメントに対して批判してる人はお笑いをわかっていないとオレは思っている。
ピン芸人が見たい、に関しては別にコンビ芸人を批判したつもりは本人にはないことはわかる。
言葉狩りはやめてほしい。
元々ピン芸の大会、その中で吉住、金の国渡部おにぎり、お見送り芸人しんいちが同率になり、一番ピン芸らしい人が選ばれるのは当たり前。
2本目が見たい人が選ばれたワケだ。
それだけ紙一重だったということ。
あの場面は誰か2人を落とさなきゃならない。
それを見るのが辛いなら、審査員の選出理由が不快ならチャンネルを変えてくれって話。
ZAZYの最後のフリップに関しては、陣内にとって欲しかった展開が見れたからがゆえの感想である。
終始妥当な審査だったとオレは思う。
最終的に言えるのは、審査員だってお笑いの業界で培ってきた知識や経験、実績に基づいて形成された価値観を審査基準にしている。
それが陣内の場合は展開、バカリズムの場合は自分を表現しているかどうか。
M-1だったら立川志らくの場合は落語っぽいかどうか、オール巨人ならわかりやすさ、喋りの技術、松本人志ならツッコミの表情とか。
人間なんだから基準がそれぞれ違うのは当たり前。
会場の笑いの量も審査基準に入れてほしいという意見もあるけど決勝会場の観客はなるべく笑うように打ち合わせの段階で言われていると聞いたので会場の笑いの量は恐らくプロの審査員はあんまり基準にしてないと思う。
もし笑いの量で勝ち負けが決まるなら賞レースは破綻するし、プロの審査員はいらない。
笑い声を測定する機械を使って優勝準優勝を決められたりしたら、審査員のコメントや審査員と芸人の絡みっていう見所も無くなる。
あまり素人がごちゃごちゃ審査員に文句言うもんじゃない。
野田クリスタルは審査員はまだ早いという意見もあった。
いやいや、野田クリスタルは芸歴長いし賞レース2冠、キングオブコントもファイナリスト。
3つの賞レースで決勝行ってるのは野田クリスタルだけだ。
野田クリスタルに物申すならその3つ優勝してからにしなさいとオレは思う。
まあ色々思うことはあるかもしれないが、審査員の審査は絶対であると結論つけてこの記事は終了する。
以上。
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